今週の予想

今週は、2万7,000円水準を試す動きへの期待

 先週の日経平均は、ウクライナとロシアの停戦期待が浮上し、FOMC(米連邦公開市場委員会)も無事に通過したことで不透明感がやや後退し、日経平均は5日続伸となって、週末18日(金)には、2万6,862円と2万7,000円水準までの真空地帯を一気に駆け上ってきました。

 ここで侵略前の水準まで17日の終値2万6,652円で日足チャートは25日移動平均線(17日時点2万6,312円)を突破しました。ほぼ回復してきたことになります。

 今週は、3連休後の22日(火)からのスタートですが、2万7,000円からは累積出来高が多くなってきますので、戻り売りが多く出て、先週のような上昇は難しいと思われます。 

 とは言っても月末の権利確定日に向けた配当再投資が期待され、ウクライナとロシアの停戦の話が進展するようであれば、2万8,000円水準を目指すことも期待できます。一方で急騰に対する一服の場面も考えておいたほうがいいかもしれません。

 また、FOMCの通過はいったん好感されたものの、物価上昇の増加は衰えておらず、原油などの商品相場も再び強含んでいます。その他、次回(5月)のFOMCで0.5%の利上げを打ち出すリスクもあり、ウクライナ侵攻が早期に終結を見せる状況にならない限り上値は限定的だと思われます。

 日経平均の上昇は、米国株の上昇にサポートされている面を考えると、米国市場の上昇もFOMCを通過して金融政策に対する楽観ムードや景気の先行き強気ムードが薄れてくることも想定されますので、日本株も一進一退となり、2月10日の高値2万7,880円を目指し、当面は2万6,000~2万7,500円のレンジ内での動きが想定されます。

 当面のチャートの動きは、目先スピード調整を挟みながら戻りは1~2カ月かかり5月の大型連休ぐらいまで続いてもおかしくありません。11月の高値から4カ月の調整、年初からは2カ月半の調整ですので、適度に調整を挟みながら2万7,000円、75日移動平均線(18日時点2万7,494円)、2月10日の高値2万7,880円を目指す可能性があります。

今週の指標:日経平均株価

 先週の予測では、3月9日に2万5,000円を切って2万4,681円まで下げましたので、当面は2万4,500円水準の底値近辺に近づいたことでレンジは2万4,500~2万5,700円としました。FOMCやパウエル議長の記者会見を控えており、想定通りであればNYダウは上昇し、日経平均も連動することになります。

 結果的には、先週は原油が大きく下げてドルが買われ、FOMCは想定通り0.25%の利上げ(ただし、年合計7回の利上げ)を通過し、ウクライナとロシアの停戦の期待もあり、NYダウは5日続伸、日経平均は5日続伸となって週末は+174円の2万6,827円と想定より1,000円以上高く終わりました。ただし、2万7,000円水準までは真空地帯で買い戻し中心の上げでした。

 3連休明けの今週は、2万7,000円水準からは上値の重い展開が想定されます。上への動きはウクライナとロシアの停戦期待にかかっており、予測は難しいところですが、来週は3月期末の権利付最終日があり、この配当を再投資する期待から底堅い動きが想定されます。

 チャートをみると2月10日の2万7,880円が当面の上値ですが、2万7,000円からはやや上値が重くなるところです。当面は2万6,000~2万7,500円のレンジを想定。

今週の指標:NYダウ(ダウ工業株30種平均)

 先週は、3月15~16日にFOMCを控えウクライナとロシアの戦闘が激しくなっており、目先、上値は重いことを想定しました。

 ところがウクライナとロシアに停戦期待が生まれ、またFOMCも予想通りの0.25%の利上げと年合計7回の利上げが示されたことで、金融政策の不透明感が後退し、NYダウは5日続伸となりました。14日(月)の3万2,945ドルから18日(金)には3万4,754ドルと1週間で1,800ドル近い上昇となりました。

 先週は、NYダウは2月24日の3万2,272ドルの安値からの反発で、3月18日に3万4,754ドルまで上昇し、下落にようやく一服感がでるところです。

 FOMCの通過で不透明感が1つ後退し、世界の過剰貯蓄は依然高水準で金利上昇下でも経済活動正常化期待で消費拡大が経済成長をけん引するとの見方が多いようです。ウクライナとロシアの合意は早いとの見方は少なく、ロシアの攻撃が激化する可能性はリスクとなります。

今週の指標:ドル/円

 FRBの金融正常化スタンスで金利の先高感は継続。このあと5月から12月まで年内6回、さらに来年の複数回を合わせて最終的に2.75%にする見通しが示されています。場合によっては1回の利上げで0.5%の利上げの場合も考えられます。

 今後、ウクライナ、ロシアの交渉が進展すれば、ドル買いが縮小する場合もありますが、日米金利差の拡大を想定したドル買いが増える可能性もあります。

先週の動き

 注目の3月15~16日のFOMCで、利上げは0.25%とし、年内合計7回の利上げが想定されていることが明らかになったため、ドル買いが加速し一時119円台まで一段高となりました。3月18日(金)は一時119.40円まで上昇して119.11円で引けました。

先週の結果

先週は、想定を大きくこえ、FOMCの通過やウクライナ・ロシアの停戦期待で2万7,000円に接近

 先週の予測では、3月14日(月)~18日(金)の週は、ウクライナの状況は不透明ですが、2万4,500円水準が下値のフシになるとし、11日(金)のメジャーSQ(特別清算指数)を終え、14日(月)に昨年9月の高値期日を経過し、15~16日のFOMCを無事通過すれば、2万5,700円水準まで想定しました。

 16日(水)までは、想定通りの動きとなって、この日は前日の米国市場が原油価格の大幅下落を受けて、インフレ懸念が一時後退し、ドルが買われNYダウは+599ドルの3万3,544ドルと大幅上昇し、日経平均は+415円の2万5,762円まで上昇しました。

 しかし、ここから相場環境が一時的に好転し、ウクライナとロシアの停戦への期待、FOMCでの0.25%の利上げと年7回の利上げが示唆され、金融政策の方向が示されたことで、いったん相場は下落するものの、再び買い優勢となり、NYダウは16日(水)は+518ドルの3万4,063ドルと大幅続伸となりました。

 これを受けて17日(木)の日経平均は、+408円の2万6,170円で寄り付き、一時+940円の2万6,702円まで上昇し、終値は+890円の2万6,652円と高値圏の推移で終わりました。

 この日の1,000円近い値幅の上昇は予想外でしたが、チャートをみると3月1日の高値2万7,013円から下は累積出来高が積み上がっていない、いわゆる真空地帯であり、戻り売りが出ないで上昇しやすいところでした。

 その結果、17日(木)の米国市場が+417ドルの3万4,480ドルと3日間で1,534ドルの上昇にもかかわらず、18日(金)の日経平均は、寄り付きは▲3円の2万6,649円と売り先行となりました。

 しかし、下値は限定的で先物に断続的に買いが入り、いったん上げに転じ戻り売りでマイナス圏に沈む場面もありましたが、持ち直しの動きとなって+209円の2万6,862円まで上昇し、終値は+174円の2万6,827円でした。2万7,000円水準までの真空地帯まで戻して終わりました。

 週末18日(金)の米国市場は、FOMC通過で金融政策の不透明感が後退したことや、オンラインでの米中首脳会談で習主席がウクライナの平和を望むと発言したことが、ウクライナとロシアの停戦に好影響を与えたとの見方から投資家心理の不安を後退させ3指標そろって大幅上昇が続きました。

 NYダウは+274ドルの3万4,754ドルと5日続伸となりました。