今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは137.30

下値メドは133.85

雇用統計:23年の米雇用市場、年間で200万人以上のペースで雇用が減るおそれ
人民元:中国の経済成長を大幅に下方修正。コロナ政策の出口が不透明 
ウクライナ:今年の小麦の収穫量は例年の半分 
米経済:コロナ後の住宅ブームが終了。住宅ローン上昇と移民の減少
米インフレ:インフレはピークを越えても、3-4%でしつこく高止まりする
FRB:ミネアポリス連銀総裁「インフレは上昇しているが給料も上がっている」
FRB:セントルイス連銀がFRBの金融政策の構造を批判 
FRB:ジョージ・カンザスシティ連銀総裁;来年1月で退任 
メキシコ:メキシコ中銀の利上げ着地レートは8.0%
エネルギー危機:ドイツ政府、天然ガスのサーチャージを発表。ドイツのインフレは2桁へ 

 トルコ中銀は、政策金利を14%から13%へ、1.00%引き下げた。インフレ率が前年比で80%も高騰する状況で、予想外の利下げだった。トルコリラはこれを受けて急落したが、対円での動きは限定的だった。円安で相殺されたこともあるが、取引規制と流動性に問題があるこの通貨を取引しようとする投資家が減っていることも理由だ。

 8月18日(木曜)のドル/円は「円安」。
 24時間のレンジは134.65円から135.90円。値幅は1.26円。 

 2022年の164営業日目は135.06円からスタート。

 今週になってドル買いが目立つ。この日は135円を下回る場面もあったが下げは限定的だった。安値は東京時間夜遅くにつけた134.65円。その後はドル買い相場となり、前日の高値(135.50円)を抜けると明け方には135.90円まで上値を伸ばして今月の高値をつけた。終値は135.88円(前日比+0.80円)。

レジスタンスは、
136.60円(07/28)
137.46円(07/27)
137.96円(07/22)

サポートは、
134.65円(08/18)
133.90円(08/16)
132.93円(08/16)

 米国の7月のCPI(消費者物価指数)が前月比で0.0%と、6月の+1.3%から大きく下がり、この2年間で初めて上昇が止まった。CPIを押し上げていたガソリン価格が下がっていることもあり、来月のインフレ率はマイナスになる可能性が高い。

 6月、7月と2会合連続で0.75%という大幅利上げを実施してきたFOMC(米連邦公開市場委員会)も、そろそろ利上げペースを緩めるとだろうという見方が広がった。

 しかし、この日は、FOMCメンバーから「インフレが終わったと考えるのはまだ早い」と、マーケットの楽観論を窘めるような発言が相次ぎ、9月FOMCでは3会合連続となる0.75%利上げの可能性が強まった結果、ドル買いが優勢になった。

 来週は、ジャクソンホールでパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の講演が予定されている。パウエル議長は、7月までの利上げで、FRBの金利は中立ゾーンまで戻ったと述べている。今後のFRBの金融政策が、引き締め方向に一段と進むのかどうかにマーケットの注目が集まっている。

 先日発表されたFOMC議事録には「過剰な引き締めに多くのメンバーが懸念を示す」と記されていた。パウエルFRB議長が、ある時点で利上げペースを緩めることを強調するのか、それともインフレに対する警戒感を強めるのか。昨日のドルの動きを見ると、マーケットの予想は後者の方が多いようだ。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

朝に勝てる人は一日に勝ち、一日に勝つ人は人生に勝つことができる

Kung Fu Fighting

 FOMC(米連邦公開市場委員会)は7月会合において、6月会合に引き続き2カ月連続で0.75%の大幅利上げを決定した。政策金利であるFF(フェデラルファンド)金利は 2.25-2.50%に引き上げられ、2月に0.00-0.25%だったFF金利は、約半年間で10倍になった。

 FOMC後の記者会見に臨んだパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、インフレ抑圧に対する強い決意を改めて表明し次回9月の会合では0.75%を超える利上げの可能性も排除しないことを示唆している。現在のシナリオは、9月に0.75%、さらに11月と12月にそれぞれ0.50%ずつ利上げして、2022年末のFF金利4.00-4.25%まで引き上げるというものだ。

 マーケットに対して、パウエル議長はとても重要なメッセージを伝えた。それは、下のFF金利の推移グラフでも明らかなように、米国の政策金利が、今回までの利上げによってようやく「中立ゾーン」に戻ったということである。

 2020年3月、新型コロナの感染拡大が世界経済に強いダメージとショックを与え、それまで完全雇用状態といわれていた米国の失業率は、一気に15%近くまで上昇した。FRBは緊急のFOMC会合を開き、他の中央銀行に先駆けて利下げに踏み切った。その後、ワクチンの開発供給などのおかげで世界経済は無事再開し、米失業率も新型コロナ発生前の水準まで戻った。しかし、政策金利の水準からいえば、FRBは新型コロナ以来の緩和政策を継続していたのだ。

 それが、今回までの利上げで、ようやくFRBも米経済の状況に追いつき、中立水準まで戻したということになる。それがパウエル議長のメッセージだ。言うならば、これまでの利上げは、引締めというより、コロナの緩和政策を解除した段階にすぎない。

 9月からの利上げは、FRBがいよいよ本格的な「金融引締め」ゾーンに入ることを意味する。

 ところが、米4-6月期GDP(国内総生産:速報値)は-0.9%となり、2期連続のマイナス成長となった。経済成長が「減速」しているだけで「後退」ではないとイエレン財務長官やパウエル議長は言うが、数字上は米経済が「リセッション」に入ったことを示している。

 パウエル議長は、米経済は減速しているが「雇用市場はまだ非常に力強い」と述べている。雇用市場が持ち堪えているのは米経済が大丈夫な印ということだ。しかし、頼みの綱である雇用市場に異変が起これば、「インフレ一番、景気は二番」政策による利上げそのものを見直す必要がでてくる。来月の雇用統計もフォーカスする必要があるだろう。

今週の 注目経済指標

出所:楽天証券作成

今日の注目通貨:ドル/円

予想レンジ ↑137.30円 ↓133.85円

 今週のドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は135.58円。
135.58円より上ならばドル買い優勢、135.58円より下ならばドル売り優勢。

2022年現時点の高値は139.34円、安値は113.47円。平均値は126.43円。
1日の最大値幅は3.29円、平均値幅は1.25円。
2022年の値幅は25.92円。
2021年の終値(115.09円)に比べて19.90円の円安。

139.39円    :     2022年 高値
137.31円    : 第4レジスタンス(HBO)    
136.84円    : 第3レジスタンス    
136.36円    : 第2レジスタンス    
136.21円    : 第1レジスタンス    
135.90円    :     08月 高値 

135.58円 : ピボット

134.95円    : 第1サポート    
134.80円    : 第2サポート    
134.32円    : 第3サポート    
133.84円    : 第4サポート(LBO)    
133.14円    :     08月 平均値
130.39円    :     08月 安値

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

2022年 ドル/円データ