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ビジネスエリートになるための 投資家の思考法 The Investor’s Thinking

答えてくれた人

ダイヤモンド社 書籍編集局 第4編集部 亀井史夫さん

著者ってどんな人?

奥野一成​さん

 農林中金バリューインベストメンツ株式会社 CIO(常務取締役兼最高投資責任者)。

 京都大学法学部卒、ロンドンビジネススクール・ファイナンス学修士修了。1992年日本長期信用銀行入行。長銀証券、UBS証券を経て2003年に農林中央金庫入庫。

 2007年より「長期厳選投資ファンド」の運用を始める。日本における長期厳選投資のパイオニアであり、4,000億円を動かす日本有数のカリスマファンドマネージャーでもある。個人向けにも「おおぶね」ファンドシリーズを展開中。

どんな人にオススメ?

・株式投資を始めたばかりの初心者
・今後、どんな株に投資していいのか迷っている初中級者
・ビジネスパーソンとして一歩抜きん出たい人
・将来は経営者を目指す人

 投資初心者~中級者に向けて、プロ投資家がどんな視点で投資先企業を分析しているかを、具体例を出しながらわかりやすく解説しています。

 また、投資だけでなく、ビジネスパーソンとして成長したい人や、起業家・経営者を目指す人にも「投資家の思考法=インベスターシンキング」はきっと役に立つはず。不透明な時代を生き抜く、ビジネスパーソンの強力な武器を手にすることができると思います!

この本の、ここが読みどころ!

 例えば、第3章にこんな設問があります。

「トヨタ、フェラーリ、テスラ、あなたならどの企業に投資しますか?」

 3社は、いずれも自動車メーカーです。同じように自動車を造って、同じように自動車を売っているライバル会社に見えます。しかし、インベスター(投資家)の見方は違うのです。

 さまざまなデータ、いくつかの手法を駆使して仮説を立て、分析を繰り返していくうち、3社は「同じように見えて、実は全く別のものを売っている」という推論が導き出されます。さらにそこに時代の潮流などを掛け合わせて考えていくと、意外な結論が導き出されるのです。

 この考え方の手順が、まさに「投資家の思考法」です。短期間の株価の上下に一喜一憂するギャンブラーとは圧倒的に違う点といえます。インベスターは常に20年先を見ています。目先の株価の上下など、取るに足らない現象なのです。

編集者の制作秘話

「プロ投資家の思考の過程を可視化する」ことが本書の狙いです。ですから、ある程度、高度な内容にならざるを得ません。

 しかし、文章はできるだけやわらかく噛み砕き、実例を多用し、図版なども多く取り入れて、分かりやすさを追求しました。ですから、投資の初心者でも楽しく読める内容になっています。

 第5章の「お金と価値を生み続ける最強のポートフォリオ」では、「金融資産」と「自分資産」を組み合わせた「ジブン・ポートフォリオ」という概念を提示し、読者の皆さんの資産形成の参考になる事例を紹介しています。

 未来が不透明なこれからの時代だからこそ、強く生き抜いていける知恵を習得することには大きな意味があります。