2021年に30%超の減益も長期見通しは良好、設備増強と自動化が焦点に
現地コード | 銘柄名 |
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02313 |
申洲国際集団控股 (シェンジョウ・インターナショナル) |
株価 | 情報種類 |
122.90HKD |
株価 企業情報 チャート |
大手ブランド向けのOEMを担う中国のニット衣料大手、申洲国際集団は、2021年12月本決算の純利益が31億-35億元にとどまる見通しを発表した。これはBOCIの予想を37-44%、市場コンセンサス予想を30-38%下回る水準。新型コロナ感染の拡大を受けた東南アジアでの一時操業停止や人民元高が予想以上の打撃となった。BOCIは業績悪化見通しの発表がこの先、株価の重しになるとの見方。ただ、前年実績の低さから2022年の成長加速が期待される上に、設備増強や自動化を背景とした長期見通しも良好であると指摘。株価の先行きに対して強気見通しを継続した。現在株価の2022年PER(株価収益率)が24.8倍と、5年間のヒストリカル平均を18%下回る点に触れている。
3月2日大引け後の発表によれば、2021年通期の純利益は前年比31-39%減の31億-35億元にとどまる見込み。上期分を差し引けば、下期の純利益は前年同期比51-66%減の9億-13億元。これはBOCIの予想と市場予想をそれぞれ62-74%、53-69%下回る。経営陣によれば、◇コロナまん延でベトナム工場が下期に一時操業を停止した、◇人民元高が進行した、◇生産コストの増大分を顧客に転嫁できなかった(主に受注が遅れたため)――ことが業績悪化の理由という。
2021年の業績は上期が前年同期比11%の減益、下期が51-66%の大幅減益となるが、2022年は特に下期の比較対照値が低く、収益が成長しやすい。また、2021年の業績悪化要因の多くは一過性で、カンボジアとベトナムの工場はすでに、ほぼ操業を再開した。2022年1月には地域のコロナ感染を理由に、寧波工場(浙江省)が2週間の操業停止となったが、BOCIによればファンダメンタルズへの影響は限定的。2022年には受注納品状況の正常化で顧客への価格転嫁が進み、粗利益率も回復するとみる。
長期的には設備の増強と自動化が焦点であり、うち海外では生産能力の拡大を継続する見込み。さらに生産体制の柔軟性を高めるため、カンボジアではファブリック(布地)工場を増設し、現地で垂直統合型モデルを強化する計画という。中国国内では、労働生産性の向上に向けた自動化のペースアップに照準を合わせる。BOCIは短期的に、生産コストの増大が利益率に影響する可能性を指摘しながらも、同社の価格交渉力の高さや調達価格の最適化(スケールメリットと受注見通しの明確さが背景)、労働生産性の改善などを前向きに評価。利益率の回復力で、同業他社を上回るとみている。
BOCIは売上高および粗利益見通しの引き下げに伴い、2021-2023年の予想純利益をそれぞれ37%、16%、14%減額修正した。従来通り2022年予想PER36倍をあてはめて目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。レーティング面の潜在リスク要因としては、主要取引先からの需要減や新規ラインの立ち上げの遅延、人件費・原材料などのコスト高、為替変動、政策リスクを挙げている。
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