突然の株価急騰で日経平均株価も大きく上昇
9月中旬から下落が続き、非常に弱い動きとなっていた日本株。ところが10月第1週になり急反発となりました。
10月3日は朝方こそ安く始まったものの、そこから急速に切り返し、上昇して終えました。日経平均株価は3日の安値2万5,621円96銭から6日の高値2万7,399円19銭まで、わずか4日間で1,777円23銭、率にして6.9%の大幅上昇となりました。
個別銘柄も同様で、4日間で10%超の反発を見せた銘柄も数多くありました。
日経平均株価の推移(2022年7月5日~10月11日)
もし3日の安いところで買って、6日の高いところで売れば、短期間の間に大きな利益を得ることも可能でした。
でも実際にそれを実現することは、特に平日の昼間に仕事をしている個人投資家にとってはほぼ不可能に近いと言ってもよいでしょう。
リバウンド狙いの買い時は一瞬だけ
なぜなら、リバウンド狙いに適した買い時はほんの一瞬だけだからです。今回のケースでいえば、安値を付けてから反発した直後である、3日のお昼前後のみでした。
もし、3日の日中は仕事で忙しく、株価をチェックすることができていないという個人投資家の方であれば、おそらく3日の夕方や夜に、安値から急速に切り返していることに気付いたでしょう。
株価チャートを見ても、安値から陽線を引き、底打ちから反発に転じそうな形状となっています。
ところが、その日の夜に米国株が急騰したこともあり、翌4日の日本株は寄り付きから大きく上昇して始まります。日経平均も4日の始値は2万6,653円49銭で、3日につけた安値からすでに1,000円以上も反発した水準でした。
個別銘柄も3日の安値からかなり反発しており、4日の寄り付きの買いは、リバウンド狙いの買いとしてはすでに遅きに失すると言わざるを得ません。
リバウンド狙いは「できるだけ安く」が鉄則
リバウンド狙いをするのであれば、「できるだけ安く買う」が鉄則です。リバウンド狙いでは、安値から少し反発したタイミング、例えば安値から2~3%程度反発したところで買うのが理想です。
その上で、いったん付けた安値を割り込めば、そこは安値ではなかったわけですから、速やかに損切りをすることになります。
これが、安値から10%以上反発してから買い、安値割れで損切りとした場合は、損失率が10%以上となってしまいます。これではリスクとリターンのつり合いがとれなくなってしまいますので、買い時としては遅すぎます。
もし、安値から10%以上反発してから買うような場合は、安値割れを待つのではなく、買値から3%下回ったら損切りするなど、ご自身で損切り価格を設定するようにしてください。
筆者は、安値から2~3%、大きくても5%以内の水準で買えるようでなければ、リバウンド狙いの買いは見送るようにしています。
また、株価が下がっている途中で、反発の兆しが見えないうちはリバウンド狙いの買いは控えるようにしましょう。ご自身が思っている以上に底が深いかもしれないからです。あくまでも、底打ちしたかもしれない状況になってから買うように心がけてください。
もし、どうしても株価が下がっている途中で買いたいのであれば、ご自身で損切り価格を決定しておくようにしてください。
昼間仕事をしている個人投資家は「いつも通り」でOK
昼間仕事をしている個人投資家であっても、リバウンド狙いをしたいのであればすること自体は全く問題ありませんが、株価をつぶさにウオッチすることができないため、いざやってみるとかなり難しいことが分かるはずです。
今回のケースのように、短期間に順調に上昇することもありますが、リバウンドが始まったと思ったら、1日反発しただけで翌日以降再び大きく下落、といったことも少なくありません。
そうなったら、絶好のタイミングで買ったつもりが、あっという間に損切りとなってしまいます。
筆者自身も、もしやるとしたら、例えば昼休みに株価をチェックし、たまたま安値から少し上昇しているタイミングであれば、無理のない範囲でやってみる程度です。
そして、筆者としては皆さんにお勧めしたいのは、下手にリバウンド狙いをするのではなく「いつも通りのことをする」ということです。
例えば筆者であれば、投資候補銘柄のうち25日移動平均線を超えたものを買うのですが、底打ちからの反発局面では、強い銘柄がいち早く25日移動平均線を超えて反発を始めます。
その時機を見計らって買うようにすれば、株価が大きく上昇する可能性の高い、強い銘柄を上手に買い仕込むことができます。
リバウンド狙いを長期投資にすり替えないこと
もしリバウンド狙いをするならば、絶対にしてはいけないことがあります。それは、「リバウンド狙いを長期投資にすり替えること」です。
リバウンド狙いで買った株が、意に反して下がってしまうことも往々にしてあります。そんな時は必ず損切りしなければなりません。
なぜならリバウンド狙い、つまり、株価が短期間に急速に反発することを期待して買ったからです。期待通りの株価の動きにならなければ、速やかに手じまいする必要があります。
ところが、個人投資家の中にはリバウンド狙いで買った株が下がっても、損切りをせずにそのまま持ち続け、その結果さらなる下落で多額の含み損を抱えた塩漬け株を作ってしまう人も珍しくありません。
塩漬け株になってしまったら、もう今更売る気にもなれず、「長期投資に切り替えて、株価が買値に戻るまで待とう」という気持ちになってしまいます。
しかし、塩漬け株を作ってしまうと、資金が固定化され、「死に金」になってしまいます。もし塩漬け株ではなくキャッシュで持っていれば、別の買い好機が訪れた場合に買う資金がありますが、塩漬け株を持ったままだと買うことができなくなります。
そもそもリバウンド狙いという短期決戦のつもりで買ったわけですから、想定と異なる株価の動きとなった場合でも、損失が小さなうちにスパッと損切りを行い、次の買い時に備えるようにしましょう。
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