今週の予想

今週の日経平均は、ドル買い・円売りで輸出関連株の上昇維持を想定

 先週末の5日(金)の日経平均株価は、引け後の米国での7月雇用統計発表待ちで様子見となるとの見方がほとんどでしたが、結果的にはハイテク株などの主力銘柄中心に買われ+243円の2万8,175円と2万8,000円の大台を突破しました。

 思うに日経平均の買いの主体は外国人ですので、7月雇用統計の強い結果を予想し、ドル買い・円売りで円安方向になったことで、輸出関連株が買われる想定で買いが入ったものと思われます。

 今週は、2万8,000円台前半での動きとなりそうですが、その中で4-6月期の決算発表がピークを迎える中、好決算銘柄への個別株物色中心となりそうです。

 先週末の7月雇用統計の結果を受けて再度、利上げのスピードが上がる可能性もあり、その場合は円安期待でハイテク株が買われれば、6月高値の2万8,389円を試すことになります。

 日経平均の日足チャートは、先週までの見方としては、夏休み入りとなり8月中旬までは、夏枯れ相場で調整という季節的傾向もあるとしましたが、高値警戒を示していた日足テクニカル指標は、過熱感が解消に向かいつつある中、先週末、一気に2万8,000円台突破となりました。

 日足チャートは、突破した200日線(5日時点2万7,560円水準)を下値のサポートとしての2万8,000円台突破ですので、当面のターゲットは3月25日の2万8,338円、6月9日の2万8,389円となります。

 もちろん、米国の長期金利や為替、ウクライナ・ロシア戦争での原油、商品市場の乱高下の問題もあり、それらを織り込みながらの動きとなります。

今週の指標:日経平均株価

 先週末の日経平均は、2万8,000円台突破の+243円の2万8,175円で引けました。引け後の米国市場では、7月雇用統計は強い結果で終わり、結果的に利上げペースの後退予想は、逆に利上げペースの強い予想となったことで、ドル買い・円売りで、今週は円安基調となって輸出関連株が上昇を維持することになりそうです。

 そうなると、まず、2万8,300円台を試す動きとなり、3月25日の2万8,338円、6月9日の2万8,389円を突破できるかどうかに注目です。

先週の動き

 前々週末は2万7,952円まで上昇し、大台の2万8,000円に接近したことで、2万8,000円台も期待されましたが、ジェローム・パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の積極的利上げは緩やかになるとの発言もあり、一時、円高方向となって日経平均も軟調となりました。

 しかし、8月2日(火)に1ドル=131円台の円高進行となったことで、一時▲462円の2万7,530円まで下げましたが、円高一服となったことで、戻りを試す動きとなっています。週末の5日(金)はこの日の米国7月雇用統計への期待から2万8,000円を突破して+243円の2万8,175円で引けました。

今週の指標:NYダウ(ダウ工業株30種平均)

 今週は景気後退を巡り見方が分かれ、もみあいとなりそうです。ただし、景気後退に関しては、50年ぶりの低水準の失業率、雇用が50万人増の労働市場では、景気後退は考えにくく、そのため下げても下値が限定的と思えます。

 今週は最新7月の消費者物価指数や生産者物価指数の結果に注目となります。インフレはまだ鈍化の兆しはなく利上げ打ち止めは程遠いとされており、来年にかけて利上げを続ける方針をFRBは強調しています。景気後退懸念とインフレとの綱引きとなります。

先週の動き

 先週は、経済指標の結果をみて大きな上下動をし、少しずつ戻りを試しています。週始めの8月1日(月)は、前週末の大幅上昇後の▲46ドルと小反落となり、2日(火)はナンシー・ペロシ米下院議長の訪台見通しを受け、▲402ドルの3万2,396ドルとなりました。

 しかし3日(水)は、7月ISM非製造業景況指数が予想を上回り、決算発表が好調であることから+416ドルの3万2,812ドルと大幅反発しました。

 4日(木)は、翌日の7月雇用統計を控え様子見から▲85ドルとなりました。週末の5日(金)は、予想を大きく上回る7月雇用統計を受け、利上げペースが穏やかになるとみられていた見方が後退し、株価が朝方は3指標そろって下落しました。その後、利上げを期待する金融株が買われ、NYダウだけは+76ドルと反発しました。

今週の指標:ドル/円

 ペロシ下院議長の訪台を巡る地政学的リスクは低いとみられ、ドル売り・円買いが進むという可能性は低いとみられていますが、中国側は今後、内政干渉と主張し、米国に対する対抗措置を講じる考え、場合によってはドル売り・円買いの可能性もあります。

先週の動き

 先週は、円高進行がどこで止まるかに注目としました。8月2日(火)は、ペロシ下院議長の台湾訪問からの米中関係悪化懸念で、一時、1ドル=130.40円まで円高が進行し、日経平均は▲462円の2万7,530円まで下げました。

 ここで円高が一服しドルの買い戻しから円安方向の動きとなり、週末の5日(金)は注目の米7月雇用統計が予想を大きく上回る強い結果となったことで、利上げペースの穏やかな予想が後退し、ドルが買われて、一時、1ドル=135.49円まで上昇し引け値は134.98円でした。

先週の結果

先週は、円高が130円台まで進み、再び円安基調で2万8,000円を試す動き

 先週は、前週のFRB議長の利上げペースを緩める可能性に言及したことを受けたが、2万8,000円を突破できず、円安の巻き戻しによる円高となり、前週末には1ドル=132円水準まで円高が進み、週前半、一服して軟調な動きとなりました。

 そのため、為替の円高が止まる位置を確認すれば、2万8,000円を試す動きを想定し、想定レンジを2万7,300~2万8,300円としました。しかし、2万8,000円をぬけても週足のチャートをみると、3月中旬以来2万6,000~2万8,000円のボックス相場となっており、2万8,300円を突破しても2万8,300円台がチャート上の当面のフシ目になるとしました。

 一方で、日本株の8月相場は経験則から夏枯れ相場の可能性が高いとし、上昇しても中旬までは小幅のもみあいが続くともしました。

 結果的に先週は、週前半の8月2日(火)に、ペロシ米下院議長の訪台の見通しを受けて、米中関係の悪化懸念からドルが一時130円台まで売られ、一時▲462円の2万7,530円まで下げました。

 しかし、ここで円の上限が確認された形となり、再びドル買い・円売りの方向となったことで、日経平均は2万8,000円を試す動きとなりました。3日(水)は+147円の2万7,741円、4日(木)は+190円の2万7,932円と2日続伸のあと、5日(金)は、+243円の2万8,175円と一気に2万8,000円を突破しました。

 5日の朝方は、円高が重しとなって伸び悩みましたが、まもなく盛り返し前日の米ハイテク株の堅調さを支えに半導体関連などが堅調となり、好決算銘柄の買いもサポートとなり、先物買いを交えて上げ幅を拡大し、一時+257円の2万8,190円まで上昇しました。

 週末の米国市場は、注目の7月雇用統計は、非農業部門雇用者数は予想を大きく上回ったことで、利上げペースの減速懸念が後退し、売り先行となりました。

 しかし、売り一巡後は利上げを期待する金融株などが上昇し、NYダウは+76ドルの3万2,803ドルと小幅反発したことで、ナスダック総合指数、S&P500種指数の下げ幅を縮小しました。為替は1ドル=134.98円の円安、シカゴ日経先物は▲35円の2万8,135円でした。