今週の予想

週末の米国の雇用統計を前に様子見で2万5,500~2万6,500円のレンジ

 今週は米国で週末に6月雇用統計の発表があり、結果次第で金利上昇の可能性があります。それまでは様子見が続くことになりそうです。

 米国市場は独立記念日で4日(月)が休場で3連休となるため、日本市場は動きにくいところです。

 また、日本企業の業績予想の下方修正も散見され始めた他、海外では半導体需給の供給不足が意識されており、ハイテク株の6~8月の収益見通しが気になるところです。

 日米ともに株式の主要指数のチャートは右肩下がりとなっています。右肩下がりのチャートは買った株が下げ続けることを示し、機関投資家も個人投資家も保有していれば評価損をかかえることになります。

 日本は7月10日に参議院選挙を控えていますので、それを過ぎると政策期待も金融界のボーナス獲得作戦も山を越すことになり、次は7月後半からの決算発表(4-6月期)となりますが、下方修正も見受けられ昨年のような好調は期待できません。米国はインフレ圧力と金利上昇で景気後退懸念が強く、企業の見通しは日本以上に厳しいという見方が増えています。

 相場の動きは、「需給」であり、7月は夏休みが意識され商いが細っていきますので、投資は様子をみながらほどほどに短期売買を心がけるべきです。

今週の指標:日経平均株価

 今週は、米国では週末に6月雇用統計を控えており様子見が強い展開となりそうです。先週末のシカゴ日経先物は+480円の2万6,310円となっていることで上昇スタートとなりますが、その後は米国株次第ということになります。米国株は足元の動きがさえないため、強い動きが出てきたとしても雇用統計前の一時的な買い戻しと思われます。

先週の動き

 先週の予測では、ダウ工業株30種平均も目先の上値のフシである3万2,000ドルまで接近したので、日経平均も2万7,000円前後が目先の上値の可能性があるとしました。

 結果的には、週前半上昇し6月28日(火)には2万7,062円まで上昇し、2万7,049円で引けました。この日が目先の天井となり、ここから3日連続して大幅下落となり、週末7月1日(金)は、時間外の米株先物の大幅安を受け▲457円の2万5,935円と2万6,000円を割って引けました。

今週の指標:NYダウ(ダウ工業株30種平均)

 夏休みが近づく7月シーズンになって参加者が限られる中で下半期に伴う資金流入が下支えとなるものの、景気後退懸念や決算シーズンへの警戒感から軟調な推移が継続しそうです。

 この判断の材料として7月8日(金)の6月雇用統計やISM非製造業景況指数の結果が注目となります。FRB(米連邦準備制度理事会)の金融引き締めを受けて小売やハイテク関連で業績を下方修正したり人員削減を行うことが散見されます。注意が必要です。

先週の動き

 先週の予測では、FOMC(米連邦公開市場委員会)が通過し、FRBの現状での年内利上げを相場がある程度織り込み不透明要素が減少したことで売りが一段落していることにつながっているとしました。

 今週は月末の四半期末のリバランスによる買い支えや小売売上の決算発表次第で戻りを試すものの上値は3万2,000ドルというところです。

 結果的には、好悪材料が入り交じり大きく上下動となりました。

 週前半の28日(火)は朝方はNYダウは+446ドルまで上昇するものの、6月消費者信頼感指数が予想を下回ったことで、▲491ドルの下落となり、29日(水)は+82ドルと反発するものの、30日(木)は、5月個人消費支出やシカゴ購買部協会景気指数が予想を下回り、一時▲597ドルまで下げて終値は▲253ドルの3万775ドルとなりました。

 週末7月1日(金)は、一転して反発に転じ+321ドルの3万1,097ドルとなりました。

今週の指標:ドル/円

 ドル/円は底堅い展開となりそうです。6月末にかけてドル/円は1998年9月以来、約24年ぶりの高値圏にあります。

 136円台では利益確定売りのドル売りは観測され、ドルは上げ渋っていますが、日米金利差からドル高・円安の基調は変わらないと思われます。

 7月6日のFOMC議事録公開(6月14~15日分)の内容が0.75%の利上げ継続がタカ派的なものであればドル買い要因となります。

先週の動き

 先週は、ドル/円が20年ぶりの高水準に上昇後、やや失速しましたが135円台で引けており、再びドル安・円高に大きく動くというより、日米金利差を背景に方向性のない展開となりそうです。

 先週は米長期金利の低下で円売りが縮小してもみあいとなりました。134.52~137.00円のレンジでした。

先週の結果

先週は、週始めの2日のみ上昇し、その後は急落となり2万6,000円割れへ

 先週の予測では、2万7,000円前後には、25日線、75日線などの移動平均線が集まっており、当面は2万7,000円前後が上値のフシになるとし、その下のレンジとしては、2万5,700~2万6,700円の中で2万6,000円の値固めができるかどうかとしました。

 結果的には、週始めの2日間で2万7,062円まで上昇して目標達成となり、その後は米株式の景気後退懸念から日経平均も下値を探る展開となり、週末の7月1日(金)には、2万6,000円を切る動きとなりました。

 週始めの2日間の上昇(6月27日の+379円、28日の+178円)は、前週末の米国市場の大幅上昇を受けて連動した結果で、28日(火)には、上値のフシとした2万7,000円を少し超える2万7,062円まで上昇しました。

 しかし、その後の米国株式は景気後退懸念が高まって軟調な動きとなったことで、日経平均も戻り売りとなって大きく3日続落となり、2万6,000円を割り込みました。

 6月27日(月)は、前週末のNYダウの+823ドルの3万1,500ドルを受け、+379円の2万6,871円の上昇となり、2週間ぶりに75日移動平均線を上回りました。

 28日(火)は、前日の米株式は3指標そろって反落となったことで、日経平均は▲75円の2万6,795円で寄り付き、前場は+139円の2万7,010円まで上昇しましたが、前引けは▲40円の2万6,830円で引けました。

 後場になるとプラス・マイナスのもみあいとなっていましたが、大引け間際に+191円の2万7,062円まで上昇し、終値は+178円の2万7,049円となり、これが当面の高値となりました。

 その後のNYダウは、28日(火)は6月消費者信頼感指数が予想を下回り、▲491ドルの3万946ドルと続落し、29日(水)は+82ドルと小反発するも、30日(木)は、5月個人消費支出やシカゴ購買部協会景気指数が予想を下回ったことで、景気後退懸念が高まり、一時▲597ドルまで下げて終値は▲253ドルの3万775ドルとなりました。

 このような米国株の動きに、日経平均は底堅い動きとなるという見方が多かったのですが、そうはなりませんでした。

 まず、29日(水)は、一時▲362円の2万6,687円まで下げ、終値は▲244円の2万6,804円、30日(木)は、中国の6月製造業PMI(製造業購買担当者景気指数)が予想を下回ったこともあり、一時▲480円の2万6,324円まで下げ、終値は▲411円の2万6,392円となりました。

 そして週末の7月1日(金)は、前日の米国市場で3指標そろって大幅下落となったことで、一時▲551円の2万5,841円まで下げ、終値は▲457円の2万5,935円と2万6,000円割れとなりました。

 この下げは週末要因ということもありますが、時間外の米株先物が大きく下げたことで、持ち高調整の売りが広がったといえます。と同時に景気後退への懸念は根強く投資家心理が相当弱くなっているといえます。

 週末の米国市場は、6月ISM景気指数(PMI)が予想以上に悪化し、10年債利回りが低下したことや、3連休を控えて買い戻しの動きが強まったことで米株は反発しました。

 NYダウは朝方▲287ドルまで下落後、終盤には上昇し+321ドルと反発して引けました。

 シカゴの日経先物は+480円の2万6,310円でした。