今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは136.65

下値メドは132.20

FOMC:今週0.75ポイントの可能性も。9月0.5ポイント利上げ確率も急上昇
新型コロナ:米国で大麻の宅配が認可される
雇用統計:ブレイナード副議長「労働参加率が伸びないという現実を受け入れる必要がある」
中国:コロナ後の世界の需要は平常化へ。輸出増による中国経済拡大は期待できない
エネルギー:原発は欧州のエネルギー問題を解決しない。ロシアが世界のウランの30%を供給
エネルギー:NZ政府がエネルギー対策として公共交通機関の運賃を半額に
原油:2007年には原油輸入大国だった米国は、今では輸入はほぼゼロ、ネット輸出国へ
ECB:ウクライナ戦争で欧州が景気後退になれば、量的緩和継続も

 6月13日(月曜)、ドル/円は、20年来の高値更新後に急落するが、ほぼ戻して終了。
24時間のレンジは133.59円から135.19円。値幅は1.60円。

 2022年の116営業日目は134.40円からスタート。東京時間昼過ぎに2002年1月の高値に並ぶ135.19まで円の安値を更新したが、黒田日銀総裁の発言を受け急落、夜遅くには133.59円まで下げた。ただその後は米金利上昇と共に急ピッチで戻し終値は134.45円(前日比+0.09円)。

 週明けの金融市場からは楽観ムードが消え、FX、金利、株式市場が不安定になっている。きっかけになったのは、先週金曜日に発表された米国のCPI(消費者物価指数)だ。5月のCPIは前年比8.6%と、40年ぶりの水準まで上昇し、伸び率も過去30年で4番目の大きさとなった。

 インフレ率がさらに9%さえ超えるとの見方もあり、リスクオンを支えていた米インフレ一服の期待は雲散霧消し、かわりにFRB(米連邦準備制度理事会)の大幅利上げに対する警戒感が急上昇している。今週のFOMC(米連邦公開市場委員会)での0.5ポイント利上げはすでにコンセンサスだが、0.75ポイントもありえるとの見方が広がっている。

 黒田日銀は、最近の急速な円安の進行は「先行きの不確実性を高め、経済にマイナスで望ましくない」と発言した。しかし、円安が望ましくないのか、それとも急速な円安が望ましくないのか曖昧だ。そもそも、どこからが「最近」なのか。

 この動きは円安である以上にドル高で、その背景はFRBの利上げを意識した日米金利差の急拡大にある。したがって、もし円安を問題と考えるのなら、現行の緩和政策を修正するしかない。しかし黒田日銀はこの日「金融緩和を粘り強く続けて経済をしっかりサポートしていく必要がある」と強調した。岸田首相は「日本の物価は低い」との見解を示した。つまり政府日銀に本気で円安を是正する気持ちはないのだろう。

 この日のドル/円は、2002年1月31日の高値135.20円に並んで止まった。この上は、24年前の1998年の高値147.63円まで大きいレベルはない。マーケットは135.20円を短期的メドとして捉え、慎重になっている。この水準を超えてそれでも日銀が動かなければ、円安が一段と加速する可能性がある。

 ただ、FRBの大幅な利上げで米国の景気後退リスクが強まった結果、株式市場が本格的な調整に入れば、「リスクオフの円高」でドル/円が急落することもありえる。

レジスタンスは、
135.19円(06/13)
135.20円(2002.01.31)
147.63円(1998)


サポートは、
133.59円(06/13)
133.36円(06/10)
133.17円(06/09)

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成
出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

その仕事をすることによって、本が1冊かけるくらいでないと、その仕事に対しての悩み方は足りないということです

A World Without Love

 米国のインフレ率は上昇が止まらず、9%を超える可能性がある。FRBは利上げが「半年遅かった」と批判された。その遅れを取り戻すためにFRBが急ピッチで利上げを続けると、今度は米国が景気後退に陥るリスクが高まる。米国経済が景気後退にならずに済んでいるのは、労働市場が強さを保っているからだといわれている。

 BLS(米国労働統計局)が6月3日に発表した5月の雇用統計では、NFP(非農業部門雇用者数)は、事前予想の31.0万人増を上回る、39.0万人の増加となった。前月分も42.8万人から43.6万人に上方修正された。雇用の伸びは広範囲に及び、特にレジャー・サービス業、製造業、運輸、倉庫業が好調だった。

 2022年1月からの雇用者の増加数は248.5万人で、月平均で49.7万人増加している。平均労働賃金は、前月比+0.3%で、1年前に比べて+5.2%上昇。

 失業率は3.6%で横ばい。コロナ流行後の2020年4月に14.7%まで悪化した失業率は、今では2019年9月に記録した過去最低水準の3.5%の目前に迫っています。

 全体として5月の雇用統計結果は、「良好な結果」だった。非農業部門雇用者数は39.0万人増え、FRBの金融引き締め開始後も堅調なペースを維持しています。その一方で、平均労働賃金は事前予想(0.4%増)を下回る0.3%増にとどまり。インフレ率の上昇要因とされる労働コストの暴走はない。マーケットの予想は別として、FRBは今以上に大幅な利上げをする必要ないと考えているだろう。

今週の 注目経済指標

出所:楽天証券作成

今日の注目通貨:ドル/円

今週の予想レンジ ↑137.56円 ↓129.30円

 今週のドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は129.86円。
129.86円より上ならばドル買い優勢、129.86円より下ならばドル売り優勢。

139.14円    : 第4レジスタンス(HBO)    

137.56円    : 第3レジスタンス    

135.98円    : 第2レジスタンス    

135.49円    : 第1レジスタンス    

135.19円    :     2022年 高値

133.43円 : ピボット

131.92円    :     06月 平均値

131.36円    : 第1サポート        

130.87円    : 第2サポート        

129.30円    : 第3サポート        

128.65円    :     06月 安値

127.72円    : 第4サポート(LBO)    

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成