2022年上期に約3億元の赤字見通し、下期以降に業績回復へ
現地コード | 銘柄名 |
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09869 |
海倫司国際 (ヘレンズ・インターナショナル) |
株価 | 情報種類 |
14.64HKD |
株価 企業情報 チャート |
中国最大のバー・チェーン、海倫司国際は2022年6月中間期に2億9,000-3億1,000万元の純損失を計上する見通しを発表し、市場にとってはネガティブサプライズとなった。ただ、赤字拡大の主因は従業員向けのインセンティブと店舗構成の最適化に伴う費用(計1億9,000-2億元)であり、いずれも非経常要因。BOCIは下期以降の収益性の改善を見込んでいる。実際には、4-6月の新型コロナ感染の再燃による中核ビジネスへの影響も市場の予想以上だったが、これも下期には回復するとの見方。新たな業態の下、中小都市に照準を合わせるという同社の方針を、リスク分散につながる有効な事業拡大戦略として前向きに評価し、株価の先行きに対する強気見通しを継続している。
同社が発した利益警告によると、上期の純損失は2億9,000-3億1,000万元。株式報酬費用の約9,900万元と店舗構成の適正化に伴う処分損および減損損失9,000万-1億元を除くコア純損失は、9,000万-1億1,000万元となる見込み(前年同期は8,100万元の黒字)。主要都市部でのコロナ感染再燃で、採算性が悪化した。2021年下期に307店舗、2022年上期に130店舗を出店したが、上期の売上高は前年同期比0.2-2.5%増の8億7,000万-8億9,000万元にとどまる見通し。上海市などの都市封鎖で一部店舗が営業停止を余儀なくされたことや、新店舗の出足の鈍さ、既存店の売り上げ減が響いたという。
2022年には約100店舗(2021年末の店舗総数の約13%)を閉店し、店舗構成を適正化する方針。これにより、処分損と減損損失が発生する運びとなった。BOCIは散発的なコロナ感染により、一部の新店舗の採算化や投資回収までの期間が長期化している可能性に言及しながらも、こうした処分損・減損損失は一過性要因であると指摘。店舗網の最適化を通じた下期以降の収益性の改善を予想している。
同社は2022年通期の出店目標を300店舗(純増ではなくグロスの出店数)に据え置いているが、事業環境次第で調整する見込み。今後はより規模の小さい中小都市への出店にシフトし、現地のデベロッパーと組んで「スナックブース/バーベキュー+バー」という新たな業態を展開する見通しという。5月に利川市(湖北省)に開業したパイロット店「Helen's.Yue」は人件費・賃料の安さや地元の娯楽不足を追い風に、売り上げが平均の2倍を記録。営業利益率も同社のバー平均を上回る水準に達した。
BOCIは2022-2024年の予想売上高を18%、8%、6%減額修正した上で、予想コア純利益を56%、15%、9%、予想EBITDA(利払い・税引き・償却前益)を19%、8%、6%の幅で引き下げた。これに伴い2022-2023年予想EV/EBITDA倍率13.4倍をベースとした目標株価を4%下方修正したが、株価の先行きには強気見通しを継続した。レーティング面の潜在リスク要因としては新型コロナの影響の長期化やマクロ経済の鈍化、競争激化、既存店売り上げの悪化、商品・人件費インフレなどの可能性を挙げている。
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