今週の予想

今週は、先週末のNYダウの大幅下落の様子をみるところとなります

 先週は、ダウ工業株30種平均の大幅反発もあり、世界的に中央銀行の金融引き締めに対する警戒感が後退し、日経平均株価も連動して週始めから4日連続の上昇となり、2万7,000円台にのせました。週末は9月雇用統計の発表を控えていたことで、目先、利益確定売りで安くなりましたが、下げ幅は限定的でした。

 しかし、その注目の雇用統計が予想を上回る結果となって、労働市場の需給ひっ迫が示され、NYダウは▲630ドルの2万9,296ドルと大幅続落となり、シカゴ日経先物は▲385円の2万6,715円となり、為替も145.38円と円安が大きく進みました。

 日米ともに先週は急反発となりました。NYダウは9月30日の安値2万8,715ドルから10月5日の3万454ドルと4日間で1,739ドル(6.0%)の反発。これにつれて日経平均は10月3日の安値2万5,621円から6日の高値2万7,399円まで4日間で1,778円(6.9%)の反発となりました。

 この大きな反発は、10月になって9月の下げの反動で新たなポジション構成に向けて買いが集中したことや、9月の下げて売っていた向きが買い戻しに動いたということがあります。予想外の急反発といえますが日経平均の週足をみると、今年の3月後半も似たような局面があり、長く反発は続かず2~3週間で見切られて再び調整に転じています。

 地政学的リスクがある今の地合いから今回も上昇の勢いが止まると再び売り圧力が増してくることになります。NYダウは急反発したものの、年初からの下げ基調が「好転」するまでには至っていません。

 今週は、米国の9月雇用統計の結果を受けて、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融引き締めの懸念が強まったことで、再び下げ圧力が出てくることになります。ただし、円安基調は変わらないため輸出関連株が下支えとなり、目先の下値は9月30日の終値2万5,937円、その下は10月3日の安値2万5,621円となります。

今週の指標:日経平均株価

 結局、NYダウの上昇は、先週末の雇用統計の予想以上の強さを受けて、FRBの強気な利上げへの警戒感が高まり、金利が上昇して▲630ドルの2万9,296ドルとなり、シカゴ日経先物は▲385円の2万6,715円となっていたことで、売り圧力が強まります。

 目先は9月30日の終値2万5,937円水準が下値となりそうです。ここを切ると10月3日の安値2万5,621円となります。NYダウが落ち着けば円安基調もあり、早い段階で戻りを試す可能性もあります。

先週の動き

 前々週と先週は、NYダウの需給関係による大きな上下動に合わせて、日経平均も先週は3日(月)前場に2万5,621円まで下げましたが、ここから急反発となって+278円の2万6,215円で引け、4日(火)は+776円の2万6,992円、5日(水)は+128円の2万7,120円と一気に2万7,000円台を回復しました。

 2万7,200~2万7,400円の間には多くの抵抗線があるため、上値重く6日(木)の2万7,399円で止まりました。週末の7日(金)は、前日まで急騰し、2万7,399円が上値のフシに到達したことや、NYダウが下落となったことで、朝方は▲389円の2万6,921円まで下落するものの、時間外の米国株が底堅い動きとなっていたことで下げ幅を縮小し、▲195円の2万7,116円で引けました。

今週の指標:NYダウ(ダウ工業株30種平均)

 今週は、銀行を皮切りに主要企業の四半期決算が始まり、9月CPI(消費者物価指数)や卸売物価指数などの重要インフレ指数に加えて小売売上高の発表も予定されています。FRBが発表する9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録の内容も重要となります。

 この会合でインフレを2%の目標値に引き上げるため前倒しで強い利上げ継続の必要性が明確化されると株価の上値を抑制することになります。

先週の動き

 9月26日(月)に▲329ドルの2万9,260ドルと終値で3万ドルを割り込み、5日続落となって年初来安値を更新しました。ここから大きな上下動となって下値を模索する動きとなり、9月30日(金)には▲500ドルの2万8,715ドルまで下げました。

 ここから反発に転じ、10月3日(月)は+765ドルの2万9,490ドル、4日(火)は+825ドルの3万316ドルと2日連続の大幅反発で3万ドルを回復しました。

 しかし、ここからは上値重く6日(木)は▲346ドルの2万9,926ドルと3万ドルを再び割り込み、週末の7日(金)は、注目の9月雇用統計は、雇用者数は予想を上回り、失業率も3.5%と0.2%改善され、労働市場の需給ひっ迫が示されたことで、長期金利は上昇しFRBの利上げは必要との見方でNYダウは▲630ドルの2万9,296ドルと大幅続落となりました。

今週の指標:ドル/円

 日米金利差拡大によって円売り・ドル買いの意欲は根強く、145円台に再びのってきました。ここから政府・日本銀行による円買い介入への警戒感が高まり、値動きは抑制されることが想定されます。

 ただ、米インフレ関連指標の伸びが鈍化すれば、利上げ加速への期待は一服し、金利安がドルの重しになりやすいといえます。今週は、13日(木)の9月CPIが手掛かり材料になりやすいと思われます。

先週の動き

 先週は、週前半は9月ISM(米サプライマネジメント協会)製造業景気指数の悪化などでリスク選考的なドル買いは縮小し、10月5日(水)には143.53円まで下落。その後、長期金利の上昇に伴いドル買いが優勢となり、7日(金)には145.44円まで買われました。

 その後、9月雇用統計を受け、ドル高は145円台でもみあい145.31円で引けました。日本市場が休場の昨日の10日(月)は143.33円で終わっています。

 

先週の結果

先週は、前々週とは逆にNYダウの急反発を受けて、日経平均も大幅反発

 先週の予測では、目先は円安への戻りで輸出関連株が下値をサポートし、前々週で日経平均の構成銘柄入れ替えにかかる売りが一巡したことで、前々週の下げ加速の一因となったものがなくなるため、好転が期待されるとしました。

 そのため先週は6月20日の2万5,520円の2番底を下値に2万5,500~2万6,500円を予想レンジとしました。

 しかし、米国で各種の経済指標が予想を下回ったことで、前々週の4%を超える金利が低下し、FRBによる積極的な金融引き締めの早期終了期待が高まり、NYダウをはじめとする米国株は大幅上昇が続きました。

 前々週は、相場で最大の材料は「需給」であるため、NYダウが「陰転」し、年初来安値を更新し続けたことで、日経平均も連動して、10月3日(月)には、2万5,621円と6月20日の2万5,520円の2番底へ接近しました。

 ところが先週は、週始めからNYダウが10月3日(月)は+765ドル、4日(火)は+825ドルと2日連続の大幅高となり、これを受けて日経平均も3日(月)は+278円の2万6,215円と反発し、4日(火)は+776円の2万6,992円と2万7,000円に接近し、5日(水)は+224円の2万7,216円まで上昇し、+128円の2万7,120円で引けました。

 6日(木)は+278円の2万7,399円まで上昇して+190円の2万7,311円で引けました。

 5日(水)の時点で、レンジの上限を2万7,300円台の見方が多いとしましたが、2万7,399円まで上昇しました。これは2万7,200~2万7,400円の間に多くの抵抗線が集まっているためです。

 チャートは26週移動平均線、200日線、75日線、25日線と集中し、日足ベースの一目均衡表では、厚い雲のレンジの下限の手前でストップしています。前々週、先週は日米ともに需給関係で大きな上下動となっていますので、この上値抵抗ラインを一気にぬければ上昇に弾みがつく可能性もあります。

 先週末の7日(金)は、前日のNYダウが▲346ドルの2万9,926ドルと3万ドルを再び割ったことで、前場は▲389円の2万6,921円まで下げましたが、時間外の米株先物が底堅い動きとなっていたことで、後場はもみ合い商状となり、引け後の米雇用統計や3連休を前に手控え気分となり▲195円の2万7,116円と5日ぶりの反落となりました。

 引け後の米国市場では、注目の9月雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比26万3,000人と市場予想の25.0万人を上回り、失業率も0.2%改善する3.5%と労働市場の需給はひっ迫したことで、FRBの積極的利上げは必要との見方となりました。

 10年債利回りは一時3.9%台まで上昇し、これを受けてNYダウは▲630ドルの2万9,296ドルと大幅続落となりました。