2022年上期に好決算見通し、不良債権指標も同業銘柄でトップクラスか
現地コード | 銘柄名 |
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01658 |
中国郵政儲蓄銀行 (ポスタル・セービングス・バンク・オブ・チャイナ) |
株価 | 情報種類 |
4.94HKD |
株価 企業情報 チャート |
中国版ゆうちょ銀行、中国郵政儲蓄銀行の2022年6月中間期の純利益について、BOCIは前年同期比15.4%増を予想している(1-3月期は同17.8%増、2021年通期は前年比18.6%増)。営業利益は9.6%の伸びを示すとの見方(1-3月期は10.2%、2021年は11.4%増)。優れた資産の質を上期も維持したとみて、不良債権指標で同業銘柄を上回る見通しを示した。また、同行の場合は預貸率(銀行の預金に対する貸出金の比率)の引き上げ余地が大きく、向こう2年間の役務取引等利益(純手数料収入)の急拡大にも期待できると指摘。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
不良債権比率については、BOCIは3月末の0.82%から6月末には0.81%へさらに改善すると予想。同業銘柄の中で最も低い数字になるとみる。不良債権引当カバー率(不良債権に対する貸倒引当金の比率)については3月末の413.58%からほぼ横ばいの414%を見込み、同業銘柄で最も高い水準に達する可能性を指摘している
一部不動産デベロッパーの債務危機による影響に関しても、BOCIは楽観的。同行はデベロッパー向け融資のウエートが低く、不良債権もゼロに近い点が理由。具体的には、デベロッパー向け融資が総融資額に占める割合は2022年上期に2.2%程度。不良債権比率は0.02%を見込む。また、物件の完工遅れを受けた買い手の住宅ローン返済拒否問題について、同行は先ごろ「返済拒否リスクを伴う住宅ローン残高は1億2,700万元と、6月末の同ローン残高全体の0.006%に過ぎない」との数字を公表。独自に厳しい基準を設け、提携先の優良デベロッパーをリストアップしたことなどを明らかにしている。
一方、上期の純金利マージン(NIM)に関しては、BOCIは小幅な低下を予想している。銀行各行は4-6月期に実体経済への支援を強化し、打撃の大きい特定分野に重点を置いたが、それでもNIMの低下幅は小幅にとどまったとの見方。その理由として、資産構造の改善や資金調達コストの低下が利払い資産のイールド低下圧力を一部相殺した可能性を指摘している。6月末のNIMに関する予想は2.31%。3月末比で0.01ポイント、2021年末比で0.05ポイント低下する見通しという。
役務取引等利益は上期も高成長を維持したとみられ、BOCIは前年同期比32%増を見込む(1-3月期は39.6%増、2021年通期は33.4%増)。ファンド販売収入が手数料収入全体の3%に満たないため、株式市場のボラティリティーによる影響は限定的とみる。
BOCIは同行H株の現在株価が2022年予想PBR(株価純資産倍率)で0.56倍にとどまると指摘。資産の質の優良性や手数料収入の力強い伸び、相対的に高い利益成長率、さらに2022年のROE(平均株主資本利益率)が12.3%に達する見通しなどを理由に、より高い評価に値するとの見方。2022年予想PBR(株価純資産倍率)1.0倍をベースに目標株価を小幅に引き下げながらも、株価の先行きに強気見通しを継続している。
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