2022年1-3月の売上高は19%増、オンラインゲームの復調が寄与

現地コード 銘柄名
03888

金山軟件

(キングソフト)

株価 情報種類

24.85HKD
(5/25現在)

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 中国のオンラインゲーム・オフィスソフト大手、キングソフトの2022年1-3月期の売上高は前年同期比19%増の18億5,300万元と、BOCIの予想を7%上回った。主力ゲームの「剣網」(JX)シリーズのユーザー定着率の高さと課金収入の伸びで、オンラインゲーム収入が25%増加したことが背景。「剣網3縁起」(JX Online III Origin)のオープンベータの開始と海外での普及を理由に、BOCIは2022年のオンラインゲーム収入見通しを前年比18%増から24%増に上方修正した。一方、オフィスソフトウエア部門に関しては、短期的に都市封鎖などの新型コロナ対策による不透明感が残るが、長期的には「信創」(IT応用イノベーション:政府当局による国産技術の優先的調達システム)が主力ソフト「WPS」の収益押し上げに寄与すると予想。目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 1-3月期の売上高は前年同期比19%増、前四半期比2%増。営業利益率は27%と前四半期から9ポイント改善した。コスト管理の強化やゲーム収入構成の優良化が寄与。

 オフィスソフト部門の1-3月の売上高は前年同期比13%増の8億7,100万元。サブスクリプション業務が力強い伸びを示す半面、2B(企業向け)ライセンス販売が11%減収。BOCIは向こう数カ月にわたり、都市封鎖がオフィスソフトビジネスに影響すると予想しながらも、次のラウンドの「信創」関連支出が、2022-2025年の2Bライセンス販売を後押しするとみる。経営陣は現時点で、新型コロナが下期のオフィスソフトビジネスに深刻な影響をもたらすことはないとの見解。BOCIは2022年の部門収入見通しを据え置きながらも、コスト高を反映させ、予想粗利益率を小幅に下方修正した。

 オンラインゲーム収入は1-3月に、前年同期比25%増、前四半期比7%増の9億8,200万元。2021年末にリリースした「剣侠世界3」(JX World III)の国内外での好調で、経営陣が事前に示した見通しを上回った。BOCIは「剣網3縁起」のライセンス認可の取得と世界展開がゲーム収入の予想以上の上乗せにつながる可能性を指摘。2022年通期のゲーム収入見通しを5%増額修正し、前年比24%増を予想している。

 一方、同社取締役会は10億HKドル規模の新たな自社株買い計画を承認した。BOCIは2022年3月末に190億元という豊富な手元現金と現在株価の低バリュエーションに言及し、この計画が持ち株会社ディスカウントの縮小につながるとみている。

 BOCIはオフィスソフト、クラウド、ゲームの事業にそれぞれ2022年予想PSR(株価売上高倍率)16倍(修正前15倍)、1.2倍(同1.8倍)、6倍(同8倍)をあて、持ち株会社ディスカウント35%を適用。目標株価を引き上げた。レーティングの潜在リスクとして「剣網」シリーズへの過度の依存や短期的な「信創」関連需要の不透明感、コラボレーションソフトの競争激化、傘下企業の金山雲の米上場廃止リスクなどを挙げた。