今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは116.35

下値メドは115.25
 

[FRB] メスター連銀総裁「中立金利以上の利上げもありえる」 
[FRB] 2022年の金融市場にとって最大のリスクは「中央銀行」 
[ユーロ] フランスの雇用率が新型コロナ前の水準を上回る  

 9日(水曜)のドル/円は「円安」。

 24時間のレンジは115.56円から115.94円。値幅は0.39円。 

 2022年の48営業日目は115.65円からスタート。日本時間の夜の初め頃に115.94円が高値まで上昇して、約1カ月ぶりの高値をつけるが、116円はまたも失敗。夜遅くに115.56円まで下げて安値をつけた。終値は115.86円(前日比+0.20円)。

 リスクオフでも円高にならなかったが、リスクオンでも円安にならない。ウクライナ戦争のトレード対象通貨から外れているドル/円は、動きも限定的。

 レジスタンスは、115.94円(3/9高値)、116.00円、116.17円(2/11高値)。
サポートは、115.56円(3/9安値)115.35円(200時間移動平均)。

 ウクライナ大統領は、ロシアとの交渉において「一定の譲歩をする用意がある」と発言。停戦合意期待がふくらみ欧米の株式市場は急騰。ユーロは急速に買い戻しが進んだ。とはいえ、あっという間に情勢が変わり、希望がより深い失望になるリスクも高い。マーケットの動きは、リスクオンというよりも「ベアマーケット・ラリー(弱気相場の一時的上昇)」と冷静に見る投資家は多い。ただ、EU(欧州連合)首脳会談、ECB会合が予定されているため、このラリーは週末まで続くかもしれない。

 9日のユーロ/円は「ユーロ高」。24時間のレンジは125.97円から128.46円。

 126.04円からスタートして、東京時間朝につけた125.97円が安値。昨日の為替ウォーカーにも書いたが、急激に下げたユーロの追いかけ売りにマーケットは慎重で、下げも限定的。海外時間には、ウクライナ戦争の停戦合意期待から買い戻しが活発になり、未明には128.46円まで大きく上昇。終値は128.29円(前日比+2.19円)

 ユーロ/ドルは「ユーロ高」。24時間のレンジは1.0890ドルから1.1095ドル。 
1.0896ドルからスタート。安値は東京時間朝の1.0890ドルでほとんど下げなかった。ユーロはこの日大きく買戻され、1.09ドル台を通り抜け、未明には1.1095ドルをつけた。終値は1.1073ル(前日比+0.0170ドル)。

 今日の注目通貨はユーロ/円です。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

夢を持つということは、つまるところ、計画を立てるという行為の一種である

Born Under Punches

 先週発表された米2月雇用統計は、NFP(非農業部門雇用者数)は市場予想を超える強い結果となり、失業率は3.8%まで低下した。

 一方で、中小企業の景気指数であるNFIB中小企業楽観指数は下落している。今年の安値をつけたばかりではなく、新型コロナの感染が拡大した2020年3月以来の最低水準となった。中小企業の多くは、「高インフレが最大の懸念」と回答している。

 今夜は注目の米CPI(消費者物価指数)の発表がある。2月CPIの予想は、前月比+0.8%、前年比+7.9%。またコア指数は、前月比+0.5%、前年比+6.4%に大幅上昇する予想。下げ止まる兆候はない。

 前回1月もCPIは予想を上回ったが、その原因は中古車価格の上昇だ。今後は、さらにエネルギー価格のもインフレ率の強い押し上げ要因として加わる。NY原油先物は今週13年8カ月ぶりの高値をつけた。

 FRB(米連邦準備制度理事会)が、来週のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利上げするのは確実だ。する、しないではなく、政策金利はどこまで高くなるかということが問題になっている。最終着地レートは2.00%超えとの見方も増えるなかで、来週のドットチャートに注目が集まりそうだ。また、今夜のCPIが予想を大きく上回る結果となれば、来週のFOMCの0.5%利上げ観測が再び強まることも考えられる。

 米CPI(消費者物価指数)の上昇の大きな原因は、米国の中古車価格の高騰だ。マンハイム社は、米国内の約80ヵ所の拠点から年間約600万台の自動車を販売する米国最大の自動車オークション会社で、ライブ・オークションとデジタル・オークションの両方を運営しており、入札者はリアルタイムで参加することができる。そのマンハイム社が出している、中古車価格指数は、前年比では45%の大幅上昇となっている。

 一時期の異常な高騰は収まったが、価格が下がったといえるにはまだ時間がかかりそうだ。マンハイムのオークションの動向は、数カ月の遅れをもって中古車小売価格に反映されるので、CPIは当面高止まりが続く可能性が高い。

 インフレはグローバルではなく、ローカルな問題といわれる。公共交通機関が発達している日本では、中古車価格が急上昇したところでインフレの実感はわかない。日本の若者のインフレのバロメーターは、中古車ではなくスマホ料金だろう。だとすれば、今の日本はまだまだデフレかもしれない。

 しかし、これからは違う。世界中で食料品がどんどん高くなっているのだ。ドライブをしない人は大勢いても、食事をしない人はいない。先進国の食料品価格は、農業生産国のエネルギー価格と労働コストが大部分を占めるなかで、石油価格は大幅に上昇し、労働賃金も高くなっている。ロシアとウクライナは、世界のヒマワリ油輸出の80%、小麦輸出の30%を占めるが、これらの食料が物理的あるいは政治的理由で供給が滞るリスクが高まっている。食料品インフレは、ローカルではなくグローバルな問題となっている。

 

今週の 重要経済指標

出所:楽天証券作成

今日の注目通貨:ユーロ/円

今週の予想レンジ ↑131.19円  ↓121.77円

 ユーロ/円のブルベアの分かれ目は126.48円。
126.48円より上ならばユーロ買いが優勢、126.48円より下ならばユーロ売りが優勢。

133.15円    :     2022年 高値

132.99円    :     第4 レジスタンス(HBO)

131.19円    :     第3 レジスタンス

130.54円    :     2022年 平均値

129.39円    :     第2 レジスタンス
129.24円    :     03月 高値

128.84円    :     第1 レジスタンス

127.39円     :     03月 61.8%

126.82円    :     03月 平均値

126.48円 : ピボット

126.24円    :     03月 38.2%

125.09円     :     2021年 安値

124.62円     :     2018年  安値
124.39円     :     2022年 安値
124.13円     :     第1 サポート

123.57円     :     第2 サポート 

121.77円     :     第3 サポート

119.97円     :     第4 サポート(LBO)

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成