今週の予想

今週は、信用期日にメジャーSQも加わり、セリングクライマックス的な動きの可能性も

 今週は、昨年の9月14日の高値(3万795円)からの信用期日を控え、メジャーSQ(特別清算指数)が11日にあり、また、ウクライナ情勢が先週末、一段と悪化したこともあり要注意の週となります。4日(金)は、日経平均はロシアによるウクライナの原子力発電所への攻撃と占領を受け、日米ともに株価は一時大きな下げとなりました。

 日経平均は2月24日の年初来安値2万5,775円を1円更新し、2万5,774円をつけました。この流れから今週は信用期日を控えている中で11日のメジャーSQがありますので注意が必要です。ウクライナ情勢の悪化が続けばセリングクライマックス的な動きも想定されますが、その場合はリスクを取れる人はリバウンド狙いで2万5,000円水準以下を狙うことになります。

 リスクを少なくする人は、75日移動平均線がある(4日時点2万8,028円)を突破するまでは様子見がよいでしょう。

今週の指標:日経平均株価

 先週の予測では、1月27日の2万6,044円を下に切って2月24日に2万5,775円まで下落しました。目先は下げ過ぎとの見方もありますが、2万5,775円まで下落したことで、2段下げとなり、戻したあと注意が必要としました。

 結果的に3月1日に2万7,013円まで戻したあと、早くももみあって下げに転じ、週末4日(金)は2万5,774円まで下げて1円だけ安値更新し、終値は▲591円の2万5,985円となりました。

 先週の4日(金)は、株式市場に落ち着きがみられていたところにロシアがウクライナ南東部にあるザポロジエ原子力発電所(欧州で最大規模)を攻撃したニュースで一時▲802円の2万5,774円と下限を切り下げ、終値は▲591円の2万5,985円となりました。

 今週は、昨年9月14日の高値3万795円の信用期日が迫っている上、11日はメジャーSQがあり、これにウクライナ情勢の悪化が加われば、セリングクライマックス的な動きになる可能性もあります。予想レンジは2万4,500~2万6,500円とします。

 

今週の指標:NYダウ(ダウ工業株30種平均)

 先週の予測では、引き続きロシアのウクライナ侵攻後の展開やFRB(米連邦準備制度理事会)の利上げを警戒し神経質な動きを想定しました。3月1日(火)は、ウクライナ情勢が悪化し、原油が7年5カ月ぶりの高値106ドル台へ急騰したことで、▲597ドルの3万3,294ドルと大幅下落。

 2日(水)になるとパウエル議長が金融政策正常化を注意深く進めるとし、これまで3月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.5%の利上げとみられていたものが、0.25%が妥当と修正されたことで、+596ドルの3万3,891ドルと急反発しました。

 その後、3日(木)は▲96ドルの3万3,794ドルと反落し、さらに週末4日(金)はウクライナ南東部にある欧州最大規模のザポロジエ原子力発電所をロシアが攻撃したニュースを受け、一時▲540ドルの3万3,254ドルまで下げ、終値は▲179ドルの3万3,614ドルで引けました。

 ロシアのウクライナ攻撃の行方が不透明なことで、2週間後に控えているFOMCを前に警戒感から投資家心理が悪化して買い手控えが優勢になりそうです。一方で政府がコロナ規制を緩和しており、経済が正常になりつつあることで押し目買いを探る展開になる可能性もあります。

 

今週の指標:ドル/円

 今週も基本的には、114.50~115.50円のレンジでのもみあいを想定。ロシアとウクライナの停戦協議は期待できず、混迷を深めることからリスク回避的な円買いが大幅に縮小する可能性は低く115円を挟んだもみあいが想定されます。

先週の動き

 先週は、ロシアのウクライナ攻撃が激しさを増し、3月4日(金)は、ウクライナ南東部にあるザポロジエ原子力発電所への攻撃および占領となり、リスク回避的な円買いが観測されました。また原油価格の上昇から世界経済の減速が懸念され、円買いにつながりました。この日は115.46円から114.65円までのドル売り・円買いとなり、114.85円で引けました。

 

先週の結果

先週は、想定通り2万7,000円水準を上値に下値を試す動きとなり2万6,000円を切って引けました

 先週の予測では、2万7,000円水準を上値に様子見とし、ウクライナ情勢によっては、再び急落の可能性があるとしました。NYダウは1月に続く2月の急落は、チャートでは2段下げの下放れとなっており、「陰転」を確定させているとしました。日経平均も同じく2段下げの形となっています。

 日経平均のチャート(柴田罫線)で説明すると、昨年の8月20日の2万6,954円を安値とし、9月14日の3万795円を高値とする三角保ち合いの中で煮詰まって下放れし、今年の1月27日に2万6,044円まで下げました。

 ここから2月10日に2万7,880円の戻り高値をつけたあと、2月24日には2万5,775円まで下げて、1月27日の2万6,044円を下に切り、2段下げとなりました。

 ロシアのウクライナ侵攻が始まったことで先週は、2万7,000円以上では上値は重いとしましたが、先週は28日(月)に2万6,262円まで下げ、翌日3月1日(火)に2万7,013円まで上昇し、2日(水)には2万6,313円まで下げ、3日(木)には2万6,704円と大きく上下動を繰り返しました。

 目先の下値目標は、2月24日の2万5,775円とし、すでに2段下げに入っていますので、ロシアの軍事行動によっては、まだ下がるとしました。

 結局、週末の4日(金)は、前場にロシア軍の攻撃により、ウクライナ南東部にある欧州最大規模のザポロジエ原子力発電所で火災が発生したというニュースで一時▲802円の2万5,774円(2月24日の2万5,775円を1円下回る)まで下げ、後場になると下げ渋る動きとなるものの、ウクライナリスクが意識される中、週末要因も重なり弱い動きが続き、終値は▲591円の2万5,985円で引けました。

 4日(金)の米国市場は、2月の雇用統計における、非農業部門雇用者数は、前月比が市場予想を上回り、失業率も3.8%(前月4.0%)と改善しましたが、ウクライナでのロシアの原子力発電所攻撃、占領を受けプラス要因とはなりませんでした。

 NYダウは一時▲540ドルの3万3,254ドルまで下げましたが、終値は▲179ドルの3万3,614ドルとなりました。

 ドル/円は、1ドル=114.85円となり、シカゴの日経先物は▲230円の2万5,870円でした。