2022年に入って1カ月強が経過した日本株

 早いもので、2022年に入ってすでに1カ月強が経過しました。1月の日本株はなかなか厳しい下げに見舞われましたが、その後は少し落ち着きを見せ始め、下落前の動きに戻ってきました。

 その動きとは、セクターでいえば三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)りそなホールディングス(8308)などの銀行株、伊藤忠商事(8001)三菱商事(8058)などの商社株、INPEX(1605)住友金属鉱山(5713)などの資源・エネルギー関連株といった銘柄が引き続き強いというものです。

 これらの銘柄の中には、1月の大きな下落の時期でさえも25日移動平均線を割り込むことなく上昇トレンドを維持していたものも目立ちます。

上昇銘柄は米国10年物国債利回りに連動して上昇している

 また、足元で進行しているのが米国10年物国債の利回りの上昇です。2月4日には1.93%まで上昇し、コロナ後の高値を更新、コロナ前の水準まで戻っています。チャートの形を見る限り、これ以上上昇した場合は、利回り3%程度まで上昇してもおかしくない動きです。

 上記で挙げた銘柄群は、いずれも米国10年物国債の利回りと株価上昇がおおむね連動して動いています。

 そして、国債利回りが上昇しているということは「インフレ相場」でもあります。足元のインフレを抑制するために政策金利の利上げが行われ、それに連動して国債利回りが上昇するという状況です。

 ということは、上記の銘柄群は、株式マーケットがインフレ相場になった際に株価が上昇しやすいものといえますから、今後の銘柄選択の大きな参考になると思います。

足元で上昇している銘柄のマイナス面とその対応策

 前項で挙げた銘柄は、いずれも東証1部に上場し、時価総額も大きなものです。このような大型株は、株価の動きはかなりゆるやかです。

 株価チャートをご覧いただくと、一見大きく上昇しているように見えるものの、実際は1~2割程度しか上昇していない、ということも多くあります。

 成長株であれば、1年で2倍、3倍と上昇するケースは頻繁にありますが、足元で上昇している銘柄群は成長株ではなく、かつ大型株のため、そうした大きな上昇はあまり期待できません。

 そこで対応策として考えられるのが、成長株へ投資するときよりも、1銘柄当たりに投下する資金を大きくするというものです。

 成長株に50万円投資して2倍になると利益は50万円です。成長株でない大型株では過去の値動きからせいぜい25%程度の上昇が限界、とするのであれば、同じ50万円の利益を得るためには200万円の投資額が必要となります。

 ただ、これだと株式に投下する資金が大きくなってしまい、気づいたら過度のリスクを取っていた……ということにもなりかねません。

 安全性を重視するのであれば、無理に投下資金を増やすのは避ける方がよいでしょう。ただ、その一方で、成長株に投資するときのような大きなリターンは見込みづらいという点は許容せざるを得ません。

成長株はどう考えるか?

 成長株については、下げ止まりの感もあるものの引き続き下降トレンドの弱い動きのものが目立ちます。

 特にPER(株価収益率)が高いものについては、インフレにより将来の貨幣価値が低下することにより評価額が下がり、それが株価下落につながるという教科書通りの動きとなっています。

 ただ、過去の経験則からすると、金利上昇局面においてずっと株価が下げ続けているわけでもないため、逆にここからは「売られすぎ」として再び買われる場面が来るのではないかと考えています。

 前項で述べた通り、足元で強い動きとなっている銘柄は大型株が多く、それほど大きな上昇は期待できません。その一方で成長株は時に5倍、10倍という高い上昇率が期待できるのが魅力です。

 株価が下降トレンドから上昇トレンドに転じたら、成長株への買いも検討してよいのではないかと思います。それでも、PERが高すぎる銘柄については引き続き株価下落に注意が必要です。

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