2021年通期は実質2桁増益、新規の太陽光事業目標は予想に届かず
現地コード | 銘柄名 |
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01083 |
港華智慧能源 (タウンガス・スマート・エナジー) |
株価 | 情報種類 |
4.86HKD |
株価 企業情報 チャート |
中国本土での都市ガス事業を主力とするタウンガスの2021年12月本決算は、コア利益が前年比11%増の16億1,200万HKドルと、市場コンセンサス予想を5%下回る半面、BOCIの予想通りの水準だった(純利益はデリバティブ関連評価損が響いて同13%減)。同社が25%を出資した上海燃気(上海ガス)について、BOCIはガス価格メカニズムに関する調整の継続を理由に短期的な利益見通しは不透明との見方。新規の太陽光発電ビジネスに関しても、新たに設定された事業目標が予想以下の水準にとどまったとした。ただ、こうした要因にもかかわらず、2022年、2023年の利益見通しを10-13%増額修正。目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
強気見通しの主因は好調なコア利益。2021年には上海ガスによる利益貢献を計上せずに(BOCI予想は1億3,800万HKドル)、BOCIの予想通りのコア利益を確保した。販売量1立方メートル当たり利益が予想(0.50元)を小幅に上回る0.51元に達する中、新規のガス管接続世帯数が事前のガイダンス(80万世帯)を超える95万世帯に達した。
上海ガスはガス供給の約半量を輸入LNG(液化天然ガス)に依存するため、2021年10-12月期にはLNG価格の急騰とガス販売価格への転嫁の遅れが響き、損失が発生した。同社はガス価格決定メカニズムを「市場化」方向に修正するよう求め、現在、上海市当局と協議中。タウンガス・スマート・エナジーは2020年下期の段階で、この移行期間中には、上海ガスからの収益貢献の計上を見送る方針を決定している。
太陽光発電システムなどを備える新規ビジネス、「ゼロカーボン・スマート工業園区」(ZCSIP)について同社が示した目標は、2022年末から1年ごとに、太陽光設備の総導入量を1GW、3GW、5GW、8GWに引き上げていく内容。「2025年末までに少なくとも計15GW」という市場の予想に届かず、この事業に対する評価の後退は避けられない情勢となった。ただ、BOCIはその2-3年後までに15GWの達成が見込めるのであれば、マイナス影響は限定的だとし、資金調達面の圧力も軽減されるとみている。
一方、2022年のガス販売量について、BOCIは前年比12%以上の伸びを見込む(上海ガスを除く)。新規のガス管接続世帯数に関しても、年100万世帯へさらに上向くとみる。2021年には上海ガスへの出資を含め、都市ガスプロジェクト5件を新たに取得したが、経営陣は2022年も5件の取得を目指す方針。ほかにZCSIPの新規プロジェクト40件の獲得を目指すとしている(前年は32件)。
BOCIはコア利益の好調を反映させる形で、DCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づく目株株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。新規の太陽光事業は目標レベルへの到達に予想以上に時間がかかるとの見方だが、同事業の組み入れはもともと評価額の半分に抑えており、評価全体への影響は小さいとしている。
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