▼著者

杉浦美結
ブルクアセット

大学卒業後、証券会社で500人以上のお客様へ資産コンサルティングを経験するも結婚を機に退社、専業主婦へ。前職の経験を生かした家計簿のブログを立ち上げ、1万PV達成。もっと身近な相談相手でありたい思いから現在浜松を中心にIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)兼FPとして活動中。自分で実践して得たことをお客様にお伝えする実践型のFP。

 お買い物に行って、「あれ?先月より値上げしている?」と思う回数が増えた気がする筆者です。テレビでもたびたび取り上げられている通り、じわりじわりと物価上昇の波が来ているようです。毎月の手取りは変わらない中、必要不可欠なものが値上がりしているのを感じるのは悲しいものですね。今回は食品の値上げとその対策について解説します。

どんなものが値上がりしている?

 一般消費者の方へのアンケートでは、食用油や小麦粉と回答する方が多く見られました。実際に小売物価統計調査で確認してみると、確かに小麦粉は前年同期比15%ほど、食物油は33%上昇しており、その肌感覚は正しいようです。

 その他値上がりしている食品をピックアップすると、まぐろ、ぶり、あさりなどは2~3割程度上昇、オレンジやたまねぎなどは2~4割程度の継続的な値上がり傾向がみられました。

 なぜ今、食品の値段が上がっているのでしょうか。その原因は天候不良による不作はもちろん、コロナによる経済の停滞からの回復や、ウクライナ・ショックの影響が考えられます。

 具体的に食用油でいうと原料である菜種や大豆の不作に対し、中国が豚の飼料用に大豆の輸入を増やしていることやバイオ燃料の促進が現在の高騰につながっています。 小麦についても中国の飼料の影響や、また運送費用の高止まりも価格高騰に影響しているようです。

 今後の要因としてはウクライナ・ショックの余波です。

 ウクライナとロシアは小麦輸出量の3割を占めている穀物の生産地です。日本の輸入小麦はアメリカが大半を占めているので、足元で急激な影響が出ているわけではありませんが、この2カ国から輸入していた国がほかの地域から輸入するような動きが加速すれば、日本への影響は避けられません。一説では今年の10月からウクライナ・ショックの影響を日本も受けるとの見方もあります。

 電気代に続いて、生活に必須な食品の値段も世界情勢によって左右されるのですね。

食費を抑える7つの節約術

 物価は上がる一方ですが、家計の支出はというと、2人以上の世帯の食糧支出は2019年のコロナ前から変わっていない(むしろ微減)という統計が出ています。つまり、大方の人は物価上昇の中でも予算を変えずに節約で対応しているようです。

 予算は変えられない中でも我慢した食生活は送りたくないですよね。今日は工夫をすることで我慢せずに食費を抑える7つの節約術をご提案します。

1. 1週間の献立を先に立て、それに沿ってまとめ買いをする

 買い物にいくと、どうしても欲しいものが目につきます。買い物は1週間で1~2度までに抑えましょう。また、献立を先に立てておくことで「なにをどれだけ購入すればいいか」がわかり、買いすぎを防ぐことができます。

2. 旬のものや安売りをうまく利用する

 1をやったうえでやっていただきたいのがこの2です。例えばほうれん草のソテーを予定していたが高かった場合、律儀に献立を守るのではなく安売りの茄子を使った煮びたしに変更、と臨機応変に対応することでより食費を抑えることができます。

3. 冷凍保存を活用する

 安売りしているものを大量に買ったのはいいものの、使い切る前に腐らせてしまった、なんて経験は多いと思います。冷凍保存をうまく活用しましょう。キャベツやトマト、ほうれん草など一般的な野菜はすべて冷凍保存可能です。野菜に限らずお肉も活用できます。味付けをして冷凍すると時短にもなります。

4. よくつかう調味料は消費できる範囲で大容量のものを購入する

 しょうゆやみそ、各家庭どの調味料を主に使うかは違うかと思いますが、よく使う調味料は大容量のものを選びましょう。筆者の家ではお好みソースをよく使うのですが、通常500g300円台なのにたいして、2.1㎏は750円程度なので大容量のものをよく購入しています。

5. 疲れた時でもご飯は炊く

 疲れるとどうしても外食やお弁当になってしまいますが、「ご飯を用意しておかずは総菜」にするだけでも大きく節約になります。楽しみのための外食は継続するべきですが、疲労による外食は減らせるようぜひ「とりあえずご飯を炊く」習慣をつけてみてください。

6. 調味料はローリングストックする

 調味料がなくなるタイミングで次のものを購入すると、たまたま安売りしていない限り定価での購入になってしまいます。常に在庫は1つある状態をキープし、その在庫の封を切った瞬間から安い時に在庫を用意する、というルールにしておくと常に在庫を安い価格で仕入れることができ、また在庫がありすぎるということも防げます。

7. 株主優待を活用する

 優待食事券があれば気兼ねなく外食を楽しめますし、スーパーの優待では割引で購入することもできます。うまく活用できれば、株主優待も立派な節約の味方です。

 以上、7つの節約術を紹介しましたが、あくまで参考程度です。

 どんな節約術も継続できなければ意味はありません。どういった節約が合うかは人それぞれなので、自分にあった節約方法を模索して、楽しめる範囲内でやってみてください。

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