THE S&P 500 MARKET: 2022年2月
2月の米国株式市場は1月(5.67%下落)に続いて3.14%下落しましたが、市場では景気の減速(と強まる割高感)に備えた調整(資金の再配分)の動きが続きました。ウクライナ情勢を巡る道義的な報道が大勢を占める中、今後予想される事態に対する瞬間的な反応から株価の急落が見られたものの、市場を方向づけたのは米国経済の状況でした。
2月に関して言えば、景気指標の中でも特に注目を集めたのは、インフレの高進(消費者物価指数が7.5%上昇、生産者物価指数が9.7%上昇、個人消費支出の価格指数が6.1%上昇)と原油価格が再び1バレル=100ドルに上昇したことでした(2014年7月以来)。3月(15-16日)に開催予定の米連邦公開市場委員会(FOMC)以降、0.25%刻みの利上げが続くとみられていたほか、それ以上の対応が取られるかもしれないとの観測も広がり、利上げ幅を0.50%に拡大する(さらに、量的引き締め(QT)がFOMC直後から開始される)との声も一部で聞かれました。
足元の指標と今後発表される指標から判断すると、S&P500指数が2月に3.14%下落(1月3日の終値での最高値から8.81%下落)したことはそれほど深刻な下落とは言えないでしょう。なにしろ2020年3月23日に直近の最安値(コロナ危機以前の2020年2月19日の終値での高値から33.93%下落)をつけて以降、市場は114%上昇しており、しかもこの間に一度も調整局面を迎えることがなかったからです。
現時点では、米国の経済ファンダメンタルズの力強さが相場の上昇を後押しし、市場はインフレ悪化とウクライナへの軍事侵攻に対する懸念を織り込みつつあります (一層軟化する可能性のある世界の他の国と比べると、米国経済はより力強くなります)。
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