6月の消費者物価指数

 7月13日(水)に発表された米国の6月の消費者物価指数は市場予想を上回る前年比+9.1%でした。

 

 上のチャートからも明らかな通り、米国がいまほど酷いインフレになったことは1970年代しかありません。

 この発表を受けて市場参加者は当分アグレッシブな利上げはやむなしという諦観を抱いています。

 FRB(米連邦準備制度理事会)がぐいぐい政策金利を引き上げている最中に株式市場が底入れすることは稀です。

下げ相場の長期化

 そんなわけで今回の下げ相場も半年を超え、インフレもいまだに収まってないことから長丁場になりそうだということが再認識されています。

 下げ幅、下落期間で言えば、今回の下げはリーマンショックの時に匹敵します。つまり14年ぶりのざっくりとした調整というわけです。

 前回、新型コロナの時の下げが僅か一カ月余りだったので(いつ反発が来る?)とウズウズしている投資家が多いです。

 しかし、これまで説明してきた通り、今回はしつこいインフレという厄介な問題に取り組んでいる関係で、アク抜けにはもっと時間がかかるでしょう。

7月、9月は大幅利上げが予想される

 7月27日のFOMC(米連邦公開市場委員会)では1.00%の利上げが実施されフェデラルファンズ・レートは2.50~2.75%になると見られています。

 その次の9月21日のFOMCでも更に0.75%の利上げが行われフェデラルファンズ・レートは3.25%~3.50%になると予想されています。

 このような度重なる大幅な利上げは、一つ間違えば景気を殺しかねません。リセッションの先行指標のひとつである10年債利回り-2年債利回りは再びマイナス圏に入っており景気後退がいずれ来ることを示唆しています。

 普通、株式市場が本格的に出直るのはリセッション・リスクで中央銀行が利下げに転じてからです。これには未だしばらく時間がかかると思います。

 従って利上げが繰り返されているうちは仮に指数が下がらなくなっても、一進一退が続くでしょう。