※この記事は2019年2月14日に掲載されたものです。

優待銘柄の購入後は情報戦

 無事お目当ての株主優待銘柄を購入し、後は届くのを待つばかり。それも良いですが、株式市場は常に動いています。せっかく真剣に選んだ銘柄、買った後もきちんとケアしてあげましょう。次に考えるのは「情報戦」への備えです。

 上場企業は法令の定めにより、四半期決算を発表しています。また不祥事や大型の買収、会社の利益、不利益になることも逐次発表。もちろん株主優待についても、新設や変更、改悪や廃止などもすべての人に公平になるようにお知らせを出しています。
※企業は3カ月ごとに決算を発表。日本企業の多くは、3月末決算で、4-6月、7-9月、10-12月、1-3月としている。

 一番早く、見やすいのは、東証の開示情報「適時開示情報閲覧サービス」だと思います。こちらには上場企業が発表するすべての情報が載っており、検索機能で「優待」と入れると、優待に関する開示情報が分かる仕組みになっています。ただ、公開期間は1カ月なので、ご注意を。

株価が下落のときの対処法

 優待銘柄が開示情報で「優待廃止」や「優待改悪」が出ると、たいていは翌日の株価は大きく下落します。持ち株だった場合、急な下落を何も知らずおたおたするより、理由を知っていた方が少しでも安心します。また株価下落でも、その銘柄が気に入って、よく利用するのであれば、条件次第では安く購入するチャンスになることも。

 株主優待ブロガー、例えばかすみちゃんのブログは優待情報をすぐにアップしています。これをチェックするのもいいと思います。

「株式分割」のニュースも株価上昇のきっかけになります。流動性が低く、購入額が高額になると、例えば1株を2株に分割することで売買単価を下げ、流通量が増すことになります。株価が大きく動いた時にどうするか。結構悩ましいのですが、優待がどうしても欲しいなら継続保有。ニュースが出て株価上昇なら利益分と優待内容を天秤にかけて、どちらを選ぶか決断。株価下落のときは、保有理由と合わないならば売却。

 この判断も人それぞれ。私自身も売った後に上昇した経験は数え切れないくらいありますが、自分なりの「理由」があれば、納得できます。個別で株価が大きく動く原因としては、「業績の上下」があります。

 他にも「自社株買い」「株式分割、増配・減配など株主還元策」なども影響します。

 注意点は、今まで100株で優待が手に入ったのに、「株式分割」で200株からと最低単位が変更になる場合もあります。優しい会社は分割しても100株優待を新設したり、そのまま残して下さいますが、その場合、今までよりも半分の投資額で同じ優待をいただけることになるので、株価上昇の理由となりますよね。

 自分のポートフォリオをみて、「何で200株になっているの? 100株売っちゃおう」と売ってしまうと、優待がもらえないことも。そのような不幸な事件を避ける意味でも、マメな情報収集は大切になってきます。

 他にも上場廃止のために、市場にある株式を自社が買うTOB(株式公開買付)もあります。

 その場合、株を売買するのに余計な手間がかかったり、社名変更があることも。事前に知っていると心構えができ、冷静な対処もできます。そのためにも株の購入後の「情報収集」は大切なケアの一つです。

優待品が届いたらまずこれを確認!

 優待品は権利付き最終日の3カ月後に優待品が郵送で届くことが多いです(クオカードや優待券は総会後に送られる書類と同封されていることが多い)。持ち株が多い方は、6月の初めに届く株主総会招集通知の封筒と、月末に届く関係書類と、とにかく郵便物が大量に届くので、間違って捨ててしまわないように気を付けてください。

 届いた優待も優待券なら有効期限、食品なら賞味期限、カタログなど申し込みが必要なものなら「締め切り」をチェック。会社によっては、申し込まないと優待が届かないとか、締め切りがとても短いとか、面倒くさがらず細かい所まで注意書きは読みましょう。最後の最後に落とし穴が待っているかもしれませんからね。

 優待投資家の私が一番忙しいのは6月。3月の優待がどんどん届きます。招集通知を開封し、行ける総会、行けない総会を分け、行けない総会は議決権行使書を送付。6月半ば過ぎからは、株主総会に行きながら、自宅に帰ると行った総会をまとめ、届いた優待の整理。6月は優待銘柄も多いので、株の売買も。うれしい、楽しい悲鳴なのですが、6月が終わると謎の達成感に襲われます……。

 なにはともあれ、優待の到着を楽しみに待ちましょう。優待品を楽しく使う、株主総会にいくなど最後まで気を抜かずに楽しんでください。

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