1980年代後半に円高とそれを回避するための低金利で100年に1度のバブルをやってしまい、1990年前半の強烈な引き締めと円高によって失われた20年を経験している日本の失敗を、どこの中央銀行もよく研究している。米欧は日本型デフレ回避の通貨安競争になっており、現在、日本は通貨安競争の蚊帳の外に置かれている。これが15年ぶりの円高・ドル安の構図だ。
円相場は介入観測で騒がしくなっているが、過去の介入は100日移動平均線からの-10%乖離がポイントとなっており、8月12日現在、81円48銭で推移している。
ドル/円(日足) 過去の介入実績と100日移動平均-10%乖離線(赤)
相場の大局はドル安相場であるが、相場は循環なので上がったり下がったりする。これに対処するには価格そのものの動きをテクニカルで分析するしかないが、今週の通貨市場は大きな変化があった。
ドルインデックス(日足) ドル売りトレンド消滅 ADXと標準偏差ボラティリティがピークアウト
上段:14日ADX
中断:21日ボリンジャーバンド1σ
下段:26日標準偏差ボラティリティ
ユーロインデックス(日足)
ご覧のように、ドルインデックスもユーロインデックスも14日ADXおよび26日標準偏差ボラティリティがピークアウトし(天井をつけ)、方向性のあるトレンド相場は終わった。ここからは調整相場に入る。次のトレンドが出るまでは、上げても下げてもあまり意味のない動きである。
(上記のようなトレンドの分析はブログ「日々の泡」に掲載しているので参照されたい)
ユーロ/ドルの抵抗帯についてはこちらのレポートに書いたが、ユーロ/ドルは前回のもちあいレンジ=抵抗帯の下限まで到達した。投機筋の目標達成の水準である。今週のユーロ/ドルの急落については材料うんぬんではなく、抵抗帯を前にいったん投機筋が利食いに入ったということだろう。
ユーロ/ドル(日足)
上段:14日ADX(赤)と標準偏差ボラティリティ(青)
緑の部分がトレンド相場・黄色の部分がランダム相場
下段:21日ボリンジャーバンド1σ(緑)
ドル/円相場も、昨日のNY終値で21日ボリンジャーバンド1σの中に入ったことから、筆者はポジションを手仕舞った。ドル/円の大相場は期待していないが、それにしても値幅がでない。現在、ユーロ/ドルもドル円もポジションがなくなってしまったが、次のトレンドを待ちたい。
ドル/円(日足)
上段:14日ADX(赤)と標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1σ(緑)
NYダウは投機筋の間で三尊形状が話題となっているが、黄色のレンジを上下どちらかにブレイクするまでは大きな方向性は出てこないだろう。
NYダウ(日足) ヘッドアンドショルダーか?
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