皆さま、こんにちは。寒い冬がようやく終わり、東京では桜満開の春を迎えました。

 コロナ対策をしながら、これからは春の日差しが心地よい毎日を過ごしていきたいと思います!

FOMC後に持ち直しつつある米国株式市場!

<直近3カ月のS&P500指数の推移>

出所:楽天証券ウェブサイトより

 3月上旬の米国株式相場は、ロシア・ウクライナ紛争を背景にした原油高が経済に与える悪影響が強く意識され、米国主要3指数がそろって4日続落の展開となりました。米国政府がロシア産エネルギーの禁輸を発表したことや、英国やEU(欧州連合)が徐々に輸入量を減らすことなどが原油高を招きました。

 しかし、3月中旬に入ってから、両国の停戦合意への期待や、原油をはじめとした商品先物相場の急反落、FOMC(米連邦公開市場委員会)で市場予想通りとなる政策金利の発表などが相場の支えとなり、再び上昇トレンドの波に乗りました。

 4月中旬からは、米国企業の第1四半期決算シーズンが始まります。ロシアのウクライナ侵攻や利上げが企業業績にどのように影響するのか、注目したいところです。

 13日にJPモルガン・チェースやデルタ航空、14日にはゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレー、シティグループ、ウェルズ・ファーゴなど、各社の決算発表が予定されています。

上海ロックダウンで中国株式が軟調!

<直近3カ月の上海総合指数の推移>

出所:楽天証券ウェブサイトより

 オミクロン株の感染拡大による中国景気の減速懸念が強まった影響で、香港ハンセン指数や上海総合指数は3月前半に大幅続落、後半もマイナス圏で軟調の推移となりました。

 北京オリンピック開催期間中に「ゼロコロナ」政策を掲げていた中国ですが、旧正月の連休後は香港や中国本土での感染急拡大を受け厳しい防疫対策に逆戻りし、3月中旬から深センや上海を含む大都市で2年ぶりのロックダウンを本格的に実施しています。

 上海政府は全市民のPCR検査や外出禁止令、営業停止令を次々と発表。自宅待機中の食糧を確保するため、わずかな外出可能時間帯のスーパーマーケット前は大行列となりました。こうした混乱を避けるため、区役所や企業は住民・社員に野菜や肉類などを梱包し、自宅まで配達するようになりました。

 中国の大都市では戸建てやマンションよりも大規模開発された団地が多く、感染者が出た場合は団地全体が出入り禁止となるケースが多いのが実態です。

2022年3月 個人投資家に人気だった銘柄は!?

2022年3月 米国株式買付者数ランキング

順位 ティッカー 前月順位 銘柄名 関連するテーマ
1 VTI 1 バンガード・トータル・ストック・マーケットETF ETF、米国株式
2 SOXL 4 Direxion デイリー 半導体株 ブル 3倍 ETF レバレッジETF、半導体
3 QQQ 6 インベスコQQQ 信託シリーズ1 ETF、ナスダック100
4 AAPL 8 アップル スマホ、PC
5 SPYD 7 SPDRポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF ETF、高配当株式
6 VOO 5 バンガード・S&P 500 ETF ETF、S&P500
7 VYM 3 バンガード 米国高配当株式ETF ETF、高配当株式
8 QYLD 10 グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF ETF、ナスダック100
9 FB 2 メタ・プラットフォームズ インターネットサービス
10 TSLA 9 テスラ 電気自動車
※楽天証券内買付者数ベース。2022年3月1日~3月31日、国内約定日ベース。

 楽天証券における3月の米国株式月間買付者数ランキングでトップとなったのは、バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)でした。6カ月連続トップと圧倒的な人気を誇っています。

 トップ10の中で、米国企業を投資テーマとするETF(上場投資信託)が7割を占めています。投資初心者の方のご参加も増える中、乱高下が激しい足元のような相場では、バスケット投資であるETFがもつリスク分散効果がより期待されているところかもしれません。

 一部の日本届出済み米国ETFに限り、レバレッジ(ベア・ブル)やオプション(カバード・コール)を駆使した商品に投資可能な点も、個別銘柄投資にはない特徴です。

 2月2位、3月9位にランクインしたメタ・プラットフォームズ(FB)は、2月の2021年第4四半期決算発表後に株価が一時20%以上急落しました。主要事業である「フェイスブック」ユーザー数の伸び悩み、10〜12月営業利益も前年比減益となったことも嫌気されました。

 4月7日には、同社が提供するアプリに暗号資産やトークンの導入計画を準備していると報道されるなど、今後も注目が集まりそうです。

 3月10位に終わった電気自動車メーカーのテスラ(TSLA)は、2022年1-3月期の出荷台数が過去最高を記録するとの見通しで株価上昇につながりました。

2022年3月 中国株式買付金額ランキング

順位 ティッカー 前月順位 銘柄名 関連するテーマ
1 700 1 騰訊控股(テンセント・ホールディングス) インターネットサービス大手
2 2800 4 Tracker FUND OF HONG KONG(トラッカー・ファンド・オブ・ホンコン) ハンセン指数連動のETF
3 9988 2 阿里巴巴集団控股(アリババ・グループ・ホールディング) ネット通販最大手
4 3800 28 保利協キン能源控股(GCLポリー・エナジー) 再生可能エネルギー装置
5 1810 3 小米集団(シャオミ) スマホ大手
6 1211 22 比亜迪(BYD) 自動車・電池メーカー
7 941 8 中国移動(香港)(チャイナ・モバイル) 通信大手
8 1490 131 車市科技(チューシー・テクノロジー) 自動車広告サービス
9 3988 11 中国銀行(バンク・オブ・チャイナ) 金融(銀行)
10 2318 30 中国平安保険集団(ピンアン・インシュランス) 保険大手
※楽天証券内買付金額ベース。2022年3月1日~3月31日、国内約定日ベース。

 楽天証券における中国株式月間買付金額ランキングの3月トップとなったのは、テンセント(700)で、前月から「2連覇」を達成。2021年12月本決算では、売上高が前年比16.2%増、純利益が同40.6%増でした。

 中国当局によるゲーム規制強化の影響で、国内オンラインゲーム売上高が伸び悩んだものの、海外では世界モバイルゲーム収入の1位と2位を独占するほどの好調ぶりです。また、「WeChat Pay」を含むオンライン決済の取引数が増加し、フィンテック・ビジネスサービス部門の売上高は34.4%増という好結果を見せました。

 4位にランクインしたGCLポリー・エナジー(3800)は太陽電池原材料の世界最大手で、2021年12月本決算で黒字転換を果たしました。

 同社は粒状多結晶シリコンの生産を積極的に拡大する計画であり、傘下「江蘇中能ケイ業科技発展」では年産量2万トンのFBR粒状シリコンモジュラー化プロジェクトが全面稼働することで、同社全体の生産能力は2022年末、30万トンまで達する見込みです。

 8位となったチューシー・テクノロジー(1490)は1999年に設立された自動車情報サイトの運営会社で、「網上車市(cheshi.com)」というブランドで自動車情報をウェブサイトやスマートフォンアプリで展開しています。

 2021年12月本決算では売上高が前年比9.3%増となる一方、純利益は前年から赤字拡大。マーケティングや研究開発費用が膨らんだことが背景ですが、こうした投資が将来の業績改善につながることを期待したいところです。