「債券」とは?

「債券」とは、株式などと同様に金融商品の一つです。また、国や政府、地方公共団体、企業など発行体がお金を必要とする際に、お金を貸してくれた人(投資家)に発行する有価証券の一つでもあります。

 通常、お金の貸し借りの際、お金を借りた人が貸した人に、借りた証拠として「借用書」や「借用証書」を残しますが、債券も同様にお金の貸し借りの証拠と考えると分かりやすいでしょう。

◆通常、個人間でお金を貸し借りする場合は…

◆国、地方公共団体、企業などが資金調達する場合は…

 債券は、発行体により以下のように分けられます。

  • 公共債(国債、地方債など)…発行体は国や地方公共団体など
  • 社債…発行体は企業

 債券の主な特徴は、以下になります。

  • 保有している間、定期的に一定の利子がもらえる

※定期的に利子を払うのではなく、一定利率をあらかじめ割り引き、額面金額より安い金額で発行し、額面額で償還されるタイプの債券もあります(利子がゼロの「割引債:ゼロクーポン債」などもあるため、必ずしも「定期的に一定の利子がもらえる」わけではありません)。

  • 満期(償還日)になると貸したお金が戻る
  • 安全性は高いが、収益性は低い

 債券は「満期になると貸したお金が戻る」という特徴から、一見デメリットの少ない金融証券に思えます。しかし、発行した企業などが倒産などして破綻すると、貸したお金が戻らない可能性があるということは、覚えておかなければなりません。倒産の可能性のある企業の発行する社債は、公共債よりも安全性が低い場合が一般的です。

 一見、信頼感のある「国家」もその例外ではありません。アルゼンチンは2001年、財政が破綻し、アルゼンチン国債は価値がなくなってしまい、アルゼンチン国債を持っていた人は大きな損失をこうむりました。以来、アルゼンチンは、国の信用を失ってしまったため、長い間、外国で国債を発行する(外国からお金を借りる)ことができなくなっていたのです。

 日本の年間予算も、その大半は大きな借金(国債)で賄っています。日本は毎年、40兆円程度の国債を新しく発行しており、今や累積で1,000兆円をこえているといいます。我々が返済していかなければならない、見えない借金の一つといえます。