今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは137.85

下値メドは135.40

円:日本の第2四半期GDP、G20の中ではロシアに次いで2番目に低い伸び
成長スピード鈍化は金融引締めスピード鈍化させる
ロシア:2022年のエネルギー輸出による収益は38%増。中国とインドが大量購入
米利上げ:ブラード連銀総裁「今年利上げの前倒しは、来年の政策の選択肢を増やす」
ECB利上げ:シュナーベルECB理事「50bp利上げを支持」
人民元:南部を熱波が襲うなか;電力不足が懸念:北部は豪雨被害 
豪経済:雇用市場が悪化
NZ:オアRBNZ総裁、緩和政策が32年ぶりのインフレを招いたことを国会で謝罪
欧州経済:ドイツ人の1/2が「これまでの生活スタイル維持できない」
米経済:エコノミストの7割「米国はリセッションになる」

 8月25日(木曜)のドル/円は「円高」。
 1日のレンジは136.30円から137.20円。値幅は0.90円。 

 2022年の169営業日目は137.04円からスタート。
ジャクソンホールを今夜に控えて強い方向感は出ず、高値は東京時間朝につけた137.20円まで。その後は売りが優勢となって、夜の初め頃に安値136.30円をつけた。反発する場面もあったが、137円台には戻れないまま終値は136.50円(前日比▲0.61円)。

レジスタンスは、
137.20円(08/25)
137.25円(08/24)
137.70円(08/23)

サポートは、
136.30円(08/25)
136.17円(08/24)
135.80円(08/23)

 今週は、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の今夜のジャクソンホールでのタカ派発言を期待した米長期金利の上昇と、それに呼応するドル買いが優勢となって一時は138円の手前(137.70円)に迫った。

 しかし23日に発表された景気指標である7月米PMI(購買担当者景気指数)が予想以上に弱かったことをきっかけに、9月FOMC(米連邦公開市場委員会)の利上げ期待も後退し、急ピッチのドル高にも見直しが入った。

 米国の第2四半期GDP(国内総生産)の改定値は速報値から上方修正されたが、マイナス成長であることには変わりなく、ドルを押し上げるには力不足だった。

一方、FRBにとって「最大の敵」である高インフレは、そろそろピークアウトする傾向も見えている。バイデン大統領は、米国に蔓延するインフレが「容認し難いほど高い」と強い懸念を示すが、米国の7月のCPI(消費者物価指数)が前月比で0.0%と、6月の+1.3%から大きく下がり、この2年間で初めて上昇が止まった。バイデン民主党の中間選挙対策によって、CPIを押し上げていたガソリン価格が下がり続けていることもあって、来月の伸び率はマイナスになる可能性が高い。

 今週のドルの上昇が中途半端なところで止まったのは、ジャクソンホールを前にポジションを傾けるのを嫌がったせいだが、米国の指標が予想ほど強くなかったこともある。しかし、たとえそうだとしても、欧州やその他の地域の経済指標はそれ以上に弱いのが事実だ。

 FRBの利上げスピード幅が狭くなりスピードが鈍化しても、他の中央銀行はそれ以上に弱気だ。中国の人民銀行は22日、今年3回目の利下げに踏み切った。ECBは利上げ継続の方針だが、0.5%利上げに対しては内部から反対もあるようだ。控え目すぎる利上げは、ユーロ売りを誘発することになるだろう。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

重要なのは勝率ではなく、トータルの損益

Dust in the Wind

 今日から始まる「ジャクソンホール会合」。ジャクソンホールは米国のワイオミング州に位置する全米有数の観光地で、カンザスシティー連銀が毎年ここに世界の中央銀行関係者を招いてシンポジウム開催する。昨年は新型コロナのデルタ株感染拡大でオンライン形式だった。

 もともとは夏休みイベントの要素が強かったようだが、2010年に、当時FRB議長だったバーナンキ氏がこの場で米国の量的緩和を発表して世界の金融市場を震撼させて以来、ジャクソンホールといえばFRBが重大な金融政策の変更を発表する場として注目を集めている。

 今回、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、ジャクソンホールの講演において何を語るか?

 パウエル議長は、経済成長を犠牲にしてでも、米国のインフレ率を引き下げる強い決意を示すだろうと考えられている。

 9月FOMC(米連邦公開市場委員会)は、講演から4週間後に開催される。タカ派FOMCメンバーが0.75%利上げを主張しているなかで、パウエル議長は0.5%を支持する。引き上げ幅が低いのは弱気だからではなく、むしろ利上げ政策が今後も継続するという強気のメッセージだ。0.5%利上げは、それ自体実質的な金融引締めであるが、同時に、インフレと実体経済がどう反応するかを評価する余裕もつくることができる。

 以上がマーケットの予想するパウエル議長の政策スタンスだ。しかし、その逆というリスクもゼロではない。つまり、FRBが米経済成長と完全雇用とを引き換えに、一定ペースのインフレを許容するというものだ。FOMC議事録には「引締めの行き過ぎを」多くのメンバーが懸念していると記されている。

 直近のCPI(消費者物価指数)が低下傾向を示すなか、FRBの強硬姿勢が続くと中間選挙にはマイナスというバイデン大統領の政治判断が働くことも考えられる。来月発表される米雇用統計が弱ければ、FRBは戦略見直しを迫られるかもしれない。

今週の 注目経済指標

出所:楽天証券作成

今日の注目通貨:ドル/円

予想レンジ ↑140.57円 ↓131.20円 

 今週のドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は135.88円。
 135.88円より上ならばドル買い優勢、135.88円より下ならばドル売り優勢。

2022年現時点の高値は139.34円、安値は113.47円。平均値は126.43円。
1日の最大値幅は3.29円、平均値幅は1.18円。
2022年の値幅は25.92円。
2021年の終値(115.09円)に比べて21.79円の円安。

142.36円    : 第4レジスタンス(HBO)    
140.57円    : 第3レジスタンス        
139.39円    : 2022年 高値
138.78円    : 第2レジスタンス        
138.23円    : 第1レジスタンス    
137.70円    : 08月 高値 

135.88円 : ピボット

134.04円    : 08月 平均値
133.54円    : 第1サポート        
132.99円    : 第2サポート        
131.20円    : 第3サポート        
130.39円    : 08月 安値
129.41円    : 第4サポート(LBO)    
2022年 ドル/円データ

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

2022年ドル/円データ