今週の予想

今週から10月相場入り。目先は6月20日の2万5,520円を下値ラインとして多少反発も

 先週、ダウ工業株30種平均の安値更新に連動して日経平均株価も下げるとしましたが、NYダウは予想をはるかに超えるスピードで下げ続け、先週29日(木)は▲458ドル、30日(金)は▲500ドルと2日で1,000ドル近い下げとなり、シカゴの日経平均先物は▲80円の2万5,930円となっていました。日経平均株価は約3カ月ぶりの2万6,000円を割り込みました。

 今年3月9日の2万4,681円の安値からの反発後、サポートラインとなっている水準が視野に入りつつあり正念場を迎えています。

 米国では、FRB(米連邦準備制度理事会)による当面の大幅利上げの継続が確実視される中、物価高が幅広い範囲に広がっているため、インフレがピークアウトするタイミングも遅れてきています。

 今週の10月5日のOPECプラスの閣僚級会合での大幅減産観測も浮上しているため予断を許さない状況です。

 今週から10月相場入りとなりますが、目先は円安への戻りで輸出関連株のサポートや先週で日経平均の構成銘柄入れ替えにかかる資金拠出の売りがおおむね一巡し、下げ加速の一因となっていたものがなくなるため多少の好転が期待されるかもしれません。

 ただし、リバウンドがあっても下値もみあいは続くことになりそうです、今週は6月20日の2万5,520円の2番底を下値に2万5,500~2万6,500円の想定レンジをします。

 相場で最大の材料は「需給」です。先週の日米の株価は需給による下げとなっています。NYダウが「陰転」し、年初来安値を更新し続けています。週足チャートは6月安値の2万9,653ドルを割り込み、年初からのチャートの動きは「2段下げ」に入っています。

 これは2020年3月にスタートした「コロナバブル相場」の終わりを暗示するものです。この流れを日経平均に照らすと6月20日の2万5,520円を切ると先行きは3月9日の2万4,681円を試す動きとなってもおかしくありません。

 下値確認には、どこかでセリングクライマックスを迎える場合も可能性としてあるかもしれません。

今週の指標:日経平均株価

 今週も基本は、NYダウの動きにかかります。重要な経済指標が次々と発表されますが、注目は5日のADP雇用統計、7日の雇用統計を受けて、金利へどう影響を与えるか注目となります。これを受けて日経平均は反発する可能性もありそうですが、6月20日の2万5,520円が今年の2番底で下値サポートと想定されます。2万5,500~2万6,500円のレンジを想定します。

先週の動き

 先週の予測では、前々週末にNYダウが年初来安値を更新したことで、NYダウに連動しやすい日経平均は2万7,000円を大きく切って下値を探る展開となりそうだとしました。目先は2万6,000~2万6,500円のゾーンが下値の目安としました。

 しかし、NYダウが予想以上に年初来安値を切り続け、29日(金)には一時2万8,997ドルと2万9,000ドルを切りました。そうなると週末30日(金)の日経平均は一時▲616円の2万5,805円まで下げ、終値は▲484円の2万5,937円と2万6,000円割れで引けました。

 

今週の指標:NYダウ(ダウ工業株30種平均)

 経験則から年を通じて最も相場のパフォーマンスが悪い9月が経過しましたが、今回は10月も油断できません。FRBの利上げが最終的に行き過ぎとなって景気を悪化させるリスクがある他、各国の中央銀行の金融政策がバラバラなため、波乱を招く懸念がくすぶり、投資家は敏感になっています。

 金利高に加えて20年ぶりとなるドル高が企業収益を圧迫する懸念もあります。今週末はFRBの金融政策に影響を与える9月雇用統計が注目となります。

先週の動き

 先週の予測では、前々週末の23日(金)に3万ドルを切ったことで、投資は見送られる見方が多いとしました。26日(月)は▲329ドルの2万9,260ドルと5日続落し、年初来安値更新となったことで、高値から20.41%の下落となり「弱気相場入り」となりました。戻りを試しながら安値更新となっていきます。

 28日(水)は+548ドルの2万9,683ドルと7日ぶりに反発しましたが、29日(木)は▲458ドルの2万9,225ドル、30日(金)は▲500ドルの2万8,725ドルとなって2万9,000ドルも切って引けました。

 

今週の指標:ドル/円

 今週は、引き続きFRBの金融引き締めの長期化の可能性が高いことから、ドル選好地合いが続きそうです。ただし、日本側の為替介入(円買い介入)への警戒感から145円近辺ではドル買い・円売りは弱まる見通しです。

先週の動き

 先週のドル/円は、日米金利差拡大懸念の思惑でドルは底堅い動きを保ちました。ドル売り・円買いの市場介入を警戒して144.90円で上昇一服となったものの、目先、円高にふれてもドルは底堅い動きを保ちました。143.27円まで円が買われたものの、週の終値では144.74円で引けました。

 

先週の結果

先週は想定通り、NYダウの年初来安値に合わせて、日経平均も2万6,000円割れ

 先週の予測では、前々週末の9月23日(金)にNYダウが景気後退懸念を嫌気し、年初来安値を更新し、3万ドルを割ってきたことで、下値を探る展開になるとし、NYダウに連動しやすい日経平均も、それに連動することになるとしたように「NYダウの年初来安値をみながら落ち着きどころを探る展開になる」としました。

 また、テクニカルからみると、日足チャートでは1990年以降では、9月以降に年間の安値を更新している年が多いため、9月は要注意としました。

 今週は、先週末30日(金)に今年の最安値、3月9日の2万4,681円に対する6月20日の2番底2万5,520円に接近する動きとなって2万6,000円を割り込んで2万5,805円まで下げました。目先はNYダウの反発をみて反発するところですが、いったん反発しても10月以降に下値を切り下げる可能性があることをアタマのすみにおいておいた方がよいとしました。

 先週はNYダウが27日(火)の▲125ドルの2万9,134ドルと6日続落し、28日(水)は+548ドルの2万9,683ドルと大幅反発。しかし、29日(木)は▲458ドルの2万9,225ドルと大幅反落の動きとなりました。

 これに連動し日経平均は26日(月)に▲722円の2万6,431円と3日続落で2万6,500円割れとなり、27日(火)は+140円の2万6,571円と反発。しかし、28日(水)には一時▲633円の2万5,938円まで下げて、終値では▲397円の2万6,173円と3カ月ぶりの安値水準となり、29日(木)は+248円の2万6,422円と反発しました。

 週末の30日(金)は、前日の欧米株安を受けて▲182円の2万6,240円で寄り付き、先物売りを交えて下げ幅を拡大し、2万6,000円を割り込み、さらに企業業績の悪化懸念で、一時▲616円の2万5,805円まで下げ、終値は▲484円の2万5,937円で引けました。

 週末の30日(金)の米国市場は、NYダウは▲500ドルと2日続落し、3日ぶりに年初来安値更新となりました。

 FRBによる積極的な金融引き締めによる景気後退懸念が強まる中、8月個人消費支出指数が予想を上回る伸びで根強いインフレ圧力が懸念され、NYダウは1年11カ月ぶりの安値で終了しました。

 為替は、1ドル=144.79円と再び円安方向に動き、シカゴ日経先物は▲80円の2万5,930円でした。