今週の予想

今週はメジャーSQにCPIを控え、様子見の局面

 先週は、米国株式が上下動しながらもリバウンドの流れが継続し、再進行した円安に支えられて日経平均は2万7,000円台を回復し、一時2万7,500円を前に一服となりましたが、週末は米国株の上昇に合わせて2万7,776円まで上昇し、終値は2万7,761円で引けました。

 これにより昨年9月14日の3万795円の高値からの下降ライン(A)(日経平均のチャート参照)を上にぬけてきました。

 この流れの中で、週足での52週線(現在2万8,020円近辺)をぬくことができれば今年の3月25日の高値2万8,338円を試すことになります。

 その前に、今週は日本では10日(金)にメジャーSQ(特別清算指数)の算出を控え、米国ではこの日に5月CPI(消費者物価指数)の発表があり、様子見の局面が想定されます。 

 また、日経平均は2万7,500円前後にある累積出来高が多い価格帯に突入しており、先週はFRB(米連邦準備制度理事会)の金融引き締めに対する懸念をいったん織り込んだ海外勢がショートカバー(買い戻し)で株価を押し上げた側面もあり、ここで個人の戻り売りをこなしていると思われますが、これがこのまま続いて指数の水準を切り上げていけるかどうかみる必要があります。

 注意すべきは、依然として強い原油先物・現物を踏まえると、FRBが一段と強い引き締めを継続する可能性もあります。

 目先では、日米ともに5月の安値で底打ちし、リバウンド局面に入っています。週足チャートの下げ基調を好転させるには52週移動平均線(2万8,020円近辺)を突破しなければならず、日経平均は、あとわずかまで接近してきていますが、今週は様子見となる可能性があります。

 

今週の指標:日経平均株価

 今週は、米国では10日に5月消費者物価指数の発表、国内ではメジャーSQの算出があり、様子見ムードとなりそうです。レンジとしては2万7,000~2万8,000円となります。

 週足で52週移動平均線(2万8,020円近辺)を突破すれば、まず、3月25日の2万8,338円を試す動きとなります。

先週の動き

 先週は、米国株式のリバウンドに連動して日経平均も戻りを試すとし、4月21日の2万7,580円を目指すとしました。

 週始めの5月30日(月)に+587円の2万7,369円と2万7,000円の大台を突破したあと、5月31日~6月2日の3日間は2万7,250~2万7,482円と狭いレンジでもみあっていましたが、米国株の6月2日(木)の大幅上昇を受け、週末の3日(金)は+347円の2万7,761円と大幅反発となりました。

 これによって昨年9月14日の高値3万795円からの下降ライン(A)を上にぬけてきました。

今週の指標:NYダウ(ダウ工業株30種平均)

 今月は、中旬に控えるFOMC(米連邦公開市場委員会)を前に市場ではすでに0.5%の利上げを織り込んでおり、その後の動きのいくつかのパターンを想定し、様子見となって動きづらい展開となりそうです。

 市場はFRBによる積極的な利上げを警戒する一方、インフレがピークアウトしたとの期待も併せ持っておりインフレの加速が示されれば再び警戒感が高まります。

先週の動き

 5月30日(月)は休場。休場後は3指標そろって2日連続の反落。NYダウは7日ぶりの反落となりました。6月2日(木)はOPEC(石油輸出国機構)による原油の増産合意や5月ADP雇用統計が予想を下回ったことを受け、3指標そろって3日ぶりの大幅反発となりました。

 NYダウは+435ドルの3万3,248ドルでした。しかし3日(金)は強い雇用統計を受け、3指標そろって反落。NYダウは▲348ドルの3万2,899ドルで引けました。

 

今週の指標:ドル/円

 FRBは、金融正常化に向け、6月、7月と0.5%の追加利上げを計画しており、金利先高感を背景にドル買い・円売りが続く可能性が高いと思われます。

 ジョー・バイデン大統領とジェローム・パウエル議長との会談では、約40年ぶりの高水準のインフレを抑制する必要があるとしています。

 FRBの金利引き締めのスタンスは変わらないと思われドルは底堅い動きとなりそうです。

先週の動き

 先週は、経済指標が予想に反した結果になったことで、米利上げの継続の可能性が高まり、リスク選好的なドル買い・円売りが広がりました。3日のNY市場で、ドル/円は一時130.98円まで上昇し、130.86円で引けました。

先週の結果

先週は、2万7,000~2万7,500円で2日(木)までもみあうが、週末にもみあいを上放れる

 先週の予測では、基本的には米国株式のリバウンドにつれて日経平均もリバウンド相場入りとしました。

 そうなると日経平均は、目先の高値5月18日(水)2万7,053円、5月6日(金)の2万7,072円を突破して、4月21日の2万7,580円を試すことになるとしました。そのため、先週はレンジを2万7,000~2万7,600円としました。

 結果的に、米国株式は週始めの休場のあとの2日は続落し、6月2日(木)のNYダウは+435ドルの3万3,248ドルと戻りを試す動きとなり、日経平均はもみあいながらリバウンドに入りました。

 週始めの5月30日(月)は、前週末の米国株の大幅高を受けて+587円の2万7,369円まで上昇しました。その後、米国株が30日(月)の休場後、31日(火)から6月2日(木)の日経平均は、2万7,250~2万7,482円となり、2日(木)は2万7,413円で引けました。

 先週は、このまま2万7,000~2万7,500円のレンジで終了すると思われましたが、2日(木)の米国市場ではOPECが原油増産に合意したことで、原油高によるインフレ懸念がやや後退(現実は、増産量が期待はずれで原油価格はやや上昇)ADP雇用統計が予想を大きく下回ったことで過度な金融引き締めの警戒感も後退し、NYダウは+435ドル、ナスダック総合指数は+322P、S&Pは+75Pと3指標大幅上昇となりました。

 これを受けて週末3日(金)の日経平均の動きは、+246円の2万7,660円で寄り付き、+362円の2万7,776円まで上昇し、終値は+347円の2万7,761円と2カ月ぶりの高値水準で引けました。

 心理的なフシ目2万7,500円を超えて4月21日の2万7,580円も突破したことで、次は2万8,000円の大台を試すことになります。

 ただし2万7,500円を超えてきたものの、後場にファーストリテイリング銘柄で130円押し上げとなっており、一部の銘柄に偏った上昇がみられます。トピックスの動きが鈍く陰線なのは気になるところです。

 週末の米国株式は、注目の5月雇用統計の強い結果を受け、3指標そろって大幅反落となりました。非農業部門雇用者数が39万人増と市場予想の32.5万人を大きく上回る強い結果となり、平均賃金も前月に続いて高い伸び率を示したことで、FRBによる積極的な金融引き締めへの警戒感が再び高まりました。

 これを受けてNYダウは▲348ドルの3万2,899ドル、ナスダックは▲304Pの1万2,012P、S&Pは▲68Pの4,108Pとなりました。

 シカゴの日経先物は、為替が1ドル=130.80円の円安となったことで▲215円の2万7,575円と2万7,500円を守って引けました。