今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは139.80

下値メドは137.80

日本:インフレは来月3.0%近くまで上昇。日銀は緩和政策を継続
雇用:雇用の安定とは、消費者が安心して貯蓄を減らし支出できること
中国の習近平国家主席とプーチン大統領が9月中旬に首脳会談
中国:中国南部で深刻な干ばつ。河川輸送はマヒ状態2
英国:消費者信頼感は過去最低水準に。10月からガス料金大幅値上げ。
欧州:ECBは9月と10月の0.5%で政策金利を1.00%にして利上げ終了。
スイス:スイスの備蓄量は法定量の1/5まで減少  
スイス:スイスの家庭電気料金;平均で30%値上げ 
FOMC:エバンス・シカゴ連銀総裁:100bp利上げは必要ない
FOMC:サプライズの大幅利上げでFRBはフォワードガイダンスの信頼性を損なった
原油:バイデン大統領が石油業界に増産圧力

 8月31日(水曜)のドル/円は「円安」。
 1日のレンジは138.27円から139.00円。値幅は0.73円。 

 2022年の173営業日目は138.77円からスタート。

 東京時間はドル売りがやや優勢で、夕方には138.27円まで下げて安値をつけた。しかしその後は逆にドル買いとなって、明け方に139.00円まで上昇した。終値は138.96円(前日比+0.16円)。

レジスタンスは、
139.39円(07/14)
147.63円(1998)

サポートは、
138.27円(08/31)
138.11円(08/30)
137.58円(08/29)

 ドル買いの理由は米金利の上昇。米10年債利回りは一時3.19%まで約2カ月ぶりの水準まで強含んだ。一方、ダウ平均株価は4日続落。「金利高、ドル高、株安」という教科書的動きだった。

 この日は、企業向け給与計算サービスのADPが、新しい統計方法を導入した民間雇用者数を発表した。8月の雇用データは、13.2万人増と予想(30.0万人増)を大きく下回る結果となった。ADPの分析によると、米企業の採用はこれまでの「超アグレッシブ」モードから「通常」モードへ転換しつつあるという。

 明日9月2日は、BLS(米労働省労働統計局)8月の雇用統計を発表する。予想によると、NFP(非農業部門雇用者数)は29.0万人増。ADPの事前予想もほぼ同じ30.0万人増で、結果はその半分以下だった。BLS雇用統計がサプライズの弱い結果になるのか。それとも、ADPの結果との大きな食い違いを示すのか。新しい統計方法を使ったADPのデータがより実情に合っているとすれば、BLSの雇用統計のデータは「過大評価」の可能性がある。

 8月雇用統計の詳しい解説は「ヒトの在庫減らしがこれから始まる!「働かない」から、「働けない」時代へ」をご覧ください。

 雇用市場の強さを支えにしたFRB(米連邦準備制度理事会)の強気利上げは続かないとの見方が増えた場合、ドル高に修正が入ることも考えられる。FRBメンバーからは積極的な利上げを支持する発言が相次いでいるが、フォワードガイダンスを放棄したFRBをマーケットは完全には信じていない。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

上がっている株を買う。下がっている株は買わない

The Boys of Summer

 パウエルFRB議長は先週末に開催されたジャクソンホール会議においてスピーチを行い、インフレ抑制に向けて、政策金利を景気抑制的な水準まで一段と引き上げる方針を示した。スピーチはわずか8分間と短かったが、マーケットを動かすには十分だった。

 今月9月FOMC(米連邦公開市場委員会)での0.75%利上げはほぼ確実になった。 しかし、パウエル議長のスピーチの中で、マーケットが本当に重要だと考えたのは、(9月の0.75%利上げ幅のことよりも)FRBが「高金利(金融引き締め)をかなりの期間」継続すると予想していることだ。

 現在の高インフレが収束すれば「引締めスピードは緩やか」になる、あるいは「利上げ休止」になるかもしれない。しかし高金利状態は続く。2023年3月に利下げというマーケットの期待はパウエル議長によって押し戻された。今後の焦点は、「かなりの期間」がどの程度になるかということになる。

 バイデン大統領が、「容認し難い高さだ」と強い懸念を示している米国のインフレは、そろそろピークアウトする傾向も見えている。米国の7月のCPI(消費者物価指数)が前月比で0.0%と、6月の+1.3%から大きく下がり、この2年間で初めて上昇が止まった。

 しかし、1回のCPIの結果をもって「インフレは下がった」と判断することはできない。インフレは依然としてFRBの目標(2%)を大幅に超過(9%)しており、過熱状態が続く労働市場を踏まえれば、まだ利上げを「とどめる水準ではない」とパウエル議長は明言している。

 たとえ企業や家庭に痛みをもたらす状況になるとしても、物価の安定を優先させる。これがパウエル議長、そしてFRBの考えである。

今週の 注目経済指標

出所:楽天証券作成

今日の注目通貨:ポンド/円

今週の予想レンジ ↑163.45円 ↓159.71円

 今週のブルベアの分かれ目は161.58円。
161.58円より上ならば買いが優勢、161.58円より下ならば売りが優勢。

2022年現時点の高値は168.72円、安値は150.98円。平均値は159.85円。
1日の最大値幅は3.86円、平均値幅は1.70円。
2022年の値幅は17.75円。
2021年の終値(155.64円)に比べて5.78円のポンド高。

164.17円    : 第4レジスタンス(HBO)    
163.95円    :     08月 高値
163.45円    : 第3レジスタンス    
162.74円    : 第2レジスタンス    
162.52円    : 第1レジスタンス        

161.58円    :ピボット

161.69円    : 08月 平均値
160.64円    : 第1サポート    
160.42円    : 第2サポート    
159.85円    : 2022年 平均値
159.71円    : 第3サポート    
159.44円     : 08月 安値
158.99円    : 第4サポート(LBO)

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

2022年 ポンド/円 データ