今週の予想

今週の取引日数は3日間のみ。FOMCに注目

 今週は、前日の19日(月)と23日(金)が休場となるため、取引日数は3日間のみとなります。さらに21日夜にFOMC(米連邦公開市場委員会)の政策金利が発表されるため様子見となりそうです。

 FOMCの通過でアク抜けするとの見方もありますが、新しい材料がなければ上昇は限定的の可能性もあります。

 米国市場の当面の方向を決定づけるのは、FOMCの利上げ幅が0.75%なのか1.00%なのかどうかという点であると見られています。0.75%ならば想定内として株式市場は反発となり、1.00%ならば、まだ株価には織り込まれていないとして下落することになります。

 日経平均株価もダウ工業株30種平均に連動することになりますので、0.75%なら2万7,300円水準を下値に戻りを試すことになりますが、1.00%なら2万7,000円を試す動きとなります。

 今週の日本市場は20~22日の3日間の取引ですが、FOMCの結果によって影響を受けますので、レンジは2万7,000~2万8,000円の中での値動きが想定されます。

 今週の米国株式は、インフレ懸念とFRB(米連邦準備制度理事会)の利上げピッチが市場の焦点となり、20~21日に開かれるFOMCに注目が集まることになります。先週の米株式の乱高下は、先物とオプションの清算日であるメジャーSQ(16日)に絡んだ先物主導での動きであったことを考慮したほうがよいでしょう。

 そのためメジャーSQとFOMCが通過すれば、当面の材料と需給の山場をこすことになり、株価は落ち着きを取り戻す可能性もあります。9月7日の安値2万7,268円を守っていれば、戻りは早いと思われますが、FOMCで1.00%の利上げの影響は今のところ目先は不透明です。

今週の指標:日経平均株価

 今週は、FOMCで利上げ幅が0.75%か1.00%かによって目先の株価の影響が変わってきます。0.75%ならば、すでに織り込んでおり、75日線(2万7,515円)近辺、200日線(2万7,420円)近辺を守れば2万8,000円までの戻りは早いことになります。

 1.00%ならば9月7日の安値2万7,268円を守れるかどうか、守れなければ2万7,000円が下値ポイントとなります。レンジは2万7,000~2万8,000円とします。

先週の動き

 先週の始めは、NYダウの上昇に連動し、9月13日には3月25日の2万8,338円、6月9日の2万8,389円の上値のカベを突破し、2万8,659円まで上昇しました。

 しかし、この日の引け後の米国で8月CPI(消費者物価指数)が予想を上回ったことで、インフレのピークアウト期待が後退し、NYダウは▲1,276ドルの急落となりました。これを受けて日経平均も急落し、週末の16日(金)は2万7,525円まで下げ▲308円の2万7,567円で引けました。

今週の指標:NYダウ(ダウ工業株30種平均)

 20~21日(水)のFOMCの結果に注目となります。9月13日の8月CPIが予想を上回ったため、株価は急落しましたが、0.75%の利上げは織り込みました。

 1.00%の利上げの予想もありますが期待インフレ率に鎮静化がみえるため、見送るとの見方もあります。ジェローム・パウエル議長の会見で利上げを継続する方針が再び表明されると株価にとってはマイナスとなります。

先週の動き

 先週始めまでは、ドル安が続きインフレのピークアウト期待から主要3指標はそろって4日続伸となりました。

 しかし、13日(火)の8月CPIが予想を上回ったことでインフレのピークアウト期待や金融引き締めの緩和期待の後退で▲1,276ドルの3万1,104ドルの急落となりました。

 週末の16日(金)もフェデックスが世界景気の悪化を理由に通期の業績見通しを取り下げたことで、相場の重しとなり、NYダウは一時▲411ドルの3万550ドルまで下げ、終値は▲139ドルの3万822ドルと2日続落しました。主要3指標もそろって下落となりました。

今週の指標:ドル/円

 FOMCでは大幅利上げに踏み切る公算ですが、日本銀行と日本政府は円安けん制のため、これまでのドル高・円安が巻き返される展開が考えられます。144円台後半で「レートチェック」が報じられたことで、145円突破となればドル売り・円買いが実施される可能性があります。そのためドルは144円台では上げ渋る可能性があるといえます。

先週の動き

 先週は、週前半に米国のインフレ見通しを巡ってドル売りが強まり、141.66円までドル安・円高となりました。

 しかし、13日の8月CPIが市場予想を上回ったことで、リスク選考的なドル買いが急速に拡大し、一時144.68円まで買われました。

 その後、日銀の「レートチェック」を実施するとの報道で、ドル売り・円買いが活発となり、142円台半ばまでドルは下落しました。しかし、米国の金利先高感は後退せず、週末は143円台に戻しました。週末は142.95円で引け、昨日の19日(月)も先週末の終値と変わらず142.96円で引けました。

先週の結果

先週は、週始め好調も米国の13日の8月消費者物価指数の結果を受け急落

 先週の予測では、日経平均の反発が継続するためには、NYダウの上昇が続くことが前提となるため、13日(火)の日本時間の夜に米国で発表される8月CPIの結果を待ち、インフレ鈍化が確認されれば日米ともに上昇が期待されるとしました。

 週始めの日経平均は、米株高を受けて12日(月)は+327円の2万8,542円、13日(火)は+72円の2万8,614円と戻りの高値いっぱいのところまで上昇したところで、この日の夜に米国市場で発表された8月CPIが大方の予想に反して、強い結果となったことで、インフレのピークアウト期待が後退し、NYダウは▲1,276ドルの3万1,104ドルの急落となりました。

 これを受けて14日(水)の日経平均は、一時▲818円の2万7,795円まで下げ、終値では▲796円の2万7,818円と5日ぶりの大幅反落でした。

 ここでの下値は、7日(水)に2万7,268円まで下げて、一気に3月25日の2万8,338円、6月9日の2万8,389円の上値のフシになりそうなところを突破して、13日(火)に2万8,659円まで上昇していましたので、下げても7日(水)の2万7,268円は下値のフシになることをみていました。

 結果的に先週の週末16日(金)は、▲308円の2万7,567円で引けました。16日(金)は、前日(15日)の米株安を受けポジション調整が進み後場は3連休を前に様子見となりました。

 ただ、その後の米国市場にとっては、20~21日のFOMCがありますので、金融引き締めの強化が論議されており、この影響を米国株がどう受けるのかが日経平均に影響することになります。

 週末16日(金)のNYダウは、2日続落となりました。一時▲411ドルの3万550ドルまで下げ、終値は▲139ドルの3万822ドルで終了しました。米物流大手フェデックスが世界的な需要減退を受け、業績見通しを撤回したことで、市場心理が悪化したことが原因でした。

 ただし、週末や来週のFOMCを控えたポジション調整の動きが出て大きく下げたあと下げ幅を縮小しました。