※この記事は2019年3月8日に掲載されたものです。

「投資ってどんなもの?」「投資って難しそうで私にはムリ」と考えている投資未経験者や初心者の人のため、トウシルでは「知識ゼロ」でも理解できる「投資信託入門講座」がスタート!

 まず、投資信託を始める前に、「誰」が「どうやって」「いくらで」できるのか、投信のはじめの一歩を解説します。

投資信託って何?

 投資信託は、略して投信ファンドとも呼ばれます。

「投資」を辞書で引くと「財産を増やすために、また利益を求めて資本を出すこと。出資」とあります。同じく「信託」を引くと「信じて任せること」とあります。

 その意味の通り、投資信託はファンドマネージャーと言われる投資の目利き・プロが、お金を預かり、投資を希望する個人の代わりに「うまく運用して利益を分配しますよ」という金融商品です。

 株式や債券などのように、個人が直接投資するものではなく、ファンドマネージャーに投資資金を預けて、運用を任せるという投資方法です。つまり投資信託は「投資のアウトソーシング」です。

 ちなみに「運用」とは「運」を「用いて」バクチを打つことではありません。辞書でその意味を引くと「実際に働かせること。そのものの機能を発揮させて用いること」とあります。つまりここでは、お金の機能を発揮させて増やすことが「運用」なのです。

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ファンドマネージャーはどんな人?信用できるの?

 運用を職業とするファンドマネージャーは、世の中にさまざま存在する株式や債券といった金融商品にいろいろ投資して、預かったお金を増やそうとします。

 専門の投資信託の運用会社などに在籍し経済情勢を分析する人や、データや情報を収集する人などと運用チームをつくります。

 そして「国内株式の平均株価、例えば日経平均株価より、価格が上がるようにする」「これから経済成長が見込めそうな国の株式や債券を中心に投資して、利益も伸びていくようにする」など、運用の目標を打ち立てます。そしてこれを目指して、投資先や投資する配分を決め、投資家から資金を集めるのです。


投資信託で投資したい。どうやって投資を始めたらいいの?

 投資信託(投信、ファンド)は証券会社や銀行、生命保険会社、投信の運用専門会社、信用金庫・信用組合、農協といった金融機関を窓口にして、投資を始めることができます。

 証券会社では、投信の他、株式や債券などの売買、管理ができる「総合取引口座」(証券取引口座とも呼ばれます)を開設します。

 誰もが開いている銀行から投資するときは、普通預金や定期預金の取引を行う「総合口座」とは別に、「投資信託口座」の開設が必要になります。

 そして、投資のために開設した口座に投資の資金を移すと、投信を買うことができます。
ところで最近では、投資を「お金」ではなく、買い物などをしてもらえるポイントを使うポイント投資も注目を集めています。

 現金で投資することに不安を感じがちな投資未経験者などが、本格的に投資スタートする前に、貯まったポイントで投資信託を買うケースは増えているようです。

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投資のコスト。窓口によっても変わることが

 投信が買えるところなら、どこで投資しても条件は一緒かと言えば、実はコストが異なります。相対的に、店頭対応の金融機関は手数料が高く、ネット対応の金融機関は低めに抑えられています。

 また、インターネットで手軽かつ、コスト控えめでスタートできるのはネット証券などネット対応の金融機関です。出向くわずらわしさもなく、買うつもりではなかった商品を勧められることもありません。

 ただ、コスト面ではなく、対面で直接相談に乗ってほしいといったニーズには、店頭型を選択肢の一つにするという考え方もあるでしょう。

 本来、投資信託にかかるコストは、販売(購入時)手数料信託報酬監査報酬売買委託手数料信託財産留保額です。

1:販売手数料

 投信を買うときに販売会社に直接払う手数料です。投信によっては「ノーロード」と呼ばれる無料のものもあります。

2:信託報酬

 運用期間中は間接的に引かれるものとして信託報酬があります。運用にかかる費用、運用報告書の作成費・発送費、資産の保管のための費用などに充てられます。運用管理費用と呼ばれることもあります。

3:監査報酬

 監査報酬は投信の計理が公正に行われているかチェックする監査法人への報酬です。

4:売買委託手数料

 投信が組み入れた株や債券の売買を行うときに発生する手数料です。

5:信託財産留保額

 売却するとき、投信によっては信託財産留保額がかかることがあります。購入時手数料と同じく直接払う費用です。

6:その他、税金

 このほかに分配金(運用期間中に生じた利益の分配)・譲渡益(投信を売って得た利益)には20%の税金(復興特別所得税を除く)がかかることも知っておきましょう。

投資信託は、誰でも投資できるの?

 日本国内に住所があれば、未成年者でも外国籍の人でも投資信託で投資することができます。ただし、未成年者が投資をするために口座を開設するとき、金融機関によっては、親権者の同意が必要だったり、親権者による代理開設となる場合があります。

 また、成年であっても、「投資経験がなく経済や投資情報をチェックしていない」「元本割れを一切許容しない」などリスク許容度が低い、「生活資金で投資を行おうとしている」などの場合、金融機関から投資を断られることもあります。

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投資信託って、いくらから投資できるの? 

 株式の単位は「株」ですが、投資信託(投信)の単位は「口」です。そして、株式の場合は100株単位と株数を指定しての取引ですが、投信は100円以上から1円単位で取引ができます。ミニロトやナンバーズなどの少額宝くじくらいの値段で投資のスタートが切れます。

 そして、株式の値段(株価)は1株当たり◯◯円と表されますが、投信の値段は1万口当たりで表されます。これを基準価額(きじゅん・かがく)と呼びます。この値段は1日1回更新され、毎日変動するため、株価同様に時価ということになります。

 そして、自分の予算(買いたい金額)分の注文をすると、この基準価額をベースに口数が計算されることになります。

 たとえば、予算が5,000円、1万口あたりの基準価額が2万円だとすると、1口あたりの基準価格は、2円。予算は5,000円÷2円=2,500口分が買えるイメージです。

 また、投資信託はお金の他に、買い物などで付いてくるポイントでも、100ポイント=100円から投資することができます。

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次は、取引口座の開設から、投資信託をお金で買うまでの流れについて、解説します。 

■知識ゼロからの投資・投資信託入門講座

01 投資信託スタート前に

02 投資信託はどうやるの?

03 投資信託の正しい選び方

04 投資信託のメリット、デメリット

05 知らなきゃソン!投資信託は税優遇メリット大

06 投資信託を売るときはどうする?留意点は?