今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは144.70円
↓下値メドは140.95円
インフレ:日本の企業の6割が値上げを予定、2割が大幅値上げを検討。賃金上昇は鈍い
エネルギー: 2023年のドイツは天然ガス備蓄がゼロ、石炭火力発電では賄えなくなる
食料危機: 2010年のアラブの春の引き金は食料危機。今年の世界の暴動は昨年の2倍
米住宅市場:急速に鈍化。キャンセル率が新型コロナ以降最大に
FRB:インフレを2%まで下げるのは気の遠くなるような道のり。失業率が急上昇して景気後退も
法人税最低税率:15%ルールの実施は1年延期、2023年を目標
デフレ:サプライチェーンが回復したタイミングでモノ需要が縮小
米経済:2023年の米経済成は1.0%まで鈍化 – IMF予想
NZドル:RBNZの利上げサイクルは終了間近
原油:今年104ドル、来年95ドル、長期75ドルの見通し
今夜(13日)は、米国のCPI(消費者物価指数)の発表がある。FOMC(米連邦公開市場委員会)直前のインフレ指標として、マーケットは注目している。
米国のインフレは峠を越しつつあるようだ。ニューヨーク連銀の最新の消費者調査によると、3年後のインフレ期待は3.2%から2.8%に大幅に低下した(7月3.2%)。直近2年間で最も低い水準だ。
日本のインフレは「これからが本番」ということを考えると、日米金利差「縮小」の思惑による円買いが勢力を増す可能性がある。
9月12日(月曜)週明けのドル/円は「円安」。
1日のレンジは142.15円から143.50円。値幅は1.35円。
2022年181営業日目は142.36円からスタート。政府日銀の円安警戒発言を気にしながらも円売りは継続、東京時間夕方に143.50円まで円安に動いた。
この水準から上は重く、142円台に押し戻されると未明には142.15円まで円高に押し戻されたが、米長期金利利回りが3.38%近くまで強含んだこともあって142円台後半に反発した。終値は142.83円(前日比+0.20円)。
レジスタンスは、
143.50円(09/12)
144.12円(09/09)
144.56円(09/08)
サポートは、
142.15円(09/12)
141.80円(200時間移動平均)
141.49円(09/09)
ECB(欧州中央銀行)は先週、0.75%の大幅な利上げに踏み切った。インフレ抑制が最大の理由だが、行き過ぎたユーロ安を是正する目的もあった。その効果が表れて週明けのユーロ/ドルは急上昇した。
経済が弱いなかで利上げしたくないのは欧州も日本も同じ。それでもECBは利上げした。もし日銀が円安を本当に止めたいのなら、為替介入に頼る前にすることがあるだろうというメッセージだ。
12日のユーロ/ドルは「ユーロ高」。
1日のレンジは1.0060ドルから1.0198ドル。
安値は東京時間朝の1.0060ドルまで。安値がパリティを下回らなかったのは8月19日以来。夕方には1.0198ドルまで上値を伸ばした。ただ、短期ターゲットとなる1.0200ドルの手前では利食いの売りも出て、終値は 1.0124ドル(前日比+0.0078ドル)。
レジスタンスは、
1.0198ドル(09/12)
1.0203ドル(08/17)
1.0268ドル(08/15)
サポートは、
1.0060ドル(09/12)
0.9993ドル(09/09)
0.9931ドル(09/08)
13日のユーロ/円は「ユーロ高」。
1日のレンジは143.38円から145.64円。
143.63円から今週をスタート。安値は東京時間朝につけた143.38円。ユーロ/ドルの上昇と共に値を伸ばし、夕方に145.64円をつけて2014年12月以来8年ぶりの高値を更新する。その後は押し戻されて、終値は144.60円(前日比+1.30円)。
レジスタンスは、
145.64円(09/12)
146.73円(14/12/30)
147.22円(14/12/29)
サポートは、
143.38円(09/12)
142.64円(09/09)
141.30円(09/07)
主要指標 終値
今日の為替ウォーキング
今日の一言
過去を思いだせぬ者は、過去を繰り返す運命にある
Can’t Hold Us
7月の米CPI(消費者物価指数)は、前年比で+8.5%と、6月の9.1%から伸びが鈍化した。市場予想の+8.7%も下回った。前月比は0.0%で 6月の+1.3%から大きく下がり、この2年間で初めて上昇が止まった。変動の大きい食品、エネルギーを除くコアCPIも市場予想より低い伸びにとどまった。
総合CPIが予想以上に下落した背景は、エネルギー価格が前月比約5.0%低下したことが理由だ。8月になってガソリンの平均小売価格はさらに10%近く下げ、ガロン当たり4ドルを下回っている。この実績は今回の統計に反映されることになるので、CPIは今後一段の低下が予想される。
「インフレのピークアウト」これこそ、FRBが長い間待ち望んでいたサインだ。この状況が継続するならば、FRBは利上げの手綱を緩めることができて、米経済は景気後退(リセッション)を回避してソフトランディングに成功する期待が高まる。雇用市場の失業率を悪化させることなく、インフレを制御するというシナリオが夢ではなくなってきた。
世界の主要経済圏では、所得から消費者物価上昇率を差し引いた「実質所得」がマイナスになっている。給料は変わらないのに物価が急上昇しているからだ。実質所得の落ち込みぶりは激しく、不況時にしかみられないような水準まで落ち込んでいる。
政府・中央銀行は成長かインフレ抑制かの政策ジレンマに悩んでいる。しかし、中央銀行はエネルギー価格上昇が生むインフレをコントロールすることはできない。日銀の中庭を掘っても石油は湧いてこない。したがって「需要を減らすこと」が唯一の選択肢となる。例えば自家用車の運転の自粛を求め公共交通機関の利用を促進させる、あるいは節電や工場の休業を要請するなどだ。しかし、実質所得がすでに不況レベルにあるときに、需要を減らしすぎるのは危険な戦略である。
エネルギー節約という意味では、WFH(在宅勤務)も効果がある。一般的な会社の仕事場は、平均すると1日約5時間しか使用されていないが、照明や冷暖房はそれよりもはるかに長時間使用されている。週に3日自宅で仕事をすることで、欧州では1日あたり50万バレルの石油を節約できるという。日本でも家庭のエアコン設定を28度にしろと言う前に、全日出社を強制する会社を指導するべきではないか。
消費者物価は、生活コストを正確に示していないのも事実だ。確かに中古車価格は劇的に値上がりしたが、中古車を購入した人は全体から見ればごくごく少数だ。先進国の何億人もの消費者はCPIが示すほどの物価高を感じていないはずだ。米国の住宅ローン支払者は借り換えによって出費を抑えているが、CPIでは、住宅所有に関する支出が2020年1月からほぼ7%上昇したと計算される。
つまり、CPIの上昇率が示すほどには、実際の消費力は悪化していないのだろう。もっとも、日本の場合は逆だ。岸田首相は日本の物価上昇率は海外よりも低いと強弁しているが、実質賃金も低いのだ。消費力は海外よりもむしろ低くなっている可能性がある。
今週の 注目経済指標
今日の注目通貨:ユーロ/円
今週の予想レンジ ↑148.54円 ↓136.47円
今週のユーロ/円のブルベアの分かれ目は142.50円。
142.50円より上ならばユーロ買いが優勢、142.50円より下ならばユーロ売りが優勢。
2022年現時点の高値は145.64円、安値は124.39円。平均値は135.01円。
1日の最大値幅は4.09円、平均値幅は1.46円。
2022年の値幅は20.34円。
2021年の終値(130.96円)に比べて12.34円のユーロ高。
150.84円 : 第4レジスタンス(HBO)
148.54円 : 第3レジスタンス
146.23円 : 第2レジスタンス
145.64円 : 2022年高値
145.52円 : 第1レジスタンス
142.50円 : ピボット
142.16円 : 09月 平均値
139.49円 : 第1サポート
138.69円 : 09月 安値
138.77円 : 第2サポート
136.47円 : 第3サポート
134.56円 : 2022年平均値
134.16円 : 第4サポート(LBO)
2022年 ユーロ/円データ
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