皆さま、こんにちは!

 10月1日は中国の「国慶節」で、建国記念日とされています。1949年10月1日、北京の天安門広場で当時の中国共産党・毛沢東主席が中華人民共和国の成立を宣言したことを記念し、法定休日となっています。春節(旧正月)に続き大型連休となるため、多くの人が一斉に移動し、観光地や交通機関はいつも大混雑となります。

 2019年、建国70周年の際には、新型兵器を展示するなど過去最大規模の軍事パレードも行われました。

強い米国経済が逆風?主要2指数が年初来安値を更新、株安はまだ続くのか?

<直近3カ月のS&P500種指数の推移>

出所:楽天証券ウェブサイトより

 9月の米国株式相場は初旬にやや回復したものの、強い経済指標の発表によるFRB(米連邦準備制度理事会)の積極的な金融引き締めの見通しが強まったため、下落相場に転じました。9月30日にダウ工業株30種平均とS&P500種指数が年初来安値を更新し、それぞれ2020年11月以来となる2万9,000ドル割れ、3,600ポイント割れとなりました。

 9月29日に発表された新規失業保険申請件数は19.3万件と、市場予想の21.5万件を下回り、雇用指標が強い結果を示したほか、9月30日に発表された8月個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く)は前月比+0.6%と、市場予想の+0.5%を上回る強い伸びとなったことが、相場の重しになりました。

 FRBはこれからも強すぎる米国経済を冷やし、高まるインフレを抑えるために、継続的な利上げを実施する見通しで、株安はしばらく続くのではないかとの見解が広がっています。また、11月8日に行われる米国の中間選挙、相場への影響を注目していきましょう!

中国景気減速懸念で、香港ハンセン指数が約11年ぶり安値!

<直近3カ月の香港ハンセン指数の推移>

出所:楽天証券ウェブサイトより

 9月の香港株相場は、大幅な下落に陥り、9月30日に約11年ぶり安値を付け、10月3日に一時1万7,000ポイントを下回りました。

 米長期金利の上昇による米ドル高・人民元安の進行を背景に、香港などの新興国市場からの資金流出に対する警戒感が強まり、リスク回避の売り姿勢が見られました。

 10月16日に中国共産党大会の開幕を控え、中国当局が経済復活のための新たなコロナ対策や株式相場の安定を図る行動をとるのではとの観測が浮上しています。

 10月3日、中国の動画プラットフォーム「ビリビリ(9626)」の香港上場の扱いは「セカンダリー上場」から「プライマリー上場」に切り替わり、米ナスダック総合指数とのデュアルプライマリー上場となりました。

 米国市場からの上場廃止リスクを回避するために、直近2年間では、アリババ(9988)バイドゥ(9888)など中国有名企業が次々と香港市場に重複上場する動きも見られました。今後もこうしたケースが増えていくのでしょうか。

2022年9月の個人投資家に人気だった外国株式銘柄は!?

2022年9月 米国株式買付者数ランキング

順位 ティッカー 前月順位 銘柄名 関連するテーマ
1 VTI 1 バンガード・トータル・ストック・マーケットETF ETF、米国株式
2 SPYD 2 SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF ETF、高配当株式
3 VYM 3 バンガード・米国高配当株式ETF ETF、高配当株式
4 SOXL 4 Direxion デイリー 半導体株 ブル 3倍 ETF レバレッジETF、半導体
5 VOO 5 バンガード・S&P 500 ETF ETF、S&P500
6 AAPL 7 アップル スマホ、PC
7 KO 12 コカ・コーラ 飲料大手
8 HDV 9 iシェアーズ コア米国高配当株 ETF ETF、高配当株式
9 QYLD 8 グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF ETF、ナスダック100
10 TSLA 6 テスラ 電気自動車
※楽天証券内買付者数ベース。2022年9月1日~9月30日、国内約定日ベース。

 楽天証券における9月米国株式月間買付者数ランキングでトップとなったのは、バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)で、継続して1位を記録しています。

 当ETF(上場投資信託)は超低コストで有名な米国バンガード社が運用するETFの一つで、米国上場の小型銘柄から大型銘柄まで約4,000銘柄を網羅し、一つのETFを購入するだけで分散投資できるという点が最大のメリットです。

 また、ファンド運用に関わる信託報酬などを含めた経費率は年率0.03%(2022年10月時点)で、同カテゴリーの他社ETFより低水準というのも人気が集まる理由の一つです。

 5位にランクインしたバンガード・S&P 500 ETF(VOO)は、米国主要指数の一つであるS&P500への連動を目指すETFで、小型銘柄の倒産リスクを回避したい、米国上場の実績がある大型銘柄を中心とする企業への投資を行いたい方にはお勧めです。

 個別銘柄では、誰もが知る飲料大手・コカ・コーラ(KO)が久しぶりにランクインしました。同社は2022年4-6月期において、平均販売価格が前年同期から約12%上昇したにもかかわらず、世界販売量が同8%増と、炭酸飲料への旺盛な需要が追い風になりました。

2022年9月 中国株式買付者数ランキング

順位 ティッカー 前月順位 銘柄名 関連するテーマ
1 2800 2 Tracker Fund of Hong Kong(トラッカー・ファンド・オブ・ホンコン) ETF、ハンセン指数
2 1810 4 小米集団(シャオミ) スマホ大手・IoT家電
3 9988 1 阿里巴巴集団控股(アリババ・グループ・ホールディング) ネット通販最大手
4 700 3 騰訊控股(テンセント・ホールディングス) インターネットサービス大手
5 1211 13 比亜迪(BYD) 自動車・電池メーカー
6 1398 5 中国工商銀行(インダストリアル・アンド・コマーシャル・バンク) 商業銀行最大手
7 3988 8 中国銀行(バンク・オブ・チャイナ) 金融(銀行)
8 9888 9 百度(バイドゥ) 検索エンジン最大手
9 2801 12 ISHARES CORE MSCI CHINA ETF(iシェアーズ・コアMSCIチャイナETF) ETF、MSCI中国
10 941 23 中国移動(香港)(チャイナ・モバイル) 通信大手
※楽天証券内買付者数ベース。2022年9月1日~9月30日、国内約定日ベース。

 楽天証券における中国株式月間買付者数ランキングの9月トップとなったのは、トラッカー・ファンド・オブ・ホンコン(2800)で、香港ハンセン指数への連動を目指すETFです。

 アジアの生命保険大手「AIAグループ(1299)」や世界有数のメガバンク「HSBCホールディングス(0005)」、中国インターネットサービス大手「テンセント・ホールディングス(0700)」、ライフサービスを提供する「メイトゥアン(3690)」、中国のネット通販最大手「アリババ・グループ(9988)」が組入れ上位5銘柄となっており、香港証券取引所に上場した香港企業や中国企業への投資ができます。

 また、9位にランクインした「iシェアーズ・コアMSCIチャイナETF(2801)」は香港上場企業だけではなく、中国本土の上海証券取引所や深セン証券取引所に上場している銘柄も含まれており、より広い範囲での中国全体への分散投資ができます。

 中国自体はまだ新興国という位置付けで、中国当局の政策一つで株式相場が荒れることはしばしばですが、個別銘柄への投資が少し怖い方はバスケット投資であるETFの方がよりリスク分散が効きます。