今週の予想
今週は、基本はNYダウ、ナスダックの底打ちの確認が必要
先週末は、円安と時間外の米株先物の上昇、さらに米長期金利の一服を受けて、買い戻しを中心に買いがグロース株(成長株)に入り、+678円の2万6,427円と大きく上昇しました。
しかし、目先想定していた2万6,500~2万7,500円のレンジを大きく切って下げたため、レンジの下限に接近しただけで終わりました。
下降トレンドを脱するには至っておらず、まずは4月21日の2万7,580円を上にぬける必要があります。本格的な戻りに入るには3月25日の2万8,338円を突破する必要がありますが、戻り一服からのもう一段の調整の可能性にも注意が必要です。
ただし、東証全体のカラ売り比率は高く推移しており、いったん下げてもカラ売りの買い戻しで株価を押し上げる可能性がありますが、それで終わると3月9日の2万4,681円に対する2番底を探る展開ということになります。どこまで下げるかは米国株次第となります。米国株のチャートは、調整入りを鮮明にしています。
NYダウは高値から15.5%、ナスダックは31.5%下落しており、テクニカル的には、いったん底打ちしてもおかしくないところです。
日本株の上昇のカギは米国株が握っていますので、今は2段下げに突入している米株式(特にNYダウとナスダック)の底打ち反転を待つのが基本となります。少なくとも日経平均は25日移動平均線を突破するのを確認することがポイントです。
今週の指標:日経平均株価
チャートをみると、3月9日の2万4,681円を安値に3月25日の2万8,338円の戻り高値からの下落となっており、12日に2万5,688円まで下げて反発しました。
目先は4月21日の2万7,580円ですが、ここまで戻らず再下落となれば、3月9日の2万4,681円に対する2番底を試す可能性があります。その場合は、2万5,000~2万5,500円水準となりそうです。
先週の動き
先々週は、ゴールデンウイークで5月2日(月)6日(金)のみの営業で、前週末4月29日(金)の米国市場で3指標の急落を受け、シカゴ日経先物が▲140円の2万6,730円となっていたことで、2日間の営業日のため2万6,500~2万7,500円のレンジを想定しました。
結果的は、FRB(米連邦準備制度理事会)の強い金融引き締めへの懸念を背景にインフレへの不透明感、米株式が安値更新する動きとなっていたことで、日経平均は想定レンジの下限2万6,500円を大きく下回る2万5,688円まで下げて週の終値は2万6,427円で引けました。
今週の指標:NYダウ(ダウ工業株30種平均)
先週は、FRBによる積極的な金融引き締めへの警戒が続く中、9日(月)は10年債利回りが一時3.20%まで上昇し、3指標そろって大幅続落となり、NYダウは3日続落、S&Pは1年2カ月ぶりの安値となりました。
10日(火)は、NYダウは▲84ドルと4日続落で高安マチマチ。11日(水)は、強い消費者物価指数を受け、3指標そろって大幅下落し、NYダウは▲326ドルと5日続落となりました。
12日(木)は、高安マチマチながらNYダウは▲103ドルと6日続落し、週末の13日(金)は、ジェローム・パウエル議長が予定通りの利上げができない可能性に言及したことで、積極的な金融引き締めに対する警戒感が後退し+466ドルの3万2,196ドルと7日ぶりの大幅上昇となりました。
今週は、発表が予定されている小売売上高や小売企業の決算などをきっかけに、いったん反発に転じるかどうか注目となります。来年は景気後退するとの見方からリスク資産を減らす動きが売り圧力となってNYダウは4日続落となり、週末は大きく反発しましたが、これが続くかどうかとなります。
そろそろ落ち着くところですが、相場を支えてきたFRBの過剰な流動性がなくなることは、方向感を探る展開へとなりそうです。
今週の指標:ドル/円
先週は、ドルは目先のピークとなって一服しましたが、FRBは政策金利の引き上げを通して金融正常化を進めていくことから、ドル買いは継続することになります。
今週、発表される5月NY連銀製造業景気指数、4月小売売上高などが市場予想を上回れば長期金利は底堅く推移することになりドルは下げ渋ることになります。
先週の動き
先週は、週始めの9日(月)は、FRBによる積極的な金融引き締めによる警戒感が続く中、10年債利回りが一時3.2%まで上昇したことで、一時、ドルも131.34円まで買われましたが、ナスダックが大きく売られ、NYダウも▲653ドルの3万2,245ドルと3日続落となりました。
ここで為替も一服となって130円をはさんだもみあいとなっていましたが、12日(木)には10年債利回りが低下し、ドルも128.3円まで下げましたが、週の終値は買い戻され129.28円でした。
先週の結果
先週は、ロシア問題、米国株の軟調さを受けて2万6,427円で引ける
先週の予測では、ゴールデンウイーク中に、FOMC(米連邦公開市場委員会)の結果を受けて米国市場は乱高下となったものの、週末6日(金)の日本市場は、前場こそ一時2万6,543円まで下げましたが、後場には+254円の2万7,072円まで上昇して、終値は+185円の2万7,003円と堅調な動きとなって2万7,000円台を回復して引けました。
ロシア問題もあり、世界的景気の先行き不透明さの中で、日本株は一定の底堅さをみせたことで、日経平均の予測を2万7,000円をはさんだ±500円としました。
ただし、9日(月)は、ロシアの戦勝記念日を迎えてウラジーミル・プーチン政権の出方によっては再び波乱相場のリスクも意識されるとしました。また、日米のチャートは連動しており、米国株式はまだ底値を確認しておらず、日本株式の上昇は当面おあずけとなるとしました。
日経平均は、昨年9月の高値3万795円からの調整で6カ月後の3月9日に2万4,681円まで下げて戻りに転じましたが、3月25日の2万8,338円を戻り高値にして軟調な展開が続いており、ここをぬけない限り、好転相場にならないとしました。
そこでは、目先は2万6,500~2万7,500円のレンジを想定しましたが、結果的にはこのレンジの下限2万6,500円を9日(月)に一気で割れて、2万6,309円まで下げ、さらに12日(木)には2万5,688円まで下げましたが、週末の13日(金)は円安を受け、一時+731円の2万6,479円まで大幅反発し、引け値は+678円の2万6,427円となりました。
先週のオプションSQ値は2万5,951円でした。
結果的には、チャートの形はまだ確定とはいえませんが、3月9日の2万4,681円に対する2番底をさぐる動きとなっています。
先週の5月9日(月)は、ロシアの戦勝記念日と原油の1バレル=110ドルを嫌気し、▲684円の2万6,319円と2カ月ぶりの安値水準となりました。
10日(火)は、前日のNYダウが▲653ドルやS&Pの1年2カ月ぶりの安値を受け、日経平均は一時▲545円の2万5,773円まで下げましたが、その後、下げ幅を縮小し、終値は▲152円の2万6,167円でした。
11日(水)は、前日の米国でNYダウは4日続落でしたが、S&Pとナスダックが反発したことで、日経平均は+123円の2万6,290円まで上昇し、+46円の2万6,213円で引けました。この日の引け後の米国株式は4月消費者物価指数が市場予想を上回ったことで、3指標そろって大幅下落となりました。
これを受けて12日(木)の日経平均は、一時▲525円の2万5,688円と大幅下落となりましたが、終値では▲464円の2万5,748円でした。
週末の13日(金)は、これまでの大幅下落と円安への反動から一時+731円の2万6,479円まで上昇し、終値は+678円の2万6,427円でした。
週末13日(金)の米国市場は、パウエル議長が予定通りの利上げができない可能性に言及したことで、積極的な金融引き締めに対する警戒感が後退し、3指標は大幅高となりました。
NYダウは+466ドルと7日ぶりの反発、ナスダックは+434P、S&Pは+93Pと6日ぶりの反発となりました。シカゴ日経先物は+285円の2万6,675円でした。
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