世界各地でオミクロン株の感染拡大が懸念される中、北京オリンピックが2月4日(金)に開幕しました。17日間で史上最多の109種目でメダル争いが行われます。

 個人的に注目したいのはフィギュアスケート代表の羽生選手で、94年ぶりのオリンピック3連覇への期待は高まりますね! 羽生選手は日本国内だけでなく、中国でも注目度が高いです。

ブースター接種が世界各地で始まる中、米国市場が調整局面となった一方、中国市場は回復基調に

<直近3カ月のS&P500指数の推移>

出所:楽天証券ウェブサイトより

 ウクライナを巡る地政学リスクと3月利上げや金融引締めが意識され、1月の米国株式市場は急落した場面もあり、調整局面に陥りました。S&P500指数とナスダック総合指数の月間下落率はともに2020年3月以来の大きさとなりました。

 12月個人消費支出(PCEコア・デフレーター)は前年同月比+4.9%と発表され、市場予想の+4.8%を上回る強い結果でしたが、1月ミシガン大学消費者態度指数・確報値は67.2と予想の68.7を下回り、2011年11月以来の低水準となりました。

 1月下旬~2月上旬においては米国企業の決算発表がピークを迎えます。好決算を発表したアップルやビザが急騰した一方、決算が予想を下回ったシェブロンはともかく、予想を上回る決算を発表したキャタピラーも大きく下落しました。

<直近3カ月の香港ハンセン指数の推移>

出所:楽天証券ウェブサイトより

 一方、1月の中国株式市場は昨年12月の軟調相場から持ち直しました。

 2月4日から開催されている北京オリンピックへの期待が高まる中で、香港ハンセン指数の1月末終値は23802.26ポイントと、12月末終値からの騰落率は1.7%高でした。

 北京は世界で唯一、夏季大会と冬季大会の両五輪を開催する都市となりました。

 開催期間は中国旧正月の春節と元宵節と重なるため、帰省の動きも本格化する中、中国当局は「ゼロコロナ」政策をあげ、警戒を強めています。

2022年1月 個人投資家に人気だった銘柄は⁉

2022年1月 米国株式買付者数ランキング

順位 ティッカー 前月順位 銘柄名 関連するテーマ
1 VTI 1 バンガード・トータル・ストック・マーケットETF ETF、米国株式
2 VOO 3 バンガード・S&P 500 ETF ETF、S&P500
3 AAPL 6 アップル スマホ、PC
4 SOXL 8 Direxion デイリー 半導体株 ブル 3倍 ETF レバレッジETF、半導体
5 VYM 7 バンガード 米国高配当株式ETF ETF、高配当株式
6 SPYD 2 SPDRポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF ETF、高配当株式
7 MSFT 11 マイクロソフト ソフトウェア、PC
8 QYLD 13 グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF ETF、ナスダック100、オプション
9 QQQ 9 インベスコQQQ 信託シリーズ1 ETF、ナスダック100
10 TSLA 5 テスラ 電気自動車
※楽天証券内買付者数ベース。2022年1月1日~1月31日、国内約定日ベース。

 楽天証券における1月の米国株式月間買付者数ランキングのトップとなったのはバンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)で、昨年10月から「4連覇」となりました。上位10銘柄中、ETFが7銘柄を占めました。S&P500指数やNASDAQ指数に連動するETFが目立ちます。

 そして、個別銘柄としてランクインしたのは、iPhoneをはじめ各商品が市場予想を上回る好業績を発表したアップル(AAPL)、決算や見通しが好感されたマイクロソフト(MSFT)、半導体不足が叫ばれる中の増産で売上高・純利益が四半期過去最高を更新したテスラ(TSLA)です。

2022年1月 中国株式買付代金ランキング

順位 ティッカー 前月順位 銘柄名 関連するテーマ
1 9988 1 阿里巴巴集団控股 (アリババ・グループ・ホールディング) ネット通販最大手
2 700 2 騰訊控股 (テンセント・ホールディングス) インターネットサービス大手
3 1548 - 金斯瑞生物科技 (ジェンスクリプト・バイオテック) バイオテック
4 2800 5 Tracker FUND OF HONG KONG (トラッカー・ファンド・オブ・ホンコン) ハンセン指数連動のETF
5 1211 3 比亜迪 (BYD) 自動車・電池メーカー
6 1810 4 小米集団 (シャオミ) スマホ大手
7 257 72 中国光大環境 (チャイナ・エバーブライト・エンバイロメント・グループ) 環境関連
8 2269 19 薬明生物技術 (ウーシー・バイオロジクス) バイオテック
9 489 7 東風汽車集団 (ドンフォン・モーター・グループ) 大手自動車メーカー
10 1772 20 江西カン鋒リ業 (ジャンシー・ガンフォン・リチウム) リチウム製品メーカー
※楽天証券内買付代金ベース。2022年1月1日~1月31日、国内約定日ベース。

 楽天証券における1月の中国株式月間買付代金ランキングのトップとなったのは、アリババ・グループ(9988)で、先月に続き「2連覇」を果たしました。

 生命科学研究に必要なサービスや製品を提供するジェンスクリプト・バイオテック(1548)、ごみ処理発電・汚水処理を請け負うチャイナ・エバーブライト・エンバイロンメント(257)、バイオ医薬品の新薬発見・臨床試験・製造を請け負うウーシー・バイオロジクス(2269)、リチウム製品を製造するジャンシー・ガンフォン・リチウム(1772)が新たにランクインしました。

ランキング上位の銘柄について、最近の動向を確認!

アップル(AAPL)

出所:楽天証券ウェブサイトより(直近6カ月間日足チャート)

 日本時間1月28日早朝(現地時間27日引け後)に、アップルは2021年10-12月期(第1四半期)決算を発表しました。

 新型コロナウイルスの感染拡大と半導体不足によるサプライチェーン危機を受けながらも、売上高、EPS(1株あたり純利益)ともに市場予想を上回る好決算でした。

 第1四半期の売上高は、前年同期比11%増の1,239億ドル(約14兆2,800億円)で、四半期過去最高を記録しました。1株当たり純利益も、前年同期と比較し2桁の成長を果たしました。

 好調な決算発表の翌日(現地時間28日)、同社の株価は7%高の170.33ドルと、2020年7月31日以来の大幅上昇となりました。

 世界的に5Gが加速する中、iPhone13シリーズの発売はアップル全体の売上高に大きく貢献しています。しかし、地域別売上高を見ると、中国市場や米国では前年比で2桁増でしたが、なぜか日本市場だけは失速しているようにみえます。

 今年9月にiPhone14シリーズの新品発表はあるのでしょうか、引き続き注目していきたいです。

ウーシー・バイオロジクス(2269)

出所:楽天証券ウェブサイトより(直近6カ月間日足チャート)

 ウーシー・バイオロジクスは中国のバイオ医薬品の受託開発・製造サービス大手で、ハンセン指数の構成銘柄に採用されています。モノクローナル抗体や抗体薬物複合体(ADC)、二重特異性抗体などを使う新薬の開発に強みを持っています。中国国内だけでなく、英アストラゼネカや米ジェネンテックなど世界製薬大手も主要顧客となっています。

 同社は昨年12月16日に、発行済み株式の10%を上限に、最大で5億米ドルを投じて自社株買いを実施すると発表しました。1月5日までに市場取引を通じて合わせて自社株式4,505万8,000株を取得し、取得総額は上限の5億米ドルを上回りました。

 世界各地でオミクロン株の感染が拡大される中、同社は新型コロナのワクチンおよび経口薬の世界需要の高まりを背景に、2021年通期決算で純利益が前期比倍増となる見通しを明らかにしました。