今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは116.25

下値メドは114.65

[地政学] 中露関係で北京オリンピック開催中のウクライナ侵攻はない。本当の危機は2週間後
[ユーロ] 今年の仏大統領選、マクロン大統領と保守共和党のペクレス氏の一騎討ち
[ポンド] ジョンソン英政権の三大苦悩:ブレグジット失敗、消費縮小、税収入減少

 8日(火曜)のドル/円は「円安」。24時間のレンジは115.05円から115.63円。値幅は0.57円。 

 2022年の27営業日目は115.07円からスタート。114円台入口前から買いがあるようで、円高方面は底固く、東京市場オープン後につけた115.05円が安値。その後は買い優勢で、雇用統計後の高値(115.43円)を更新してなお上昇、未明に高値115.63円をつけました。終値は115.55円(前日比+0.46円)

 レジスタンスは、115.68円(1月28日高値)、116.00円、その上は116.35円(1月4日高値)。サポートは、115.07円(8日安値、200時間移動平均)、114.57円、114.00円。

 8日のユーロ/円は「ユーロ高(円安)」。24時間のレンジは131.48円から132.03円。

 夕方に131.48円まで下げた後は上昇、未明に132.03円をつけました。131円台前半は固いが、一方で132円台前半からの売りも強い。ユーロ/ドルの勢いがこの日はなかったことも、ユーロ/円の上昇を遮りました。終値は131.92円(前日比+0.26円)。

 レジスタンスは 132.19円(7日高値)132.60円(21年11月高値)、133.48円(21年10月高値)。サポートは、131.25円(7日安値)、129.80円(200時間移動平均)。

8日ユーロ/ドルは「ユーロ安」。24時間のレンジは1.1396ドルから1.1449ドル。 
昼間につけた1.1449ドルが高値で、夕方にいったん1.13ドル台に下げて、安値1.1396ドルをつけました。終値は1.1417ドル(前日比▲0.0022ドル)。

レジスタンスは1.1484ドル(4日高値)、1.1500ドル、1.1600ドル。
サポートは、1.1370ドル(1月20日高値)、1.1287ドル(200時間移動平均)。

 利上げに慎重だったECB(欧州中央銀行)がタカ派に転向した理由は、1月の欧州のインフレ率が過去最大の上昇を記録したこと。ECBは、インフレ見通しを完全に見誤りました。欧州のインフレ率は昨年12月にピークを迎えると予測していましたが、1月の欧州CPI(消費者物価指数)は、下がるどころか+5.1%と過去最大水準に上昇。これ以上、インフレ一過性論に固執し続けるのは、中央銀行の信頼性にかかわる。ECBのラガルド総裁は、急にタカ派に宗旨替えして、早期利上げを暗に認めました。

 しかし、ラガルド総裁は、金融政策の手順について次のように述べています。「利上げの前に(量的緩和政策の)APP(債券購入プログラム)を終了する要がある。」

 APPは6月終了、利上げは第4四半期というのがECBの考え。問題は、ECBは以前に政策ガイダンスとして「APPは利上げの直前に終了する」と発表していること。そうであれば、APP終了後、利上げまでに半年近く時間を空けることは、ガイダンスとしての意味がなくなる。

 現在のマーケットは7月の利上げを予想し、ECBはマーケットの先走りに内心慌てています。ECBは次回会合までにAPPと利上げの関係と政策ガイダンスの辻褄を合わせてマーケットを納得させる必要があります。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

人生は儚く、明日の保証は何もない。だからこそ今持てる力をすべて出し尽くせ - ティム・クック(アップル社CEO)

Rasputin

 米CPI(消費者物価指数)が、木曜日(10日)に発表されます。雇用統計と同じかそれ以上にマーケットが注目する経済指標です。

 市場予想によると、1月のCPIは、前月比+0.4%、前年比+7.3%(12月は前月比+0.5%、前年比+7.0%)。食品とエネルギーを除いたコア・インフレ率は、前年比+5.9%の予想(12月+5.5%)の予想。

 CPIは、昨年10月(+0.9%)をピークに緩やかな減速が続いています。しかしながら、食品とコア価格が下がらないため、1月のインフレ率はまだ+0.4%と強い。原油価格が上昇しているため、CPIは2月にさらに高くなるリスクがあります。

 米国のCPI(消費者物価指数)の大幅上昇は、米国の中古車価格の高騰が大きな原因です。マンハイム社は、米国内の約80カ所の拠点から年間約600万台の自動車を販売する、米国最大の自動車オークション会社で、ライブ・オークションとデジタル・オークションの両方を運営しており、入札者はリアルタイムで参加することができます。

 そのマンハイム社が出している、中古車価格指数は236.3とわずかながら上昇。前年比では45.0%の大幅上昇となっています。一時期の異常な高騰はおさまりましたが、価格が下がったといえるにはまだ時間がかかりそうです。マンハイムのオークションの動向は、数ヵ月の遅れをもって中古車小売価格に反映されるので、CPIは当面高止まりが続くと予想されます。

 交通網が発達している日本では、中古車価格が急上昇したところでインフレの実感はわかない。一部の商品が高くなっただけで、運転しない人にとっては関係ないことです。インフレはグローバルではなく、ローカルな問題だといわれる理由です。

 しかし、食料品はそうはいかない。ドライブをしない人は大勢いるが、食事をしない人はいない。先進国の食料品価格は、農業生産国のエネルギー価格と労働コストが大部分を占めます。最近では中東の政府が小麦を大量に購入したり、中国人が食料の備蓄を増やしたりするなどパニック買いが発生しています。日本にも食料品インフレがやってきました。食料品インフレは、ローカルではなくグローバルな問題です。

今週の 重要経済指標

出所:楽天証券作成

今日の注目通貨:ユーロ/円

2月の予想レンジ:↑134.54円 ↓127.91円

 今月のユーロ/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は131.22円。131.22円より上ならばユーロ買い優勢、131.22円より下ならばユーロ売り優勢。

135.81円    : 第4 レジスタンス(HBO)

134.54円     : 第3 レジスタンス
134.12    円    : 2021年  高値

133.28円    : 第2 レジスタンス

132.88円    : 第1 レジスタンス
132.19円    : 2022年  高値 

131.22円 : ピボット

130.22円     : 2022年 平均値 

129.57円     : 第1 サポート
129.17円     : 第2 サポート 

128.25円     : 2022年 安値 

127.91円     : 第3 サポート

126.64円     : 第4サポート (LBO)

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成