2022年本決算は2割強の減益、今後の業績「正常化」に期待

現地コード 銘柄名
00384

中国燃気控股

(チャイナ・ガス・ホールディングス)

株価 情報種類

11.68HKD
(6/27現在)

 株価
 企業情報
 チャート

 中国の都市ガス大手、中国ガスの2022年3月本決算は、コア利益が前年比22%減と、BOCIの予想通りの水準だった。新型コロナ再燃などの影響もあり、新規のガス管接続件数が前年比42%減の294万世帯にとどまったことが最大の減益要因。また、ガスの小売販売量は17%増加したものの、上流からのガスの調達を高価な輸入LNG(液化天然ガス)で補う必要が生じ、利幅が悪化したことも響いた。同社経営陣によれば、ガス管接続件数は2023年度にさらに落ち込むとみられるが、利幅は横ばいで推移し、付加価値サービスが高成長を遂げる見通しという。BOCIは2023年度、2024年度の予想純利益を13%、6%減額修正し、2023年度については前年比ほぼ横ばいを予想。目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 2022年度の純利益は前年比27%減の76億6,200万HKドル。為替差損益などの営業外損益や一回性損益を除くコア利益は22%減の80億5,200万HKドル。2割強の減益にもかかわらず、経営陣は年間配当を前年並みの1株当たり0.55HKドルに維持し、自社ビジネスの先行きに対する自信をうかがわせた。通期の配当性向は前年の29.1%から37.8%に上昇することになる。

 2023年度について、同社は新規利用者向けのガス管接続件数が前年比1-12%減の260万-290万世帯にとどまるとみる。売掛債権を抑制するため、引き続き地方の「煤改気」(石炭から天然ガスへの転換)プロジェクト関連の接続業務を抑える方針という。

 経営陣はガス小売売り上げについて2023年度に前年比10-13%増を見込む。特に注目されるのは、利幅が前年並みの1立方メートル当たり0.50元を維持する見通しを示した点。BOCIはこの点をポジティブサプライズと受け止めている。家庭用のガス契約量の不足は、中国政府の関与でこの冬には解消される見込み。また、広東省と広西チワン族自治区の都市ガスプロジェクトの一部では、数カ月以内にパイプライン経由のガス供給が始まり、LNGへの依存度が軽減。ガス調達価格が低下する見通しという。

 付加価値サービス事業については、同社は2023年度の粗利益、あるいは営業利益が前年比15%増加するとみている。うち自前のオンラインECプラットフォーム「一品慧生活」(Smart Life)の税引き前利益は倍増する見込み。オフラインでは、商品の拡充と普及率の向上を背景に、保険業務の粗利益が倍増する見通しという。

 BOCIはガス小売業務の利益率やガス管接続件数に関する想定値の引き下げを受け、2023-2024年度の利益見通しを減額修正。目標株価を引き下げた。ただ、株価は過去12カ月間に53%下落し、悪材料はすでに反映されたとの見方。現在株価の2023年度予想PER(株価収益率)は8.1倍。新たな目標株価は2023年度予想PERで12.4倍の水準となる。