今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは146.25

下値メドは143.05

ESG:EUが天然ガスと原子力を「グリーンエネルギー」として認定の方針
円安:円安は他の中央銀行と比較して極端にハト派的な日銀の政策の象徴
日本経済:日銀のインフレ扇動で、日本の消費者の支出抑制の強い意識と所得増加への悲観強まる
中国:外国人投資家の中国国債の売却加速、1月から保有率15%減
中国:国内不動産投資、前年比-7.5%
FRB:インフレが2%まで低下すると確信できるまで「利下げは考えない」
インフレ:FRBの利上げが持ち家をあきらめた人々の賃貸需要を高め、人工的インフレを作りだす
欧州:エネルギー危機で天然ガスの節約。使用量が前年比1割超減る
エネルギー危機:ドイツのエネルギー価格、前年比139%上昇
豪ドル:RBAは年末までに1.25%利上げ、政策金利を3.10%に。2023年末は2.60%

 この日のマーケットは、前日とは逆に「良い知らせは、悪い知らせ」となって、NY株が下がりドルが買われ、円やユーロがドルに対して安くなった。

「良い知らせ」とは、米国の重要景気指数である非製造業ISMが、予想以上に良好だったこと。民間版雇用統計の9月ADP雇用データは20.8万人増加した。事前予想(20.0万人増)より若干強かった程度だったが、前月分は13.2万人から18.5万人に大きく上方修正された。これが、FRB(米連邦公開市場委員会)の強気利上げ方針は変わらないという「悪い知らせ」になった。

 10月5日(水曜)のドル/円は「円安」。
 1日のレンジは143.53円から144.85円。値幅は1.54円。 

 2022年198営業日目は144.09円からスタート。東京時間朝はドル売り/円買いがやや優勢で、144円を下に抜け143.53円まで円高に動いた。この水準を切ると、チャートでは141円台が見えてくるのだが、待ち構えていた買いに大きく押し上げられて、未明には144.85円まで上昇して高値をつけた。終値は144.67円(前日比+0.51円)。

レジスタンスは、
144.85円(10/05)
144.94円(10/04)
145.30円(10/03)
145.90円(09/22)

サポートは、
143.53円(10/05)
143.23円(09/26)
141.75円(09/23)

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

 5日のユーロ/ドルは「ユーロ安」。
 1日のレンジは0.9835ドルから0.9995ドル。 

 東京時間夕方、欧州勢が参入し始める時間帯に0.9995ドルまで上昇して高値をつけたが、そこで勢いを失い、夜遅くには0.9835ドルまで下落して安値をつけた。終値は0.9886ドル(前日比▲0.0101ドル)。

  1週間前には0.95ドル台まで売られて、20年ぶりの安値圏まで沈んだユーロ/ドルは、ようやくここまで戻ってきた。しかしこの日も1.00ドルの大台に乗せることはできなかった。1.0000ドルは9月12日以来見ていない。

レジスタンスは、
0.9995ドル(10/05)
1.0000ドル(10/04)
1.0051ドル(09/20)

サポートは、
0.9835ドル(10/05)
0.9806ドル(10/04)
0.9753ドル(10/03)

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

金を稼ぐだけの仕事なら、それは貧しい仕事だ - ヘンリー・フォード

Shape Of My Heart

 値上げの秋がやってきた。10月の食品値上げは8,500品を超え、単月での価格改定数は年内最多規模に達する。食料品だけではない。電気やガス料金、チケット価格から自動車、電車代まで、ありとあらゆる商品がこれから値上がりするのだ。

 それでも日銀は、金融政策決定会合で大規模な金融緩和の維持を決定した。インフレを抑えるつもりは全くない。現在のインフレは継続することなく、来年以降は需要不足から鈍化するとの予測のもと、特別な対策は必要ないとの判断だ。

 今から約1年前の2021年6月頃、パウエルFRB議長が「インフレは一過性(なので心配ご無用)」と、米議会で証言していたことを思い出す。その後何が起きているか。米国のインフレはFRB目標値の4倍まで跳ね上がり、いくら利上げしても下がる気配はない。

 FRBやECB(欧州中央銀行)など世界の主要中央銀行が、インフレそのもの以上に懸念しているのは、インフレの「2次的効果(セカンド・ラウンド・エフェクト)」だ。2次的効果とは、石油製品や食料の価格上昇など、足元のインフレが人々の持つインフレ率の期待値を上昇させることにより、インフレがさらに上昇することだ。黒田日銀は、日本人の頭からデフレマインドを消去するために、日本にインフレの2次効果を爆発的に引き起こそうとしている。

 インフレの不平等感は、所得格差が大きいほど大きくなる。それだけではなく、インフレの不平等性が所得の不平等を悪化させるのだ。

 食品や日用品が一斉に上昇するなかで、ナショナルブランド商品よりも比較的安価なプライベートブランド商品を選んだり、普通サイズよりも単価が安い大容量サイズを購入したりして生活費を抑える工夫をしている家庭は増えている。

 しかし、貧しい家庭は初期費用を持っていない。5キロの米を買うお金がないからコンビニのおにぎりを買う。安いものを買えば割高になるとわかっていても生活の全てにおいて選択肢がなく、結局損をする。

 インフレは、高所得者よりも低所得者により厳しく、貧富の差をさらに拡大させるのだ。インフレの本当の邪悪さはここにある。しかし、政府は、 低所得者世帯への5万円給付で貧困家庭対策は完了したとして、インフレを高めることばかりに熱心である。

今日の注目通貨:豪ドル/円

予想レンジ ↑103.07円 ↓87.48円

 今週の豪ドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は、94.02円。
94.02円より上ならば豪ドル買いが優勢、94.02円より下ならば豪ドル売りが優勢。

2022年の高値は98.67円、安値は80.37円。平均値は89.52円。
1日の最大値幅は3.01円、平均値幅は1.17円。
2022年の値幅は18.30円。
2021年の終値(83.70円)に比べて9.89円の豪ドル高。

103.07円    : 第4レジスタンス(HBO)    
100.57円    : 第3レジスタンス    
98.67円     : 09月 高値
98.07円    : 第2レジスタンス    
97.29円    : 第1レジスタンス        
96.20円     : 08月 高値

95.40円     : 09月 平均値

94.02円    : ピボット

92.13円     : 09月 安値
90.75円    : 第1サポート        
89.98円    : 第2サポート        
89.52円     : 2022年 平均値
87.48円    : 第3サポート        
84.98円    : 第4サポート(LBO)

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

2022年 豪ドル/円データ