- (1) 日足の「14日ADX」が上昇している(方向性を持っている)通貨ペアを探す
- (2) 「14日ADX」が上昇している通貨の「1時間足」でトレードを行う
- (3) 利用するテクニカル指標は「21時間ボリンジャーバンド1σ」と「14時間ADX」
- (4) 「21時間ボリンジャーバンド1σの飛び出し」+「14時間ADXの上昇」局面のみをトレードする。
以上が筆者の「デイトレ有望銘柄」抽出方法の全てである。
昨日の相場を例に、具体的に日足をみてみよう。1月21日時点ではドル/円の「14日ADX」は上昇しておらず、相場は方向性を持っていない。
ドル/円(日足)「21日ボリンジャーバンド1σ」と「14日ADX」
21日ボリンジャーバンド1σの飛び出し局面(赤の部分)
ADXが低下中の相場は<ボックス圏でのもちあい>か<いってこい>になりやすい(緑の枠の部分)
一方、ユーロ/ドルの14日ADXは上昇しており、相場は下げ方向にトレンドが出ている。
ユーロ/ドル(日足)「21日ボリンジャーバンド1σ」と「14日ADX」
21日ボリンジャーバンド1σの飛び出し局面(赤の部分)
ADXが低下中の相場は<ボックス圏でのもちあい>か<いってこい>になりやすい(緑の枠の部分)
したがって、昨日、1月21日の相場に関して言えば、「デイトレ(日計り商い)で収益を上げるには、ユーロ/ドルが有望である」という結論になる。
ユーロ/ドルのデイトレの取引に使うタイムフレーム(時間枠)は「1時間足」だ。相場が「1時間足」の21時間ボリンジャーバンド1σを飛び出していて、同時に14時間ADXが上昇していれば、相場はトレンド(方向性)を持っていると判断する。この2つの条件を満たせば、収益を上げられる確率は比較的高い。
ADXが低下しているときは、<相場はボックス圏でもちあう>か、ランダム(無秩序)な<いってこい>相場になることが多い。したがって、ADXの低下中は「方向性に賭ける勝負」で勝つ確率は低くなる。
ユーロ/ドル(1時間足)「21時間ボリンジャーバンド1σ」と「14時間ADX」
21時間ボリンジャーバンド1σの飛び出し局面(赤の部分)
ADXが低下中の相場は<ボックス圏での保合>か<往って来い>になりやすい(緑の枠の部分)
どのような通貨ペアを取引しても、取引手法やパラメータは全く同じである。
ユーロ/円(1時間足)「21時間ボリンジャーバンド1σ」と「14時間ADX」
21時間ボリンジャーバンド1σの飛び出し局面(赤の部分)
ADXが低下中の相場は<ボックス圏でのもちあい>か<いってこい>になりやすい(緑の枠の部分)
上記の手法を使って稼ぎやすい市場は、「外為(FX)市場」と「コモディティ市場」である。
「株式市場」はノーベル賞学者バートン・マルキールが「ランダムウォーク仮説」を唱えているように、トレンドフォロー(順張り手法)が通用しにくい。(『ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理』参照)
ちなみに、世界で最も収益を上げることが難しい金融商品は、米国のS&P500株価指数先物といわれている。(株価指数先物取引のなかでは日経平均先物は比較的トレンドを持ちやすく、S&P500株価指数先物と違って人気がある)
『ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理』に書かれているように、相場はサルがやっても人間がやっても同じ結果なのかもしれないが、筆者は「ランダムウォーク仮説」にはくみしない。相場がトレンドを持たないのであれば、そもそも相場をやる理由などないからである。
ステファン・テイラーが『金融先物・オプションの価格変動分析 ボラティリティの予測モデル』で「ランダムウォーク仮説」は誤りであることを示しているが、この本は後半が大変難しいので、システムトレーダー必読の書といわれながら、相場関係者でもほとんどの人が読んでいない。
いずれにせよ、長期にわたって相場で成功するには、なんらかの分析手法を使って「トレンド期」「もちあい期」の判別することが必要不可欠となろう。これが判別できないと、「順張り」も「逆張り」も出来ないからである。
さて、選挙で負けが込んでいるオバマ大統領は、大衆迎合路線をとらざるを得ないのか、ゴールドマンの最高益に合わせるように、(銀行の自己勘定取引禁止などを含む)「新金融規制案」を発表した。これを受けて、金融株が売られVIX恐怖指数は急騰している。法案が成立するのかどうかはわからないが、その内容は非常に厳しい。
ここからの相場は振れが大きくなる可能性が大きいので、柔軟な姿勢で相場に対処したい。みなさん、「1時間足」を使って相場のトレンド部分を頂きましょう!
NYダウ(左)とVIX恐怖指数(右)の日足
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