安定重視なら「スーパースクリーナー」で優良大型株選び!
財務、コンセンサス情報など数々の指標をもとに、4,200社以上ある上場企業の中から条件にあった銘柄を探すことができる楽天証券の銘柄検索ツール「スーパースクリーナー」。
(楽天証券の口座にログインして、上部にある「国内株式」→「スーパースクリーナー」タブを順にクリックすると新規検索画面にアクセスできます。楽天証券に口座開設されていない方でも無料で利用可能です。)
このスーパースクリーナーを使えば、業績や財務面などで有望で、かつ、株価上昇と高配当収入も狙える3拍子そろった優待株を見つけることも夢ではありません。
3月優待株は3月29日(火)が権利付き最終日で、翌30日(水)が権利落ち日。3月29日までに株を買って、30日まで持ち越せば優待権利を取得できます。
そんな3月優待株の中で、企業としての安定性が高く、業績も申し分のない優良株の探し方やその検索結果をご紹介します。
「時価総額」で優良性、「自己資本比率」で安定性を判断!
投資する企業の財務が盤石で、投資家からの信頼度も厚いと、長期保有していても安心感があります。
財務力のある優良な大企業なら株主配当を減らされるリスクも少なく、優待品と同時に高額の配当収入にも期待できます。
そこでまずは、「安定性の高い3月優待株」を探すための前準備として、以下の3つの条件で銘柄を絞り込みました。
(1) 会社の規模を示す「時価総額」が2,000億円以上
(2) 「自己資本比率」が40%以上
(3) 今期の「予想配当利回り」が3%以上
時価総額は「株価×発行済み株数」で計算します。
簡単にいうと、株式市場にいる投資家がつけた「その会社のお値段」です。
時価総額の大きな企業は規模が大きく、投資家からの評価も高いため、安定した優良企業と考えることができます。
本来は、時価総額3,000億円以上は欲しいところ。
しかし、(2)と(3)の条件をクリアした上で、時価総額3,000億円以上の優待株は、3月優待に限ると、4銘柄しかありませんでした。そこで2,000億円まで引き下げました。
次の自己資本比率は、その会社の総資産に占める自己資本(株主資本)の割合を示したもの。自己資本とは、会社自身が持つお金のこと。
外部からの借り入れなどの負債ではないため、会社の財務力の高さを示す指標になります。
今回は自己資本比率40%以上を検索条件にしました。
財務安定の大型株を選抜。決め手は「配当利回り3%超」!
財務力のある大企業なら、業績面でも安定しているはず。
急成長は望めないかもしれませんが、株価も安定的に推移することが多いと想定できます。
業績が安定していて、財務も堅固な大企業なら、毎年、株主に株主配当金を還元してくれる能力も高いはず。
そこで最後の決め手として、「予想配当利回りが3%以上」という条件を加えました。
予想配当利回りは、「今期に支払われる予定の1株あたり株主配当金÷株価」で計算します。
優待株は長期保有が大前提。長期保有の期間中、優待だけでなく高額な配当金ももらえれば、それに越したことはありません。
魅力的な優待がもらえて、しかも配当利回りが高い株ほど、“長期保有のしがいがある”優待株といえます。
スーパースクリーナーで検索した結果、全上場企業のうち、「時価総額2,000億円以上」「自己資本比率40%以上」「予想配当利回り3%以上」の条件で残ったのは98銘柄。
この98銘柄を配当利回りの高い順に並べたのが次の図になります。
全般的に見ると、誰もが知っているような大企業がランキングの上位を占める結果になりました。
また、配当利回りの高い順で並べ替えたため、分配金利回りの高いJ-REIT(ジェイ・リート:国内の不動産投資信託)が多数ランクインしました。
並べ替えの結果、ランキングNo.1になったのは、今期の予想配当利回りが7.54%に達する日本たばこ産業(2914)です。
本来なら、この日本たばこ産業こそが、安定性抜群の3月優待株トップに君臨するはずでした。
しかし、日本たばこ産業は今回の3月末優待をもって優待制度を廃止すると発表。
同社の優待取得には1年間以上の継続保有が必要なので、今から株を買っても、もう優待はもらえません。
そこで、泣く泣く日本たばこ産業を除外した上で、検索結果の中から、予想配当利回りの高い順で、3月優待株を抜き出したのが下の図になります。
安定性No.1はヤマダHLDG。配当利回り4.45%!
6銘柄の業績・株価・優待内容についてご紹介しましょう。
1 ヤマダHLDG(9831)
時価総額:3,750.6億円 自己資本比率:51.85% 配当利回り:4.45%
優待内容:100株以上で500円分の優待割引券1枚(9月は2枚、1,000円分)
日本最大の家電量販店。子会社化した大塚家具とのセット販売に期待が持てる。今期減収減益予想のため、株価も2021年3月高値626円から300円台後半まで下落。現在は底ばい。
2 飯田グループHLDG(3291)
時価総額:6,197.8億円 自己資本比率:58.17% 配当利回り:4.37%
優待内容:100株以上で「江の島アイランドスパ」温泉・プールエリア利用券4枚
旧・一建設、飯田産業、東栄住宅など関東圏の不動産分譲販売会社6社が2013年に経営統合。株価は2021年6月高値3,065円から2,000円前後まで下落。下げ止まりに期待したい。
3 九州旅客鉄道(9142)
時価総額:3,990.7億円 自己資本比率:43.77% 配当利回り:3.44%
優待内容:100株以上で片道運賃・料金50%割引の鉄道株主優待券1枚の他、2,500円分の自社グループ株主優待券(グループ施設宿泊や飲食・買物に利用可能)
JR九州として、船舶、バス、不動産、ホテル事業も展開。コロナ禍による交通需要激減で前期は巨額赤字計上。2023年3月期は大幅な黒字化が見込まれており、株価も復調傾向。
4 KDDI(9433)
時価総額:8兆9,171.7億円 自己資本比率:45.18% 配当利回り:3.27%
優待内容:100株以上で「auPAYマーケット」の商品カタログギフトから3,000円相当の地方特産品など1点
「au」プランドの携帯キャリア国内2位。優待株としても人気が高い。コロナ禍の業績への影響はほぼ皆無で、株価も長期上昇トレンドが継続。2022年の相場変調でも逆行高。
5 ケーズHLDG(8282)
時価総額:2,740.5億円 自己資本比率:64.19% 予想配当利回り:3.35%
優待内容:3月、9月、100株以上で各1,000円分の優待券1枚(1年以上継続保有で各1枚追加)
割安株にも登場。安定株としても魅力大。現金値引きや手厚いアフターサービスが評判。コロナ特需の収束で今期、来期は減収減益予想。株価は1月安値1,080円から反転上昇中。
6 伊藤ハム米久HLDG(2296)
時価総額:2,042.8億円 自己資本比率:62.66% 予想配当利回り:3.2%
優待内容:1,000株以上で5,000円相当のハム詰め合わせなど自社グループ商品
ハム・ソーセージ事業を展開。業績はここ数年ほぼ横ばい。食肉価格の高騰は2022年3月からの値上げで吸収。インフレ懸念で昨年12月に安値631円をつけて以降、株価反転上昇中。
以上、6銘柄が財務面も優秀で、安定した配当収入にも期待できそうな優待株です。
楽天証券の株主優待検索の総合人気ランキングでも、2023年から優待はなくなるもののJTは4位、ヤマダHLDGは5位、KDDIは10位と上位を占めています。
安定性が高く株主配当金の利回りが高い大型株は、ある意味、株主優待投資の王道銘柄といえるでしょう。
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