「成長株と優待株は相性が悪い」は本当なのか!?
3月優待株は全部で784銘柄もあります。
「いったい、どの銘柄が株価上昇や株主配当金の面でも有望なのか?」を探すのは至難の業。そんなときこそ、銘柄検索ツールの出番です。
楽天証券に口座開設していなくても無料で使える「スーパースクリーナー」なら、さまざまな角度から有望株の検索ができます。
(楽天証券の口座にログインして、上部にある「国内株式」→「スーパースクリーナー」タブを順にクリックすると新規検索画面にアクセスできます。)
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これまで「割安」「安定」という2つの観点から見てきましたが、最後は「成長性の面でも有望な優待株」を探しましょう。
急成長企業の場合、稼いだ利益はすべて成長のための新規投資に使ってしまうことが多く、株主配当金をまだ支払ったことがない場合もたくさんあります。
当然、株主配当以上に手間のかかる株主優待制度の新設にも、あまり積極的ではありません。
ただ、3月期決算の企業以外では最近、急成長して株価も上昇した小売り系の成長優待株が多いのも事実。
例えば、「業務スーパー」で急成長を遂げ、株価10倍を達成した神戸物産(3038)は100株保有でJCBギフトカード1,000円分の優待を実施しています(権利確定月は10月です)。
6月と12月、100株保有で各1,100円分の優待食事券がもらえる「かつや」運営のアークランドサービスHLDG(3085)も、リーマンショックが襲来した2008年秋から2017年末の10年間で株価が52倍高しました。
このように株主優待制度を導入することが多い小売・外食企業の中には、株価10倍を達成するような急成長株がないわけではありません。
ぜひとも「優待生活を優雅に楽しんでいるうちに株価も10倍になった!」という成功体験を味わいたいものですね!
「売上・営業利益の伸び率」に「株主配当」を加味!
では、いったいどんな成長企業が株主優待も実施しているのでしょう?
検索の条件は成長性を重視するとともに、株主配当金を少しでも払っていると優待を実施している可能性も高いという観点から、以下のように設定しました。
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(1)今期の予想配当利回りが1%以上
(2)過去5年増収比率(予)が10%以上
(3)過去3年の平均売上高成長率が10%以上
成長株というと、毎年20%増収20%増益を続けているような会社をいいます。
ただ、さすがにそこまで急成長している企業で株主優待制度を実施しているのは珍しいので、ハードルを毎年10%増収10%増益に下げました。
その結果、スーパースクリーナー上に浮上した銘柄は全部で90銘柄。
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どれも、ここ1、2年の株価上昇率ランキングで何度か見かけたことのある人気株ばかり。高い成長性のおかげで、昨年秋までは株価の上昇が続いている銘柄が大半でした。
金融引き締め&ウクライナ危機で優待成長株も急落!
しかし、2021年後半からインフレ(物価上昇)を抑えるため、世界各国の中央銀行が金融引き締め策へ転換すると、株価が割高な成長株は真っ先に売られることに。
2022年以降も株価の変調は続き、2月以降のウクライナ危機がとどめを刺すことになりました。そのため、2022年に入って株価が急落してしまった銘柄が多いのも、優待成長株の現在の特徴といえます。
そんな優待成長株を、過去5年増収比率の高い順でランキングしました!
悩ましかったのは、自社オンラインサービスの利用料や自社開発のゲーム購入代金の割引などが優待内容の企業。
こういったサービスは同じ優待といっても、使わない人にはあまり意味がないので、今回は除外しました。
その結果、5社中4社はクオカード優待になりました。
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PCR検査大手ビー・エム・エル(4694)が最有力候補に!
1 ビー・エム・エル(4694)
過去5年増収比率:35.62% 過去3年平均売上高成長率:13.37% 配当利回り:3.10%
優待内容:100株以上で1,500円分のクオカード
新型コロナのPCR検査など臨床検査で国内首位。電子カルテのクラウド化事業も手掛ける。今期は大幅増益予想だが、PCR特需が終わりそうな来期は減益予想。株価は2021年8月の高値4,985円以降、3,000円台前半まで急落。配当利回り3.1%台と割安感満点。
2 グローブライド(7990)
過去5年増収比率:30.20% 過去3年平均売上高成長率:10.84% 配当利回り:1.68%
優待内容 100株以上で1,000円分のクオカード。3年以上継続保有で2,000円分に増額
『ダイワ』ブランドの釣り具販売で世界シェアトップ。コロナ禍によるアウトドアブームで釣り具需要が高まり、今期は大幅増収増益。海外も好調で来期も増収増益が続きそう。株価は2021年9月高値4,975円から2,500円台まで急落。下げ止まりを待ちたい。
3 マクニカ・富士エレHLDG(3132)
過去5年増収比率:26.11% 過去3年平均売上高成長率:12.52% 配当利回り:3.69%
優待内容:100株以上保有で1,000円分のクオカード。200株以上保有だと3,000円相当の優待商品か優待クラブオフサービスにグレードアップ
工場オートメーション化や車載、通信インフラ向けの半導体販売に強い。半導体需要の高まりを受け、今期純利益は前期比2倍近い伸び。来期も引き続き好調維持。株価は2022年以降の全体相場の悪化にもかかわらず、2,400円台を下値に底堅く推移。配当利回り3.69%。
4 日本ピラー工業(6490)
過去5年増収比率:15.78% 過去3年平均売上高成長率:10.44% 配当利回り:3.52%
優待内容:100株以上でクオカード1,500円分。3年以上継続保有で2,000円分に増額
液漏れを防ぐパッキンやシール、フッ素樹脂メーカー。半導体製造現場向けの流体制御装置やチューブカバーなどが稼ぎ頭。自己資本比率が81%と財務力も強固で、配当利回りも3.52%と高い。株価は2022年1月に3,850円の高値をつけたあと急落中。
5 ジャパン・ベストレスキュー(2453)
過去5年増収比率:14.77% 過去3年平均売上高成長率:14.29% 配当利回り:1.75%
優待内容:全株主に子供向け職業体験施設「キッザニア」優待券2枚
法人向けの「緊急出動付きコールセンター」や個人向け365日対応の生活トラブル解決サービス「生活救急車」を展開。2022年9月期は住生活関連のアクトコールやコールセンター運営のTSUNAGUを買収し業容拡大。株価もそれを好感して上昇機運にある。
以上、コロナ禍による特需に沸く企業や半導体関連企業がランクインする結果になりました。この5銘柄が優待内容でも満足でき、しかも成長性の高い3月優待株になります。
ちなみに除外したのは、株式情報サイト「株探」を運営するミンカブ・ジ・インフォノイド(4436)、障がい者向け就労支援を行うウェルビー(6556)。
ともに自社サイトで使えるポイントや自社オンライン講座の入会金無料券が優待内容になります。(2022年3月11日現在)
また、ゲーム会社のコーエーテクモHLDG(3635)も、過去5年増収比率が31%超と高いのが魅力。しかし、優待内容が100株以上保有で自社選定新作商品1本、発売済み商品3本の最大40%割だったので除外しました。
小売業などに絞って優待内容が魅力的な成長株を選出!
といっても、優待株ファンの中には、「クオカードは少し味気ない」という人もいるでしょう。そこで、「スーパースクリーナー」の条件を少しゆるめて、優待内容が魅力的そうな小売業、電気機器、食料品に絞って検索してみました。
条件検索は、「配当利回り0.5%以上」「過去3年平均売上成長率・過去5年増収比率がいずれも5%以上」と、成長性のハードルを少し下げました。
しかし、コロナ禍で売上・利益が激減した小売業界にとっては、これでも、かなりハードルの高い条件になります。
そんな厳しい条件をクリアした成長性の高い小売業系優待株は、次の5銘柄になりました。
優待株投資をしている人なら聞いたことのある銘柄も多いはず。
ぜひ来たる3月優待株の取引の参考にしてください!
■シュッピン(3179)
カメラ、時計など中古品販売サイトを運営。
過去5年増収比率:21.06% 過去3年平均売上高成長率:6.47% 配当利回り:2.13%
優待内容:100株以上で商品購入時5,000円割引、売却時5%上乗せ優待券1枚(2年以上継続保有でもう1枚追加)
■FOOD&LIFE COMPANIES(3563)
「スシロー」「海鮮三崎港」「京樽」を展開。
過去5年増収比率:18.41% 過去3年平均売上高成長率:13.99% 配当利回り:0.69%
優待内容:3月、9月、100株以上で各1,100円分の優待割引券
■ヤーマン(6630)
美顔器・化粧品メーカー。
過去5年増収比率:13.07% 過去3年平均売上高成長率:20.40% 配当利回り:0.6%
優待内容:100株以上で、自社オンラインストアにて利用可能な株主優待割引券5,000円分。継続保有で上乗せあり
■日清食品HLDG(2897)
「カップヌードル」の販売メーカー。
過去5年増収比率:10.18% 過去3年平均売上高成長率:6.08% 配当利回り:1.56%
優待内容:100株以上で3,000円相当の自社製品詰め合わせセット。300株以上保有すると3月、9月の年2回、3,500円相当に増額
■マツキヨココカラ&カンパニー(3088)
「マツモトキヨシ」「ココカラファイン」などを運営。
過去5年増収比率:6.69% 過去3年平均売上高成長率:7.85% 配当利回り:1.79%
優待内容:3月と9月に100株以上で各2,000円分の自社グループ商品券
残念ながら、ここ最近、反転上昇に転じたシュッピンと日清食品HLDGを除く3社の株価は低迷しています。
ただし、魅力的な優待内容を考えると、長期保有に徹すれば、高い売上・利益成長に乗った株価の上昇も再開するはず。それまで待ちに徹する作戦もありでしょう。
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