今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは146.50円
↓下値メドは142.20円
景気後退:イエレン財務長官「米国民はハードランディングに備えるように」
ポンド:1.00ドル割れまで下落も。ドルに対する相対的魅力が大きく劣る
中央銀行:利上げのトレンド「慎重すぎる利上げは、称賛よりも批判を招く」
インフレ:カルフォルニアのファーストフード店の最低時給を22ドル(3,000円)に引き上げ
天然ガス:中国がロシア産LNGの輸入を急増。構造的価格高騰に備える
ロシアルーブル:ファンドの資金流出が加速
英国:インフレ率が20%に達するおそれ。エネルギー価格高騰で
英国:失業率が50年ぶりの3.6%まで低下
欧州:エネルギー対策としての、余剰利益に基づく連帯拠出金、欧州企業の重荷に
スイス:SNBは12月50bp利上げへ。終着レートは0.75%から1.25%へ
カナダ:3カ月連続の雇用「減」、失業率5.4%に上昇。利上げ早期終了も
9月26日(月曜)週明けのドル/円は「円安」。
1日のレンジは143.23円から144.79円。値幅は1.38円。
2022年191営業日目は143.46円からスタート。
東京時間朝に143.23円まで下げたが、その後はポンドの大幅安が主導する広汎なドル買いの流れに乗って上昇した。144円台まで円安に戻すと、明け方には144.79円まで上昇して高値をつけた。終値は144.72円(前日比+1.38円)。
財務省が22日に実施した為替介入の金額は3.6兆円だったとの推計が発表された。円買い介入としては1998年4月10日の2.6兆円を超える規模となる。しかし介入による「円高効果」は、140.34円まで。介入日の翌日には半値(143.12円)を超え、この日は144円台後半まで円安に戻している。
円安阻止という観点からすれば、大規模介入の費用対効果は低いといえる。
ただし、円安のスピードを抑えるという、今回の介入の真の目的は成功しているようだ。145円から146円の心理的な抵抗ゾーンに対して円売りを仕掛けることにマーケットは慎重になっている。
26日のユーロ/ドルは「ユーロ安」。
1日のレンジは0.9551ドルから0.9709ドル。
東京時間朝につけた0.9709ドルが高値。昼前にはポンド安に合わせて0.9551ドルまで大きく下げる。ただ、その後はずっとレンジを抜けられないままで終値は0.9608ドル(前日比▲0.0081ドル)。
この日の主役はポンド/ドルだった。
ポンド/ドルは、東京時間に一時1.03ドル割れ近くまで売られ、1985年以来の、変動相場制になってからの安値を更新した。
ポンド安の原因は、与党保守党が発表した、大幅減税を含む予算案が、英国の財政を悪化させるだけではなく、すでに高くなっているインフレ率をさらに加速させるとの懸念が強まったからだ。マーケットはBOE(イングランド銀行)の緊急利上げを期待していたが、BOE総裁は否定している。
主要指標 終値
今日の為替ウォーキング
今日の一言
忙しい人ほどより多くの時間を見つける
The Living Daylights
9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)会合で決定された0.75%の利上げは、3回連続の大幅利上げだったが、予想の範囲内でもあった。マーケットが驚いたのは、利上げ幅よりも、ドットチャートの方だった。
ドットチャートとは、FOMCメンバーによる米国の政策金利のFF(フェデラルファンド)金利見通しで、毎年3、6、9、12月に公表される。それぞれがひとつの点(ドット)の散布図になっているため、このように呼ばれている。このドットチャートが予想を大きく超えて上方修正されたのだ。
最新のドットチャートでは、2022年末着レートの最高水準が6月時点の3.9%から4.6%まで大きく引き上げられた。2023年のFF金利では、4.00%以下を予想するメンバーはたった一人。残り全員は4.38%以上を予想していた。FOMCメンバーによる、「前倒し利上げ」の続行と「長期間にわたる高金利」継続という強い意志がドットチャートに反映されている。
FOMC会合後の記者会見でパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、「ボルカー・モード」全開で、インフレが2%まで低下したと確信するまで「利下げは考えない」と明言。現在の金利は、まだ引き締めゾーンの最下層にあり、いずれかの時点で利上げペースを緩め、実体経済への効果を評価する時期がくるだろうが、この水準ではないとも述べている。
FF金利は大幅に引き上げるが、その一方でFOMCは、米経済のハードランディングは予想していない。23年と24年の失業率は4.4%と、大幅に悪化することないまま(現在3.7%)、25年にはインフレ率は2.0%に下がっているという見通しだ。
しかし、この予測は「あまりにも楽観的」すぎるとの批判も多い。2年間という短期間でインフレ2%を達成しようするなら、4%ではなく7%以上の失業率を覚悟しなくてはいけない。
たとえインフレを目標値まで下げることに成功したとしても、その後の労働市場が何事もなかったかのようにコロナ前の状態に戻るとするFRBの想定は正しくない可能性が高い。なぜなら、当時に比べて金利水準が全く変わっているだけではなく、資源価格高騰による世界景気後退の規模がどれ位になるかは、全く予測できないからだ。インフレ引き下げに失敗して景気が悪化するか、インフレは下がるが景気も悪化するというのがメインシナリオになる。その狭間に米経済を軟着陸させることはもはや奇跡に近い芸当だ。
バイデン大統領は、米国のインフレは「容認し難い高さだ」と強い懸念を示している。しかし、FRBの利上げは、全てとはいわないが、かなりの部分が中間選挙を意識したバイデン政権による「ハト派的な財政措置」によって相殺されているのも事実だ。例えば、連邦政府による大学生ローンの返済を一部免除する計画は、貯蓄の増加と債務の減少が相まって、インフレ率を0.1から0.3ポイント押し上げる効果があるといわれる。
パウエルFRB議長は、インフレの兆しが経済のどこかに出現するたびに、モグラ叩きゲームのように、利上げというハンマーを使ってつぶそうと必死になっている。しかし、FRBがいくら利上げしたところで、ロシアがウクライナから撤退するわけでも、農作物の収穫量が増えるわけでもない。
それがわかっているか、日本銀行は、もはや至高の域に達したとさえいえる、長年実践している「音無の構え政策」を今回も使った。つまりインフレにも円安に対しても何もしなかった。
今週の 注目経済指標
今日の注目通貨:ドル/円
今週の予想レンジ ↑149.88円 ↓135.85円
今週のドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は142.87円。
142.87円より上ならばドル買い優勢、142.87円より下ならばドル売り優勢。
2022年現時点の高値は145.90円、安値は113.47円。平均値は129.68円。
1日の最大値幅は5.56円、平均値幅は1.23円。
2022年の値幅は32.43円。
2021年の終値(115.09円)に比べて28.25円の円安。
152.56円 : 第4レジスタンス(HBO)
149.88円 : 第3レジスタンス
147.20円 : 第2レジスタンス
146.37円 : 第1レジスタンス
145.90円 : 09月 高値
142.87円 : ピボット
142.40円 : 09月 平均値
139.07円 : 08月 高値
139.36円 : 第1サポート
138.89円 : 09月 安値
138.53円 : 第2サポート
135.85円 : 第3サポート
133.18円 : 第4サポート(LBO)
129.23円 : 2022年 平均値
2022年 ドル/円データ (09/24 アップデート)
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