今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは148.85円
↓下値メドは145.40円
円:介入金額のわりに効果は限定的。日銀が緩和政策を継続するなかでは限界
株式市場:債券市場が安定しなければ、株式市場も安定しない
BOE:外貨準備が少なすぎて為替介入はできない
BOE:金融引締めが必要なのに、債券購入。BOEが利上げするまでポンド下落止まらない
英経済:減税と財政出動は、BOE利上げで相殺。経済効果低い
英国:世論調査で英労働党が保守党に、過去最大17ポイントのリード
英国:格付け見通しが安定的からネガティブに引き下げられる可能性高まる
LME:ロシア産のメタル取引の排除を検討
ユーロ:欧州のインフレ率上昇でユーロ下落。ECBは「これ以上利上げできない」
ECB:FRBに追随する急激で大きな利上げは、かえって欧州の景気後退リスクを高める
米国のCPIインフレ率は、FRB(米連邦準備制度理事会)の不断の利上げにもかかわらず、下がる気配はない。
米労働省が10月13日に発表した9月のCPI(消費者物価指数)は市場予想を上回り、前月比0.4%上昇した。8月は0.1%上昇だった。前年同月比は8.2%上昇と、伸びは8月の8.3%から僅かに縮小した。
中古車価格と衣料品が下がったこと以外には「良いニュース」はなく、住居費は高止まりし、交通サービスも上昇した。米国経済に、インフレがインフレを招く「セカンド・ラウンド・エフェクト(二次的効果)」の広がりが確認された。エネルギー価格がインフレの主役となっている欧州経済や円安が引き起こす輸入インフレの日本とは全く異なる状況であり、米国経済がいかに過熱しているかを示す証拠である。FRBにとっては「最悪のニュース」だ。
10月13日(木曜)のドル/円は7営業比連続の「円安」。
1日のレンジは146.42円から147.67円。値幅は1.24円。
2022年204営業日目は146.84円からスタート。この日のレンジは、わずか1分間のうちにつくられた。米9月CPIが予想以上に上昇したことを受け、NY市場で広範なドル買いが強まるなかで147円台に乗せ、東京時間22時19分には32年ぶりの高値となる147.67円まで上値を伸ばした。しかし、介入に神経質になってドル売りがでると146.42円まで1分間のうちに急落した。終値は147.22円(前日比+0.31円)。
ドル/円の次のターゲットは、150円、その次は1990年4月の159円。現在の円安ペースを維持するならば、年末160円もありえるだろう。
レジスタンスは、
147.67円(10/13)
149.25円(1990.07)
159.00円(1990.04)
サポートは、
146.42円(10/13)
145.71円(10/12)
145.42円(10/11)
今回のCPIによって、FRBピボット(利上げペースの緩和)の期待は完全に潰えた。11月はもちろん12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.75%幅の利上げはほぼ確実とみられている。
しかし問題は利上げ幅の大きさではない。米国のFF金利(政策金利)の最終レートの見通しの不透明感が増していることの方がマーケットには深刻である。米金利市場の過剰な変動は株式市場を乱高下させるからだ。現在のFF金利の予想は4.5%から5.0%まで急上昇している。
欧州のエネルギー危機、ゼロコロナ政策を継続する中国の経済悪化、英国では政治不安。FX市場ではドル買い一択の状況だ。一方で、大幅なドル高が米企業の収益を無視できないほど圧迫している。米国が政治的に「ドル高」を抑制しようとする可能性もある。
主要指標 終値
今日の為替ウォーキング
今日の一言
人生において、多くの人が何をすべきかを知っているが、それを実際に行う人はほとんどいない
Every Woman In The World
世界中でインフレが急上昇している。インフレ率の前年比というのは、1年前と比較して、今日の物価がどれだけ上がったか(あるいは下がったか)という意味だ。しかし、今の物価と比較しているのは世界の多くの地域が新型コロナによる移動制限が課されていた時期である。
ロックダウン経済下の物価は異常に低かった。ほとんど売れなかった商品は、推測で値付けされていたりした。実際の値段と大きくかい離していたものと比べているのだから、1年前のロックダウン経済と現在のアフターコロナ経済を比較した場合、インフレ率が急上昇するように見えるのは、ある意味当然なのである。
消費者物価指数のバスケットは、過去の消費習慣を元に作成される。通常、消費習慣というのは、それほど変化しないので、不都合が起きることはなかった。しかし、新型コロナ感染流行とエネルギー価格ショックによって、人々の消費パターンは劇的に変化した。
日用品を量販店で低価格で買ったり、自家用車のドライブをやめ公共交通機関を利用したりする消費者にとっては、CPIの数字が示すほどには実際は家計に影響しない。物価高のなかで家庭はできるだけ支出を抑えようと努力するが、消費者物価指数は、このような消費者の行動パターンの変化を認識できていない。
消費者物価指数で示される数字と実体経済の差は意外と大きい。見た目のインフレ率ほど、消費力は低下してないのだ。(だからといって、インフレを放置しても良いということではない。)
週の 注目経済指標
今日の注目通貨:ユーロ/ドル
予想レンジ ↑1.0464ドル ↓0.9141ドル
今週のユーロ/ドルのピボット(ブルベア判断の分かれ目)は0.9803ドル。
0.9803ドルより上ならばドル買い優勢、0.9803ドルより下ならばドル売り優勢。
2022年現時点の高値は1.1495ドル、安値は0.9536ドル。平均値は1.0515ドル。
1日の最大値幅は0.0220ドル、平均値幅は0.0099ドル。
2022年の値幅は0.1959ドル。
2021年の終値(1.1378ドル)に比べて0.1325ドルのユーロ安。
1.0717ドル : 第4レジスタンス(HBO)
1.0515ドル : 2022年 平均値
1.0464ドル : 第3レジスタンス
1.0212ドル : 第2レジスタンス
1.0198ドル : 09月 高値
1.0134ドル : 第1レジスタンス
1.0000ドル : 10月 高値
0.9867ドル : 09月 平均値
0.9803ドル : ピボット
0.9536ドル : 09月 安値
0.9472ドル : 第1サポート
0.9394ドル : 第2サポート
0.9141ドル : 第3サポート
0.8888ドル : 第4サポート(LBO)
2022年 ユーロ/ドル データ
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