主力のバイオシミラー製品に価格下落懸念、「集中調達制度」入りは時間の問題か
現地コード | 銘柄名 |
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02696 |
上海復宏漢霖生物技術 (シャンハイ・ヘンリウス・バイオテック) |
株価 | 情報種類 |
22.30HKD |
株価 企業情報 チャート |
上海復星医薬傘下のバイオ医薬会社、上海復宏漢霖生物技術はリツキシマブ、トラスツズマブ、アダリムマブ、ベバシズマブという4種類のバイオシミラー(バイオ後続品)を中国で販売する。また、MSI-H(高頻度マイクロサテライト不安定性)固形がんの第2治療選択肢、およびsqNSCLC(転移性扁平上皮非小細胞肺がん)の第1選択肢として、PD-1阻害剤serplulimabの新薬承認を申請済み。ただ、BOCIはバイオシミラーがこの先、医薬品集中調達制度(帯量採購)の対象となる可能性を見込み、その打撃を懸念する。特にリツキシマブとトラスツズマブのバイオシミラーは市場シェアが大きく、「帯量採購」入りに伴う値下がりを相殺するほどの数量増は見込めないとの見方。目標株価を大きく引き下げ、株価の先行きに対する見方を強気から中立的に引き下げた。
中国の国家医療保障局は2月11日、化学薬、漢方薬、バイオ薬を含めた「帯量採購」を2022年中に常態化させる意向を改めて表明。同社のバイオシミラーがいつ「帯量採購」に組み込まれるかは未発表だが、市場はすでにこの事態を想定している。同社が展開する4種のうち、まず対象となる可能性が高いのは競争環境が激しいアダリムマブとベバシズマブで、年内の見込み。リツキシマブとトラスツズマブはそれよりやや遅れる可能性があるという。BOCIは基本シナリオの下、同社のバイオシミラーが対象となった場合の価格下落率について、50%を見込んでいる(先発薬価格に対して60-70%安)。
一方、同社はまず、sqNSCLCとMSI-H 固形がんに絞ってPD-1阻害剤serplulimabの新薬承認申請を行ったが、中国ではPD-1阻害剤の市場競争が厳しい。BOCIは信達生物製薬(01801)や江蘇恒瑞医薬(600276)などのPD-1が、肝細胞がんや非小細胞肺がんといった大型適応症をカバーしている点を考慮し、後発である同社が市場シェアを拡大するためにはさらなる努力が必要になると指摘している。
2022年に注目されるポイントは、まずはMSI-H 固形がんの第2治療選択肢としてのSerplulimabの承認。ほかに◇小細胞がんの第1治療選択肢としてのSerplulimabの新薬承認申請、◇HLX208(BRAF V600E阻害剤)のデータリードアウト、◇HLX01の関節リウマチ治療薬としての承認――が挙げられるという。
BOCIはWACC(加重平均資本コスト)を10.7%、永久成長率を3.0%と想定した上で、DCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づく目標株価を大きく引き下げた。レーティングの一段の引き下げにつながる潜在リスク要因としては、「帯量採購」に伴うバイオシミラーの予想以上の値下がりやPD-1阻害剤に関する競争激化、新薬の販売拡大の遅れ、治験の失敗を指摘。一方、引き上げにつながる要因としては、上海「科創板」への重複上場に伴うバリュエーションの上昇、バイオシミラー価格の予想以上の堅調、予想以上に速い製品開発の進展などを挙げている。
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