今週の予想

日本株の「8月のお盆にかけて調整」に注意

 先週は、6月28日と7月11日の2万7,062円のフシを突破し、週末は2万7,952円まで上昇し、2万7,914円で終わりました。円安が追い風になって直近の安値6月20日の2万5,520円からの上昇率が約10%に達しました。

 上値の大きなフシの一つの200日移動平均線(2万7,600円水準)を明確に上抜き6週間ぶりの水準まで戻しています。

 今、日本株の上昇は、一時1ドル=139円台にのせた円安に支えられています。今、3月期の企業業績の前提レートは、1ドル=120円であり、トヨタは115円を想定しているので、利益は予想を大きく超えることになります。

 先日、日本銀行の黒田東彦総裁は大規模緩和を変えない方針を改めて強調したことで、欧米との金利差拡大による円安は継続することになります。4~6月のドル/円は約130円ですので、輸出企業にとって好影響が決算で確認できそうです。

 今週は、FOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されますが、一時4回目の1.0%追加利上げが視野に入り、米国株が下げましたが、その後の観測で0.75%の上げ幅がコンセンサスになっていることで、波乱はないと思われます。

 ただし、予想外の1.0%となれば直後は株式相場は大きく下げることになります。

 今週の日経平均の動きはチャートをみると、2万7,062円をぬけたことで下限は2万7,000円、上限は大台の2万8,000円となり、この上は3月25日の2万8,338円、6月9日の2万8,389円の高値があることから、2万8,300円台が強いフシとなりそうです。

 そうなると今週の予想レンジは、2万7,000~2万8,000円を基本とします。この中で週足チャートのポイントとなる52週線(22日時点2万7,796円)をぬきましたので2万8,300円を目指す可能性もあります。

 上昇相場の要因としては、まず、ダウ工業株30種平均などの米国株の上昇と円安で、これを受けて指数寄与度の高い値ガサの輸出関連、ハイテク株が物色され、それをサポートするのに2万6,000円台でのもみあいでたまっていた「売り」の買い戻しが上昇に弾みをつけたといえます。

 そうであれば買い戻しの一巡後は、勢いが鈍ることになり、きっかけ次第で短期調整に入ることも考えられます。日本株は、「8月のお盆にかけて調整する」という経験則があるので注意が必要です。

今週の指標:日経平均株価

今週は、2万8,000円を突破できるかどうか

 先週末は、2万7,952円まで上昇し、大台の2万8,000円に迫りました。今回の上昇は、米国株式の上昇と円安、さらに2万6,000円台のもみあいでたまっていた「売り」の買い戻しによって勢いがつきました。

 しかし、買い戻しが一巡すれば、大きなフシのところでいったん止まる可能性もあります。2万8,000円を超えると2万8,300円水準がフシとなります。

 シカゴの日経先物は▲250円の2万7,640円となっています。レンジを2万7,000~2万8,000円とします。

先週の動き

 先週の予測では、6月28日の2万7,062円、7月11日の2万7,062円と日足のダブル天井を突破できるかどうか注目としました。

 結果的に、3連休明けの日本市場は、米株式の堅調な動きと、円安の一服を受け、特に7月20日(水)は、米株式の大幅上昇を受け、日経平均も連動して急騰し、+718円の2万7,680円と5日連続の上昇となりました。

 チャートをみると、今年の3月9日の2万4,681円を安値に上昇トレンド(B)となっています。ただし、2万8,000円水準の大きなフシに接近しています。週末22日(金)は、米国株の上昇に後押しされ+111円の2万7,914円で引けました。

今週の指標:NYダウ(ダウ工業株30種平均)

 先週は、好決算やドル高一服、FOMCでの1.0%の利上げが0.75%の利上げに見直される観測となったことで、3万2,000ドル台まで戻りました。しかし、依然として弱気相場のままでインフレやFRB(米連邦準備制度理事会)の金融引き締めにメドがつくまでは、もみあいが続きそうです。

 決算は、主要ハイテク株に注目となり、経済指標もインフレを確認することになりそうです。また、26~27日のFOMCで一時1.0%の利上げ見通しとなり、その後、0.75%の見通しに落ち着いていますが、この結果も注目となります。

先週の動き

 先週の予測では、企業の4-6月期決算が本格化するため、結果次第で上下動する場合が続く可能性があるとしました。

 結局、前々週末の15日(金)に大幅利上げ見通しが後退したことで、+658ドルの3万1,288ドルを受け、週始めの18日(月)は、利食い売りで▲215ドルと反落したものの、19日(火)は好決算やドル高一服を受け、+754ドルの3万1,827ドルとなり、その後も3日続伸し、21日(木)は+162ドルの3万2,036ドルでした。週末22日(金)は▲137ドルの3万1,899ドルでした。

今週の指標:ドル/円

 今月、発表された6月消費者物価指数はインフレ加速が示されましたが、一時1.0%の追加利上げ観測も0.75%の幅になるコンセンサスとなっています。

 ただ、FOMCでの引き締めはすでに織り込まれており、決算後のドル買いは材料出尽くしでドル売りが強まる可能性があります。ただし、経済指標が改善されていれば景気後退入りの可能性が多少低下して、ドルが買い戻される可能性もあります。予想は135~137.5円。

先週の動き

 先週は、米政策金利の一段の上昇を想定して、138.88円までドルが買われました。米国の景気後退入りの可能性が高まり、一時135.52円まで下落しました。

 また一時7月のFOMCでは1.0%の利上げ観測がでましたが、6月の米住宅着工件数などが減少したことで、1.0%の追加利上げは大きく後退しましたが、日米金利差から再びドル買い・円売りが優勢となりました。

 しかし、景気先行指数の悪化を受け、米長期金利が低下し、ドル買い・円売りは縮小しました。22日には、ドル/円は137.00円から135.57円まで下落し、136.09円で引けました。

先週の結果

先週は、2万7,062円を突破したことで、週末に2万7,952円の高値まで上昇

 先週の日経平均の予測は、前々週の11日(月)に2万7,062円と6月28日の高値2万7,062円と肩を並べたところで止まり、目先のフシとなって、12日(火)に2万6,278円まで下げ、週の終値では2万6,788円で引けたことで、目先は2万7,062円がポイントですが週足では2万6,000~2万8,000円のレンジのもみあいとなっているため、2万6,300~2万7,300円を先週のレンジとしました。

 結果的に、米株上昇、目先行き過ぎた円安がいったん止まり、フシとしていた2万7,062円を突破したことで、7月22日(金)は、2万7,952円まで上昇して2万7,914円で引けました。

 3連休明けの19日(火)の日経平均は、堅調な動きで始まり、この日の引け後の米国株式は良好な第二四半期決算や円高進行が一服したことで、NYダウは+754ドルの3万1,827ドルと大幅反発となりました。

 これを受けて20日(水)の日経平均は、時間外の米株先物が上げ幅を拡大したこともあり、+718円の2万7,680円と急騰し、5日続伸となりました。特に半導体中心に精密機器・電気が大きく上昇しました。

 21日(木)は、米株は上昇ながら前場は▲130円の2万7,549円まで下げるものの、昼休みの時間に日銀が、大規模緩和の継続決定で先物買いでプラスに転じ、+122円の2万7,803円で引けました。

 週末の22日(金)は、6日連騰のあとだけに売り先行となり、▲101円の2万7,701円まで下げましたが、前日の米株高もあり上げに転じて、前引けは+67円の2万7,870円でした。

 後場になると上げ幅を徐々に広げ、一時+149円の2万7,952円まで上昇して終値は+111円の2万7,914円でした。

 週末の米国株式は、決算発表が本格化するIT大手の業績への懸念が強まり、ハイテク株が売られ、また、7月の米購買担当者景況指数が予想を下回り、NYダウは▲137ドル、特に決算が嫌気されたSNSのスナップが39%安と暴落し、ナスダック総合指数は▲225Pと大幅安となりました。

 為替は1ドル=136.05円の円高、シカゴの日経先物は▲250円の2万7,640円となっています。