2022年中間期の好決算と大幅増配を評価、企業向け業務が高成長
現地コード | 銘柄名 |
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00941 |
中国移動 (チャイナ・モバイル) |
株価 | 情報種類 |
51.75HKD |
株価 企業情報 チャート |
中国最大の通信キャリア、チャイナ・モバイルの2022年6月中間決算は、純利益が前年同期比18.9%増の703億元と、市場コンセンサス予想を12.4%上回った。ビジネスマーケット(政府機関・企業向け)業務の24.6%の増収や営業経費の抑制が背景。中間配当は前年比35%増の1株当たり2.20HKドルと、マーケットにとってのポジティブサプライズとなった。同社はさらに2023年の配当性向を70%に引き上げる方針を示しており、株主利益の最大化に向けた経営努力をうかがわせている。BOCIは「産業のインターネット」化の進行や1株当たり5.24HKドルという2023年の高配当見通しを理由に、現在株価の魅力を指摘。目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
2022年上期の純利益は703億元と、市場予想を12.4%、BOCIの予想を11.9%上回る数字となった。売上高は12.0%増の4,969億元。うち通信サービス収入は8.4%増の4,264億元と、BOCIの予想を小幅に上回った。一部地域の都市封鎖でデータ需要が細り、4-6月にはモバイルデータ収入が縮小。経営陣によれば、上海市では6月のモバイルデータ収入も2%の伸びにとどまったという(上海市のロックダウンは6月1日に解除)。
通信サービス収入の中では、ビジネスマーケット業務の収入が前年同期比24.6%増の910億元に達し、全体の21.4%を占めた。うち産業用クラウド業務の収入が94%増の190億元。企業顧客数は2021年末比で230万件増の2,112万件に達している。このほか、新規市場業務(国際ビジネスやデジタルコンテンツ、インターネット金融など)が36.5%の増収だった。
中間期のEBITDA(利払い・税引き・減価償却前利益)は7.4%増の1,739億元と、BOCIの予想を1.1%上回る数字。販売・マーケティング費の14%減をはじめとする営業費用の抑制が寄与した。2Gおよび3G設備の償却を前年にほぼ終わらせた関係で、減価償却費はほぼ横ばいだった。経営陣は「産業のインターネットは全ての関連企業にとって大きなビジネスチャンスであり、同じスタートラインから一斉に競争が始まった」と指摘。この先の政府機関・企業向けビジネスにおいては理性的な競争環境に期待するとしている。同社としては、ネットワークとリソースという構造面の強みを生かした「産業のインターネット」プロジェクトに照準を合わせる方針という。
BOCIは目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。2023年に70%の配当性向を想定し、年間配当が5.24HKドルに上る可能性を指摘している。一方、レーティング面でのリスク要因としては、中国の第4の通信キャリアとなる中国広播電視網絡(中国広電、CBN)の5Gサービスへの参入が、モバイルサービス収入にマイナス影響を及ぼす可能性を挙げている。
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