アナリスト評価◎の割安高配当株TOP15
※コンセンサスレーティング…アナリストによる5段階投資判断(5:強気、4:やや強気、3:中立、2:やや弱気、1:弱気)の平均スコア。数字が大きいほどアナリストの評価が高い。
※移動平均線乖離(かいり)率…株価が移動平均線(一定期間の終値の平均値を結んだグラフ)からどれだけ離れているかを表した指標。この数値がマイナスならば、移動平均線よりも現在の株価が安いということになる。
上表は、長期投資に適した銘柄の高配当利回りランキングと位置付けられます。
2月28日時点での高配当利回り銘柄において、一定の規模(時価総額1,000億円以上)、ファンダメンタルズ(コンセンサスレーティング3.5以上)、テクニカル(13週移動平均線からの乖離率20%以下)などを楽天証券の「スーパースクリーナー」を使ってスクリーニングしたものとなっています。
配当利回りはアナリストコンセンサスを用いています。
ランク外となった銘柄、新規にランクインした銘柄
2月の日経平均株価は前月末比で1.8%の下落となりました。
金融引き締め政策への織り込みも進む中で新型コロナウイルス感染者数もピークアウトするなど、米国株の堅調な動きを支えに、月央にかけてリバウンドが継続し、一時は25日移動平均線も突破しました。
ただ、その後はウクライナ情勢の緊迫化を映して、リスクオフの流れが再度強まる形になりました。
ロシアのウクライナ侵攻が始まった24日には、一時年初来安値を更新する動きになっています。
その後月末にかけては、目先のあく抜け感も強まる形で、米国株とともに反発の動きとなってきています。
こうしたなかでランキング上位銘柄は、総じてプラスサイドの物が多くなっています。年初から本格化しているグロース株売り・バリュー株買いの流れが続き、高配当利回り銘柄は全般的に買いが優勢となったようです。
とりわけ、日本郵船(9101)が大きく上昇しましたが、業績予想を上方修正するとともに大幅な増配を発表したことが買い材料視されました。
また、JFEHD(5411)や日本製鉄(5401)などの鉄鋼株も急伸しました。決算発表とともに未定としていた期末配当金を発表し、利回り妙味に再度関心が向かう展開になったようです。
なお、鉄鋼2社のほか双日(2768)などの商社株には、インフレ加速に伴う市況上昇期待なども反映されたもようです。
今回は、DIC(4631)、TOYO TIRE(5105)が新規にランクインした一方、住友商事(8053)、兼松(8020)が除外となりました。
住友商事、兼松は市況上昇期待で株価が上昇したことで、相対的に配当利回りが低下する形になりました。
一方、DICはColors & Effects顔料事業の業績低迷に伴って繰延税金資産の取り崩しを決定し、最終損益を下方修正しました。その後株価が急落したことで、配当利回りが上昇する格好となっています。
TOYO TIREは今期の減益見通しを発表して株価が下落した一方で、前期の期末配当金の大幅な増配を発表したことで、一気に利回りランキング上位になっています。
第3四半期決算発表が通過した直後であるため、アナリストコンセンサスが実態に追い付いていない状況も見受けられます。
配当予想上方修正の商船三井(9104)や日本郵船(9101)、配当見通しを示したJFEHD(5411)などは会社側配当予想を基準にすべきでしょう。
この点で言うと、商船三井の配当利回りは11.24%、日本郵船は11.25%、JFEHDは8.14%となります。
SBIHD(8473)は引き続き期末配当金を未定としていますが、アナリストコンセンサスでは年間配当金は142円程度が想定されているようです(上半期配当金は30円、前期末配当金は100円)。
一方、会社予想をベースにすると、DIC(4631)の配当利回りは3.82%、TOYO TIRE(5105)は3.82%となっています。ともに、コンセンサス水準は高すぎる印象ですが、大幅増益見通しながら配当計画据え置きのDICには増配余地がありそうです。
TOYO TIREは期初から減益・減配の見通しを発表しています。
相場の注目点
バリュー株優勢の地合いが継続するのか、地合い改善に伴うグロース株への資金シフトが本格化するのかは、3月には米国の利上げが実施される見込みになっており、実際に正式決定された後の動向をまずは見極めたい状況にあるといえます。
ただ、ロシア・ウクライナの戦闘長期化は一段のインフレにつながる公算は大きく、現時点ではバリュー株優勢の地合いとなる可能性は高いとみられます。
また、高配当利回りの動向を見るうえでは、海運株の動向がカギを握る面も強いとみられます。
来年度の一段の増配を指摘する声もここにきて増加している印象ですが、現在の配当利回り10%を超える株価には、こうした期待感を織り込む余地は依然として残っていると考えます。
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