今週の予想

今週は、NYダウの年初来安値更新をみながら落ち着きどころを探る展開

 先週末の日本市場の休日の23日(金)に米国市場は大幅続落となって、シカゴ日経平均先物は▲615円の2万6,415円となっています。ファンダメンタルズからみると日本株は欧米に比べて割安水準のため、日本株は相対的強さが評価される可能性があると思われます。

 しかし、テクニカルからみると、日足チャートでは9月以降は安値を切り下げてくる可能性があるともしました。

 日足チャートを分析すれば、1990年以降で、9月以降に年間の安値を更新している年は12回あり、そのうち10回は9月までに年間の最安値に近いところまで下げています。

 つまり過去10回は、9月に年初来安値に接近し、いったん反発しても10月以降に下値を切り下げる展開が続く可能性があるという日足チャートの分析です。一つのテクニカルからみた可能性としてアタマに入れておくとよいでしょう。

 先週の予測では、20~21日のFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果にもよりますが、下値は9月7日の安値2万7,268円を守れば、戻りは早く2万7,300~2万8,300円のレンジの中で、2万8,000円を試す動きを想定していました。しかし、22日(木)に一時2万7,000円を割り込んだことで、下値を試す動きとなりました。

 週末には、ダウ工業株30種平均は3万ドルを割り込んでシカゴの日経平均先物は、▲615円の2万6,415円となっていますので、今週はいったん下値を確認したあと9月末の配当取り(28日まで)が意識されることで、目先、反発に転じる可能性があります。

 しかし、日本株はNYダウの動き次第であり、米国株を横目にしばらくは乱高下する展開を想定しておくところです。ただ、NYダウの3万ドル割れは6月17日の2万9,653ドルを切って2万9,250ドルまで下げ、年初来安値更新となっていますので、底値確認の動きとなります。

 目先的にはいったん下げ止まることが想定されます。日経平均株価は目先は7月12日の2万6,278円が下値ポイントとなります。

今週の指標:日経平均株価

 先週末にNYダウは、年初来安値を更新したことで、NYダウに連動しやすい日経平均も2万7,000円を切って下値を探る展開となりそうです。先週末の米国でシカゴ日経平均先物は2万6,250円まで下げて▲615円の2万6,415円で引けており、この近辺が下げ止まりの一つ目の目安となりそうです。チャートをみると2万6,000~2万6,500円のゾーンが下値の目安となります。

先週の動き

 先週は、2日間の休日が入り営業日は3日間でした。3連休明けの9月20日(火)は、前日の米株高を受け、一時+339円の2万7,907円まで上昇するものの、FOMCの結果を見極めたいということもあり、+60円の2万7,627円まで下げ、終値は+120円の2万7,688円でした。

 21日(水)は、前日の米国株は3指標そろって反落したことで、日経平均も連動し、▲375円の2万7,313円となって75日線、200日線を割って引けました。

 22日(木)は、先日のFOMCで0.75%の利上げを受け、米株式は3指標そろって大幅続落となり、これを受けて日経平均は一時▲357円の2万6,955円と2万7,000円を割り込みましたが、その後は買い戻す動きもあり、▲159円の2万7,153円で引けました。

 日本が休日の23日(金)の米国市場は大幅続落となり、シカゴ日経平均先物は▲615円の2万6,415円となっています。

今週の指標:NYダウ(ダウ工業株30種平均)

 今週は、さまざまな要因で投資は見送られるとの見方が多いようです。大きいのはFRB(米連邦準備制度理事会)の大幅利上げ観測と世界的な景気後退懸念が引き続き売り材料となります。また、月末、四半期末絡みの調整も予想されます。

 また、今週はユダヤ教の祭日が重なり、参加者が限られ積極的な投資は見送られる可能性があります。加えてウラジーミル・プーチン大統領のウクライナ侵攻を巡る部分的動員令も世界景気に懸念を与えます。

先週の動き

 週始めから20~21日のFOMCを控えて様子見の動きでしたが、20日(火)からは翌日のFOMCの結果発表を控えて金利上昇が重しとなり、この日は▲313ドル、21日(水)のFOMCでは予想通り0.75%の利上げだったが、11月、12月も積極的利上げの可能性から▲522ドルと大幅続落、22日(木)も景気後退懸念で▲107ドルと3日続落し、週末の23日(金)は、金利上昇、ドル高進行に加え、ゴールドマンサックスがS&P500の年末の見通しを4%低い水準に引き下げたことで、一時▲826ドル下げ、終値▲486ドルの2万9,590ドルと年初来安値を更新し、6月以来の3万ドル割れとなりました。

今週の指標:ドル/円

 今週は、もみあいの可能性。FRBは金融引き締めの長期化の方針で、ドル買い・円売りはただちに縮小する可能性は低いものの、政府・日本銀行の円買い介入が意識されてもみあいとなりそうです。ただし、市場介入は日本単独でなされているため円安阻止の効果は限定的とみられています。

先週の動き

 先週の予測では、FOMCでの利上げが大幅となれば円安が継続し、145円突破では、政府・日銀の円買い介入が実施される可能性があるとしました。

 21日(水)のFOMCでは、予想通り0.75%の利上げとなりましたが、さらに11月、12月にも積極的利上げの可能性が高まったことで、ドル/円は一時144.68円まで買われ、株価は利上げ継続を嫌気し、▲522ドルと大幅続落となりました。

 さらに22日(木)は、日銀が大幅金融緩和の現状維持を発表すると一時NY市場では145.90円まで円安が進みました。しかし、145円を突破したところで、政府・日銀はドル売り・円買い介入を行ったことで、ドルは急落し、一時140.36円まで円高が進みました。

先週の結果

先週は、3日営業日でしたが、FOMCの結果を受け、一時2万7,000円を割り込む動きとなりました

 先週の予測では、20~21日の米国の金融政策の方向に影響を与えるFOMCの利上げ幅が0.75%なのか1.00%なのかがポイントになるとしました。

 0.75%ならば想定通りで、すでに織り込んでいるため、日経平均は2万7,300円水準を下値に戻りを試すことになるとしました。

 結果的には、FOMCでの利上げは0.75%となりましたが、NYダウは▲522ドルの急落となり、3指標そろって大幅続落となりました。それはFOMCによる年末時点での金利予想が中央値で4.4%となったことで、11月、12月のFOMCでの積極的利上げの可能性が出てきたことによります。

 この流れの中で、FOMCの結果が警戒され、3連休明けの20日(火)は、前日の米国株が3指標そろって反発したことを受け、自律反発の買い先行で始まり、一時+339円の2万7,907円まで上昇しました。

 しかし、買い一巡後は先物売りを交えて上昇幅を縮小し、一時+60円の2万7,627円まで上げ幅を縮小し、その後は持ち直すもののFOMCを控えて様子見となり、+120円の2万7,688円で引けました。

 引け後の米国市場では、FOMCを控えて金利の上昇が続いたことで、米株3指標が大幅反落し、これを受けて21日(水)の日経平均は、一時▲390円の2万7,297円まで下げ、その後、下げ渋ったものの戻りは弱く、大引けにかけて安値圏で推移し、▲375円の2万7,313円と反落で引けました。

 この日の引け後に、FOMCで0.75%の利上げを発表しましたが、上述したようにFRBの積極的利上げ継続を嫌気し、米株3指標が大幅急落となったことで、22日(木)の日経平均は、前場は一時▲357円の2万6,955円と7月19日以来の2万7,000円割れとなりました。

 しかし、午後の日銀金融政策決定会合を前に様子見となり、後場に入ると日銀の政策金利は現状維持となったことで警戒感が後退し、下げ幅を縮小する動きとなり、一時、145.30円をつける円安になったこともあり、▲159円の2万7,153円まで戻して引けました。

 この日は、日銀が会合で大規模金融緩和の継続を決めたことで、日本時間の夕刻に一時145.90円と約24年ぶりの高値をつけたものの、政府・日銀による円買い介入をきっかけにドルは急落し、NY為替では一時140.36円までの円高となりました。終値は142.39円でした。

 23日(金)の米国市場は、NYダウは一時▲826ドル下げ、終値▲486ドルの2万9,590ドルと年初来安値を更新し、6月以来の3万ドル割れとなりました。3指標とも大幅続落となりました。

 高金利政策の長期化による景気後退懸念が強まる中、金利上昇、ドル高進行に加えゴールドマンサックスが年末のS&P500の見通しを現在の水準から4%以上低い水準に引き下げたことも売り材料となりました。シカゴ日経平均先物は▲615円の2万6,415円と大幅安となっていました。