今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは136.05円
↓下値メドは132.20円
利上げ:中央銀行の引き締め政策が、徐々に経済活動を低下させていく
ECB:ECBのマイナス金利でユーロ圏の銀行収益は悪化した
ECB:ドイツ連銀総裁「低インフレに戻ることはないだろう」
ユーロ:スペインのインフレ率9.8%に上昇。成長鈍化と高インフレが同時発生
ドイツ:政府がガス供給不足警報を発令。燃料節約を消費者と企業に求める
BOE:インフレは海外からやって来る。海外の事情を利上げで管理することはできない
インフレ:素材価格の上昇でEV車の生産コストは1台30万円値上がり。消費者に転嫁
南アランド:過去60年間で最悪の洪水。世界の供給網にも影響
6月9日(木曜)のドル/円は、5営業日連続「円安」。
24時間のレンジは133.17円から134.56円。値幅は1.38円。
2022年の114営業日目は134.16円からスタート。円安の勢いを引き継いで東京時間朝に134.56円まで上昇したが、ようやく売りも出てきて昼に134円を割るまで押し戻されると、夜の初め頃には133.17円まで下げた。
6月に入ってから一気に6.0円以上も円安に動いてきたこともあり、少しは調整が入るかとの期待もあったが、円安ファンダメンタルズは変わらない。その後はきっちり戻して終値は134.37円(前日比+0.12円)。
レジスタンスは、
134.56円(06/09)
135.00円(2002.02)
135.20円(2002.01.31)
サポートは、
133.17円(06/09)
132.56円(06/08)
131.84円(06/07)
来週、さらに円安に動くか、それとも円高に戻るのか。そのカギを握るのが、今夜発表される5月の米CPI(消費者物価指数)だ。
FRB(米連邦準備制度理事会)の政策は、経済成長よりもインフレ対策を優先している。つまり、経済指標としてはCPIの方が雇用統計よりもはるかに重要なのだ。
市場予想では、5月は前月比+0.7%(前回+0.3%)、前年比は8.3%で横ばい。一方、コア指数は前月比+0.5%(前回+0.5%)となっている。一時期のような急上昇は収まりつつあるようだが、まだピークアウトする兆候が見えない。むしろ、インフレ高止まりの懸念がぬぐえずFRBが利上げをさらに強める可能性がある。
2022年末のFF金利をブラード・セントルイス連銀総裁が3.5%と予想したときは、あまり本気にしなかったマーケットだが、今では市場予想はこの方向に近づいている。3.5%というのは、FOMC(米連邦公開市場委員会)が今年全ての会合で毎回0.5ポイント利上げがあることを意味する。
しかし、CPIは前哨戦で、本番は来週のFOMC(米連邦公開市場委員会)だ。今夜のCPIで、米インフレ高止まりを確認することになれば、マーケットは今以上の利上げを織り込み、金利差拡大を背景にドル/円は135円、さらには140円を目指して円安が進む展開になるだろう。
逆に、インフレ率の下げ止まりを確認する内容であれば、FRBの利上げペースは穏やかになるとマーケットは警戒感を緩め、ドル/円は円高方向の調整が期待できる。
しかし安心はできない。FOMCの後、来週6月17日には日銀会合がある。黒田日銀は、大規模緩和継続の必要性を訴えることになるから、円高の動きはあっても長続きしない可能性がある。
主要指標 終値
今日の為替ウォーキング
今日の一言
天才は、誰もが見ているものを見て、誰も考えたことのないことを考える
Can't Give You Anything (But My Love)
世界中でインフレが急上昇している。インフレ率の前年比というのは、1年前と比較して、今日の物価がどれだけ上がったか(あるいは下がったか)という意味だ。今日の物価の比較対象は、新型コロナによる移動制限が課されていた時期である。つまり、ロックダウン経済とほとんど通常に戻った経済とを比較しているわけだ。ロックダウン経済時の物価は異常に低かったり、商品によっては推測で計算されていたりして、実際と大きくかい離していたものが多い。インフレ率が急上昇するように見えるのは、当然といえば当然なのだ。
主要先進国の統計機関では、CPI(消費者物価指数)のバスケット(消費者が購入する代表的な財・サービスの組み合わせ)を固定し、このバスケットに含まれる財・サービスの購入に必要な価格の変化を計測することで指数を作成している(ラスパイレス指数型物価指数)。
消費者物価指数のバスケットは、過去の消費習慣を元に作成される。通常、消費習慣というのは、それほど変化しないので、不都合が起きることはなかった。しかし、新型コロナ感染流行とエネルギー価格ショックによって、人々の消費パターンは劇的に変化した。
例えば、食料品が大幅に値上がりしても、消費者がディスカウント・スーパーマーケットで買うならば、CPIの数字が示すほどには実際は家計に影響しない。あるいは節約のためにディスカウントショップに行ったり、シャンプーをブランド品ではなくPB(プライベートブランド)に切り替えたりすれば、消費者の支出は減る。しかし、消費者物価指数ではそれが起きていることを認識できない。
このように消費者物価指数で示される数字と実体経済の差は大きくなっている。物価は明らかに上昇しているが、インフレ率が示すほどには、消費力は弱まっていないのかもしれない。
今週の 注目経済指標
今日の注目通貨:ドル/円:予想レンジ ↑136.03円 ↓132.20円
136.03円 : 第4レジスタンス(HBO)
135.50円 : 第3レジスタンス
134.97円 : 第2レジスタンス
134.81円 : 第1レジスタンス
134.56円 : 2022年 高値
134.12円 : ピボット
133.43円 : 第1サポート
133.26円 : 第2サポート
132.73円 : 第3サポート
132.20円 : 第4サポート(LBO)
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