今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは130.45

下値メドは127.85

円:日本は物価上昇が賃金に結びつかない異質な国
ウクライナ戦争:資源価格上昇で欧州はリセッション入りへ
ウクライナ戦争:イタリアはエネルギーの40%をロシアからの輸入に頼る
FRB:バランスシート縮小、 FRBもどこで止めるべきか明確な答えを持っていない 
インフレ:米国のインフレは意外と長続きしない可能性
アイスランド中銀:政策金利を1.00ポイント利上げして3.75%へ。追加利上げを示唆

 5月16日(月曜)、週明けのドル/円は、やや「円高」だった。
 24時間のレンジは128.69円から129.64円。値幅は0.94円。 

 2022年の96営業日目は139.35円からスタート。東京時間朝につけた129.64円が高値。130円台は2営業日連続で戻ることができなかった。

 中国では3月末から2カ月近く続くロックダウンの影響で、この日発表された4月の経済指標は大幅に悪化した。リスクオフに傾いたマーケットで円買いが強まり、129円を割ると昼前に128.69円まで下落。

 中国の上海市の都市封鎖が6月に解除見通しとのニュースが伝わったこともあり、その後は129円台に戻す。しかし米国では、NY連銀による景況感指数が大幅に悪化し、景気後退リスクが徐々に高まっていることもありドル/円の上値は重く、終値は129.11円(前日比▲0.15円)。

 レジスタンスは、129.64円(5/16)、130.00円(200時間移動平均)、130.05円(5/12)
 サポートは、128.69円(5/16)、128.32円(5/13)、127.58円(5/12)

 5月16日のユーロ/円はやや「ユーロ高」。24時間のレンジは133.75円から135.05円。 
この日は134.48円からスタートして、東京時間昼過ぎに133.75円まで下げて安値をつける。その後は比較的大きく反発して、134円台を通り抜けて夜遅くに135.05円まで上昇。終値は134.72円(前日比+0.18円)。

 レジスタンスは、135.05円(5/16)、136.74円(5/12)
 サポートは、 133.75円(5/16)、133.13円(5/13)

 16日ユーロ/ドルは「ユーロ高」。24時間のレンジは1.0389ドルから1.0443ドル。 
東京時間昼過ぎに1.0389ドルまで下げて安値をつけるが、下値は固い。2017年来の安値である1.0340ドル近辺に買いが集まっている模様。

 1.0340ドルを抜けた場合、ユーロ/ドルは20年ぶりの安値圏に突入するが、この日はECB(欧州中央銀行)理事でフランス中銀総裁のビルロワ氏が「ユーロ安警戒」発言をしたこともあって、明け方には1.0443ドルまで戻した。終値は1.0435ドル(前日比+0.0026ドル)。

 レジスタンスは、1.0443ドル(5/16)、1.0502ドル(200時間移動平均)
 サポートは、1.0389ドル(5/16)、1.0349ドル(5/13)

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成
出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

感情をそのままマーケットに持ち込んでしまうと必ず負ける

Forever Young

 世界中でインフレが急上昇している。前年比インフレ率というのは、 1年前と比較して、今日の物価がどれだけ上がったか(あるいは下がったか)という意味だ。今の物価と比較しているのは世界の多くの地域が新型コロナによる移動制限が課されていた時期である。つまり、1年前のロックダウン経済と、今のアフターコロナ経済を比較しているのだから、インフレ率が急上昇するように見えるのは当然なのだ。

 主要先進国の統計機関では、CPI(消費者物価指数)のバスケット(消費者が購入する代表的な財・サービスの組み合わせ)を固定し、このバスケットに含まれる財・サービスの購入に必要な価格の変化を計測することで指数を作成している。

 人々の消費習慣というのは、これまでそれほど変化しなかったから問題が起きることはなかった。しかし、新型コロナ感染流行とエネルギー価格ショックによって、人々の消費パターンは劇的に変化してしまった。その分、CPIと実体経済のかい離も大きくなっている。

 食料品が大幅に値上がりしても、消費者がディスカウント・スーパーマーケットで買うならば、CPIの数字が示すほどには実際は家計に影響しない。あるいは節約のためにディスカウントショップに行ったり、シャンプーをブランド品ではなくPB(プライベートブランド)に切り替えたりすれば、消費者の支出は減る。しかし、消費者物価指数ではそれが起きていることを認識できない。欧州の消費者物価指数では、人々はまだ経済がロックダウンしていると仮定しているから、外食などサービス部門の支出が過小評価されている。

 物価は明らかに上昇しているが、インフレ率が示すほどには、消費力は弱まっていないのかもしれない。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成

今日の注目通貨:ドル/円

今週の予想レンジ ↑133.18円 ↓125.51円

 今週のドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は129.34円。
129.34円より上ならばドル買い優勢、129.34円より下ならばドル売り優勢。

 2022年現時点の高値は131.35円、安値は113.47円。平均値は122.41円。
1日の最大値幅は3.08円、平均値幅は0.99円。
2022年の値幅は17.88円。
2021年の終値(115.09円)に比べて14.17円の円安。

134.65円    :     第4レジスタンス(HBO)

133.18円     :     第3レジスタンス
133.15円    :     2002年 04月 高値

132.40円    :    2002年 04月 高値 (2002.04.15)

131.71円    :     第2レジスタンス
131.35円    :     2022年 高値
131.26円    :     第1レジスタンス

129.88円    :     05月 61.8%
129.43円    :     05月 平均値

129.34円 : ピボット

128.97円    :     05月 38.2%

127.51円    :     05月 安値
127.42円    :     第1サポート

126.97円    :     第2サポート

125.51円    :     第3サポート

124.04円    :     第4サポート(LBO)

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成