コロナ再燃の打撃もプレミアム化へのシフトを継続、コスト転嫁も進行中
現地コード | 銘柄名 |
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00291 |
華潤ビール控股 (チャイナ・リソーシズ・ビア) |
株価 | 情報種類 |
52.75HKD |
株価 企業情報 チャート |
「雪花Snow」ブランドを主力とする中国のビール最大手、華潤ビールは7月12日のBOCIコンシューマー・デーに参加し、売り上げ動向、価格動向、利益率に関するトレンドやチャネル戦略といった最新情報を共有した。BOCIは売上高の伸びと利益率の改善につながるハイエンド化戦略を前向きに評価。株価の先行きに強気見通しを継続した。
経営陣によれば、同社全体の販売量は2022年上期にほぼ横ばいだったが、サブプレミアム以上の高価格帯は2桁成長を確保した。ハイネケンが引き続き力強い伸びを維持する半面、「勇闖天涯Super X」「Snowドラフト」ビールは新型コロナの感染拡大地域での売り上げ比率が高く、相対的に打撃が大きかったという。その結果、経営陣は2022年の高価格帯製品(サブプレミアム以上)の販売量に関する目標を前年比27.8%増(2021年の成長実績並み)から15-20%増に下方修正。ただ、6月には福建省や浙江省などの地域で、売れ行きが確実に回復したという。経営陣はまた、中国東部の猛暑がピークシーズンの復調を後押しするとの見方。下期にはさらに、レストランやナイトクラブなど、外食店の飲食制限措置が徐々に緩和され、販売回復に寄与するとみている。
同社は上期に、主力商品、プレミアム商品の両セグメントで値上げを実施。平均販売価格は上期中に、1桁台半ばから後半の幅で上昇した。経営陣はこの先さらに製品構成の高付加価値化を進める方針。下期には全粒粉ドラフトビールや「ハイネケン0.0」、中国テイストを組み込んだハイエンドビール、スパークリングワイン、フルーツワインなどを投入する予定。通期では平均販売価格の1桁台後半の引き上げを目指す。BOCIは上期の粗利益率が堅調に推移したとみて、下期には一段の値上げによる利益率の改善が期待できるとの見方。経営陣が営業経費の効率化に向けて努力すると述べたことから、営業利益率の改善も見込まれるとしている。
一方、コロナ禍での家飲み志向を踏まえつつ、経営陣は引き続き、サブプレミアム以上の製品販売において外食需要を重視する方針。注目されるのは、販売量の拡大と消費者インサイトの深化に寄与する大口顧客へのチャネル投資に重点を置く方針を示したこと。仮にコロナ感染が再燃しても、大口顧客はコミュニティー向け販売やデリバリーの拡大を後押しするとの期待があるという。
BOCIは主に2022年の販売量見通しの下方修正と販管費の上方修正を反映させる形で、2022年、2023年の予想純利益と予想EBITDA(利払い・税引き・減価償却前利益)を小幅に減額した。従来と同じ2022年EV/EBITDA倍率24倍をあてはめ、目標株価を小幅に下方修正しながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。レーティング面の潜在リスク要因としては、競争激化や製品値上げペースの鈍化、消費インフレ、コロナ感染の再燃などを挙げている。
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