今週のレポートは、第193回「豪ドル/円のトレードアイデア」の続きである。今回は豪ドル/円相場で注目される支持・抵抗帯を紹介しておこう(豪ドル/円のトレードに関しては、ブログ『日々の泡』にも取り上げているので、そちらも参照されたい)。
まずは、「移動平均リボン」である。移動平均リボンは「概ね1~3カ月の市場参加者のコスト」を意味する。従って、移動平均リボンは相場の支持・抵抗帯として注目されている。6月22日現在は、85円75銭から上のチャートの黄色い部分が抵抗帯となっている。
豪ドル/円(日足)と移動平均リボン(1~3カ月間の市場参加者のコスト)
黄色の部分が6月23日現在の抵抗帯(85.75~86.70円)
移動平均リボンを作るのは簡単である。チャートに2本の移動平均線を引けばよい。パラメータは20日と55日である。
豪ドル/円(日足) 移動平均リボンの作り方
20日移動平均線と55日移動平均線を表示すればよい
移動平均リボンと同様の支持・抵抗帯として人気があるのは、「13日と21日の移動平均バンド」である。このような支持・抵抗帯(バンド)として日本で人気があるのは、一目均衡表の<雲>であるが、筆者の周辺にいるトレーダーの注目度はこちらのほうが高い。
豪ドル/円相場は5月以降、このバンドをNY終値で超えることが出来ない。直近の相場では13日移動平均線が抵抗となっている。
豪ドル/円(日足) 13-21日移動平均バンド
ユーロ/ドル(日足) 13-21日移動平均バンド
ここ1年間位の豪ドル/円相場で、ファンド筋が押し目買いポイントとして注目しているのは、21日ボリンジャーバンドの-2~-3σである。この水準で盲目的に買ってストップ・ロス注文を置くか、標準偏差ボラティリティやATRのレベルが高い時は取引をしないというのがトレードの肝である。手仕舞いポイントは儲かった時であり、決まり事は特にない。
直近の相場で上値抵抗となっているのは、21日ボリンジャーバンドの-1σから21日移動平均線である。このあたりのレンジ感に関しては、相場の値幅(ATR)を観測しながら柔軟に対処したい。今のところ20日ATRはまだ低下傾向にある。ATRが上昇傾向となるまでは、21日ボリンジャーバンドを使った押し目買い戦略を続けたい。
豪ドル/円(日足) 20日ATRは低下傾向が続いており、押し目買いがワークしている
上段:21日移動平均線(茶)+21日ボリンジャーバンド1(緑)・2(青)・3(赤)σ
下段:20日ATR(青)・オプションボラティリティ(赤)
ドル/円(日足)
豪ドル/円と同じく20日ATRが低下傾向にあるが、値幅が小さすぎて儲からない…
豪ドル/円(日足)と9日RSI 現在、割高感はない
豪ドル/円の方向性はNYダウと強い相関があり、現在のような過剰流動性相場における豪ドル/円相場の方向性は、NY株高=豪ドル高・NY株安=豪ドル安となる。NYダウが下げ基調の時は、豪ドル/円の上値は重くなる(手仕舞いは欲張っても報われない)。豪ドル/円取引においてはNYダウのトレンドをしっかり把握したい。
豪ドル/円(上)NYダウ(下)の日足 2011年1月~2011年6月
5%以上の価格変動ライン(赤)
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